2017年07月29日

「司法書士」試験も,社会人が転職のために受験するパターンが多い資格です。

それもそのはず。

仕事も魅力的ですし,試験も比較的受験しやすいからなんですよ。



■司法書士は主に「登記」に関する手続をする仕事


司法書士は主に「登記」に関する手続を代理して行っています。


「登記って何?」っていう人も多いと思います。

「登記」は不動産などの権利関係を公示するためのです。


と言っても分かりにくいと思いますので例を挙げてみましょう。

たとえば,AさんがBさんに土地を売ったとします。

Bさんは「やった。この土地は僕のものだ。」と喜んでいたら,Aさんが同じ土地をCさんにも売ってしまったとします。

AさんがBさんとCさんに二重に土地を売ってしまった状態ですね。

こうなるとBさんとCさんの間で「この土地は僕のものだ!」という喧嘩になります。

こんな時に便利なのが登記です。

AさんがBさんに土地を売った時に,Bさんが「この土地はBのものです」という「登記」をして公示おくと,その後にAさんがCさんに土地を売っても,BさんはCさんに「この土地は僕(B)のものです」と言えるんですね。

なぜなら,Bさんがきちんと「登記」で「この土地は僕のものですよ」と公示をしていたのに,それを確認しないで同じ土地を買ったCさんが悪いからです。

ですから,不動産の売買では「登記」は非常に大事なんです。


また不動産の売買だけでなく,不動産に抵当権(担保)を付ける時にも「登記」をしますし,会社を作ったり会社の役員が替わった時なんかにも「登記」をしたりします。


ただ,この「登記」の手続が面倒くさいんですよ。

そこで頼りになるのが「司法書士」です。

「司法書士」の先生は,面倒くさい「登記」という手続を代わりにやってくれるんですね。

私たち弁護士も「登記」の業務はできることになっているのですが,普段から登記業務をやっているプロの司法書士の先生には太刀打ちできません。

ですから,弁護士も「登記」をしなければならない時は,司法書士の先生にお願いをすることが多いです。


ちょっと話が長くなりましたが,司法書士が行う「登記」というのはとても大事な業務ですし,需要がある仕事なんです。




■司法書士は簡易裁判所で訴訟(裁判)の代理人にもなれる


司法書士の仕事は「登記」だけではありません。

司法書士は必要な認定を受けることで,法律の専門家として簡易裁判所の裁判で代理人として,弁護士と同じような仕事ができるんですね。

簡易裁判所は訴額(裁判の対象となるお金や物の価格)が140万円未満の事件を取り扱っています。

ですから,問題となっているお金や物の価格が140万円未満でれあれば,司法書士も弁護士と同じような仕事ができるんです。


また相続の際に遺産分割に関する書類を作成することもあったり,法律の専門家として法律相談を受けることも少なくありません。

まさに司法書士は気軽に相談をできる「町の法律家」です。


司法書士の仕事内容をより詳しく知りたい人は「司法書士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本」という本を読んでみることをおすすめします。

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■司法書士試験は働きながら合格する人が多い


司法書士試験は,社会人になった後に転職のために受験する人が多い資格であるというお話をしましたが,それは司法試験などに比べると社会人も受験しやすいからなんですよね。


弁護士になるための「司法」試験(≠「司法書士」試験)を受験するためには,法科大学院を卒業するか,予備試験に合格する必要があります。

法科大学院を卒業するためには会社を休職するか辞めるかしなければなりませんし,予備試験経由で司法試験に合格するためみは,予備試験と司法試験の両方の試験に合格する必要があるのでハードルは高めです。


他方,司法書士試験は受験資格の制限はなく,だれでも受験可能です。

しかも試験は筆記試験1日,口述試験1日の合計2日間だけですから,社会人にとっては受験しやすい試験なんです。


とは言っても司法書士試験の合格率は2%~3%程度で,簡単な試験ではありません。

そこで,次回は司法書士試験の勉強方法についてお話をしたいと思います。

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「公認会計士試験」は「税理士試験」と共通する点もありますが,「税理士試験」は数年に分けて科目合格をしていけば良いのに対し,「公認会計士試験」は1年から3年という短期間で全科目に合格する必要があります。

そのため「税理士試験」はコツコツと勉強をしていくタイプの人に向いていますが,「公認会計士試験」は下りのエスカレーターを駆け上がるような勢いがある人に向いている試験です。



■とりあえず簿記3級と簿記2級に合格する


「税理士試験」と同様に,「公認会計士試験」を受けてみたいという人は,最初に簿記3級と2級を受験してみることをおすすめします。

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公認会計士試験では日商簿記よりもかなり複雑な問題が出ますので,簿記2級になかなか合格できなかった人には,公認会計士試験の勉強を続けるのはちょっとキツイかも知れません。





■「公認会計士試験」の受験資格


「税理士試験」と違って「公認会計士試験」には受験資格は必要ありません。

そのため高校生で公認会計士試験に合格してしまう人もいます。

ですから無理に簿記1級にチャレンジする必要はありません。

ただ「公認会計士試験」と簿記1級の学習範囲は重なる部分が多いため,「公認会計士試験」を受験するついでに簿記1級にチャレンジする人も多いです。






■簿記2級に合格したら?


「税理士試験」と同様「公認会計士試験」は独学で合格するのは至難の業です。

「公認会計士試験」用の市販の教材は少なく,特に租税法に関して言えば「公認会計士試験」用の市販の教材はほとんどありません。

そのため,「公認会計士試験」に合格をしたいのであれば,スクールを利用すべきです。



もっとも,「公認会計士試験」に独学で合格した人がいないわけではありません。

「公認会計士試験」にたった24週間で合格してしまった超人がいます。

その人が書かれた「24週間で独学合格!公認会計士試験マル秘学習法」という本は,独学で合格を目指す人だけでなく,スクールを使う人にとっても参考になる部分が多いですので,一度は目を通しておくことをおすすめします。

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■科目合格について


公認会計士試験は短答式試験(複数の肢から正解を選ぶ試験)と,論文式試験(文章で解答する試験)の2つに合格する必要があります。


短答式試験と論文式試験の科目は以下のとおりです。

○短答式試験
(1)財務会計論
(2)管理会計論
(3)監査論
(4)企業法


○論文式試験
(1)財務会計論
(2)管理会計論
(3)監査論
(4)企業法
(5)租税法
(6)選択科目(経営学,経済学,民法,統計学のいずれか1つ)


これらの全科目に3年以内に合格するのは,かなり大変なんですよね。


ただ,公認会計士試験は社会人も受験しやすいような工夫がされています。

たとえば,短答式試験に1度合格すると,その後2年間は短答式試験は免除になって,論文式試験に集中することができます。


また,論文式試験の科目で一定の点数をとると,その科目については2年間は免除になります。

そのため,科目ごとに3年に分けて少しずつ勉強をして合格することも可能になっています。




■試験科目の免除を受ける


公認会計士試験には,一部の科目を受験しなくて良い,という免除を受けられる制度があります。



1 会計大学院を修了する方法


一番メジャーなのが会計大学院を修了する方法です。

会計大学院で定められた単位をとって修了すると短答式試験の「財務会計論」「管理会計論」「監査論」の3科目が免除になります。


ここ数年の公認会計士試験の短答式試験の合格率(合格者数÷受験者数)は4%~16%程度ですが,論文式試験の合格率は35%前後なんです。

このように,公認会計士試験はそもそも短答式試験でつまづいてしまう人が多い試験なんですよね。

ですから,短答式試験で3科目も免除を受けられれば,ほとんど論文式試験の勉強の集中できますから,会計大学院を修了した人はかなり有利になるんですよね。

本気で公認会計士になりたい人は会計大学院に入学するのもアリだと思います。



2 大会社・国・地方公共団体等で会計または監査に関する事務または業務等に

従事した期間が通算で7年以上になる者

会社員や公務員として会計や監査の仕事を7年以上していた人は,短答式試験の「財務会計論」が免除になります。

会社や公務員で会計の仕事をしている人って結構多いですよね。

会社員や公務員の人は,自分が免除にならないか確認をしてみてください。

社会人として働いていた経験が試験で活かせるのも公認会計士試験の魅力です。






3 司法試験に合格すると公認会計士試験でものすごく有利になる


公認会計士試験で「あり得ない」くらいの科目免除を受けられる方法があります。

それは司法試験に合格することです。

司法試験に合格すると,短答式試験は全て免除になって,しかも論文式試験も「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「租税法」の4科目だけ合格すれば良いんですよ。

これは他の受験生と比べると「反則的」と言えるほど有利です。

司法試験合格者は,他の受験生の半分程度の勉強時間で合格できると言われています。


短答式試験→全て免除

論文式試験
(1)財務会計論
(2)管理会計論
(3)監査論
(4)企業法→免除
(5)租税法
(6)選択科目(民法)→免除



司法試験も大変な試験ですが,最近では司法試験に合格した後に,公認会計士の資格もとって,弁護士と公認会計士のダブルライセンスで仕事をしている人も増えています。

他方で公認会計士の資格ととった後に,司法試験に挑戦する人もいますが,この場合,司法試験では科目の免除がありません。

そのため,弁護士になるか,公認会計士になるか迷っている人は,とりえあえず先に司法試験に挑戦してみて,その後に公認会計士試験を受けたほうが効率的だと思います。


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前回,「税理士」資格について説明をしましたが,税理士と関連のある資格とし
て「公認会計士」という資格があります。



■「公認会計士」は主に大企業の「監査」を行う


「税理士」は,基本的に依頼者の代わりに税務署に提出する申告書類などを作ったり,税に関する相談に乗ったりする仕事をしますが,「公認会計士」は主に大企業の「監査」を行います。


「監査」の仕事については東芝のニュースを思い出してもらえると分かりやすいと思います。

平成27年に東芝が不正経理・粉飾決算をしていたことが判明して,東芝は経営危機に陥っています。

企業は毎年「決算書(財務諸表)」という書類を作らなければいけないんですよね。

決算書は金融機関が融資をしたり,投資家が投資をしたりする際に参考にするので,決算書の内容に嘘が書いてあると,周りにものすごい迷惑がかかるんですよ。

そこで不正経理や粉飾決算を防止するために,公認会計士の資格を持った人が集まった「監査法人」が「監査」という形でチェックをすることになっているんです。



そのため「税理士」が個人事業主や中小企業を相手に仕事をすることが多いのに対し,「公認会計士」は大企業を相手に仕事をすることが多いという違いがあります。



「公認会計士」は基本的に不正を防止するために「監査」をする仕事ですから,正義感がある人に向いています。

一般的なサラリーマンをしていると,会社の中で「これって方法としてマズイんじゃないの?」と思うことがあっても,クビになるのが怖くてなかなか言い出せない雰囲気があったりすることもあります。

実際,私も公務員時代に法律に抵触する運用について上司に何度も文句を言いましたが,「今までこれでやってからいいんだよ。黙ってやれ!」と怒られてしまったことがあります。

しかし,「公認会計士」は「正しいことをしましょう」と言ってお金をもらえるんですね!

なんて素晴らしい仕事!

公認会計士の仕事は責任も重く,大変なことも多いようですが,その分やり甲斐はありますので,曲がったことが嫌いな人には向いている仕事だと思います。


公認会計士の仕事の内容をより詳しく知りたい人は「公認会計士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本」という本を読んでみると良いと思いますよ。

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■公認会計士の年収や勤務環境


以前は一時的に「公認会計士は就職難」と騒がれていましたが,最近では公認会計士の合格者数も元に戻ってきたこともあり,最近では監査法人も人手不足のようです。

そのため,監査法人に就職すると初任給で500万円から600万円も貰えることが多く,就職して数年で1000万前後の給与になる人も珍しくありません。


決算の時期には残業が多くなりますが,決算以外の時期は普通に有給休暇を取ることもできることが多く,子育てをしながら公認会計士の仕事を続けている女性も多いです。



このように,年収も勤務環境も比較的恵まれている「公認会計士」ですから,社会人になってから公認会計士の試験を受験して転職する人も少なくありません。

とはいっても,「公認会計士」の資格を取ることはそうそう簡単ではありません。


そこで,次回は「公認会計士試験」の勉強方法についてお話をしたいと思います。

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