2019年03月

2019年03月03日

質問をいただきましたので,私の分かる範囲でお答えしようと思います。

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管理人様
いつもお世話になっております。
度々の質問で大変恐縮です。

司法試験後の就職活動についてお伺いします。
私は司法予備試験を経て司法試験に合格し、M&Aに携わる弁護士を目指しております。
しかし、そういった内容の業務に携わる事務所に入るには法科大学院で専用の授業を履修していなければならないと聞きました。
予備試験合格者は結局のところ、個人相手やインハウスしか道がないのでしょうか。司法試験の成績が良くても4大事務所にはいることはできないのでしょうか。

長文大変失礼しました。
よろしくお願いします。
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私は四大法律事務所等の大手の事務所で就職活動をしたことはありませんが,修習の同じクラスの同期に何人か四大法律事務所に就職した人がいるので,私の知っている範囲でお答えしたいと思います。


○予備試験と四大法律事務所


四大法律事務所は,予備試験合格者だからといって就職できないということはありません。

私の知っている範囲の同期でも,予備試験合格者で四大法律事務所に就職した人は何人かいます。

司法試験合格者のための「ジュリナビ」というサイトがあるのですが,そこで五大法律事務所(西村あさひ,アンダーソン・毛利・友常,森・濱田,長島・大野,TMI)における,予備試験合格者を含めた法科大学院ごとの割合が記事になっていましたので,そちらを参考にしてみてください。

これを見ると四大法律事務所に入所した弁護士のうち,4~7%は予備試験合格者であることが分かります。






むしろ,予備試験は500人弱しか合格しないため,若くして予備試験と司法試験に合格すれば,優秀な人材であるというアピールになり,四大法律事務所への就職も有利に進められるとか,四大法律事務所は予備試験合格者の青田刈りをしている等と言われたりしています。

四大法律事務所の中には,予備試験合格者のみを対象にしたクラーク・プログラム(ちょっとしたインターンのようなもの)を実施しているところもありますが,これは四大法律事務所としても予備試験合格者の採用にも力を入れているからだと思います。


ただ,予備試験合格者として四大法律事務所に入る場合であっても,出身学部は東大,慶応,早稲田,京大等の大学が有利だと思います。

私の同期で四大法律事務所に行った人も,確か東大と慶応だったはず。


また,予備試験合格者だけでなく法科大学院卒業生もそうですが,四大法律事務所に入るためには若いほうが有利です。

20代後半ないし30代でも四大法律事務所に就職した人がいるという噂は聞いたことがありますが,私の知り合いにはいません。

おそらく大手企業での社会人経験があるとか,語学に堪能であるといった特徴を持っていないと,20代後半ないし30代での四大法律事務所への就職は厳しいと思います。

また,司法試験に1回でも落ちると四大法律事務所への就職はかなり厳しいと思います(少なくとも私の同期で四大法律事務所に入った人は全て1発合格です。)。



○四大法律事務以外の法律事務所について


「M&Aに携わる弁護士を目指しております」とのことですが,四大法律事務所以外にもM&Aに携わっている法律事務所はありますし,四大法律事務所に入所したからといって,全員がM&Aをメインでやっている訳でもないと思います。

また,四大法律事務所以外の弁護士が,皆,個人の方を依頼者とする弁護士になったり,インハウスになっている訳ではありません。

むしろ,「個人の方のみを依頼者として,企業からの相談や依頼はほとんどない。」という事務所のほうが少ないのではないかと思いますし,四大法律事務所以外にも主に企業の顧問を多く抱えている事務所はたくさんあります。

M&Aは税理士法人が携わることも少なくありませんが,そういった税理士法人が弁護士を募集していることもあります。

したがって,M&Aに携わる弁護士になりたいのであれば,四大法律事務所を目指すことも良いことだと思いますが,他の事務所にも広く目を向けてみるのも良いのではないかと思います。



○法科大学院におけるM&Aの授業について


また,M&Aに携わるためには,法科大学院で専用の授業を履修しなければならない,ということもありません。

私も法科大学院の時にM&Aの授業を受け,成績もとても良かったのですが,実務ではほとんど役に立っていません・・・。

教授から西村あさひの「M&A法大全」という本を指定され(当時は2001版。今年新版が出たみたいです。),必死に読んだのですが,やはり本を読んだり授業を受けているだけでなく,実際に業務に携わってみないと分からないことだらけだと思います。税法の知識も必要ですし。

★M&A法大全


実際にM&Aの仕事に携わるのであれば,弁護士になった後に必死でまた勉強する必要があると思いますし,実際にM&Aに携わっている実務家の多くが日々努力をして知識や経験を積み重ねていると思います。



○四大法律事務所の就職活動


なお,四大法律事務所は,事実上司法試験に合格する前から就職活動が始まっています。


予備試験に合格した後,先程お話ししたクラーク・プログラム等に参加をする等して,司法試験を5月に受験し,翌月の6月頃からは内定が出始め,司法試験の合格発表がある9月には採用はほぼ終わっています。

なので,四大法律事務所への就職を考えているのであれば,事前に四大法律事務所のHP等を十分にチェックしておいたり,情報収集をしておいて,予備試験に合格した時点で,四大法律事務所でのクラーク・プログラムに申し込む等,早め早めに動いたほうが良いと思います。

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