2019年05月

2019年05月24日


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いつも参考にさせて頂いてます。論文の勉強法(戦略)についてご意見を賜りたく存じます。私は完全独学で学習をしておりますが,現在スケジュールリングに不安が残る状態に陥っています。そこでなんですが,今年の予備試験論文まで残り54日ほどではありますが,先生でしたら,この限られた期間の中でどのような学習計画を構築されますか。なお,現在の私のレベルは,論文受験生の真ん中程度です。また,一日のうち予備試験へ向けた学習時間を6時間ほど確保できます。具体的な教材を科目ごとに提示してくだされば非常に助かります。
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「●論文式試験問題集の使い方と勉強の進め方(スケジュール)について」という記事でも書きましたが,試験直前期は「あまり手を広げず,これまでやってきた勉強の復習や,基本的事項の確認を中心にする。」というのが王道の勉強方法だと思います。

焦って手を広げすぎたり,難しめの問題集に手を付け始めたりして,消化不良になって失敗する受験生が多いからです。


試験直前期に使える教材はいろいろとありますが,直前期に新しいツールに手を出すことはあまりおすすめしません。

自分が今まで使ってきた教材を使い続けるのが一番安全で効率が良いでしょう。

今まで使ってきたツールがどうしても使いづらいという場合には,後述の私が使っていたツールを参考にしてみてください。



勉強内容については,どの部分に弱点があるのかによると思います。

例えば,基本的な論点知識はある程度あるものの,論文式過去問への慣れが不十分であるという場合には,過去問を解いた後に「ぶんせき本」を読み,自分の書いた答案を上位答案を比較する,という勉強方法を多めに組み入れる必要があるでしょう。六法はもちろん最新版の「司法試験予備試験用六法」を使い,慣れておいてください。

他方,論文式過去問への慣れはあるものの,論点知識に穴がある,基本的な知識に不安があるという場合には,自分が今まで使ってきた問題集,基本書・予備校本,ノートなどを使って,基本的な知識・理解の復習に努めるべきです。

また,答練・模試の復習が十分に出来ていない場合には,きちんと復習をしておくべきです。答練・模試と同じような論点が出題された時に,他の受験生に差を付けられてしまうからです。



参考までに私が司法試験の直前期に論文式試験対策として行った勉強は概ね以下のとおりです。

・自分が作った論証用のノートを復習。

・自分の論証を作っていない論点については,辰巳法律研究所の「趣旨規範ハンドブック」を使って知識・理解に漏れがないか確認をしていく。重要論点について知識・理解が抜けていた場合には,頭に叩き込む。些末な論点について覚えきれない時には,条文の趣旨と,規範だけでも暗記しておく。

・答案作成方法について,自分が作ったノートや「趣旨規範ハンドブック」の「問題処理パターン」を読み,頭に叩き込んでおく。

・本番でやるべきこと・やっていはいけないことをまとめた自分のノートを読む。

・「伊藤真新ステップアップシリーズ」をざっと読み,知識・理解に不安がある論点・分野については徹底的に復習し,十分な論証を書けるように準備をしておく(本番では「ステップアップシリーズ」に書かれているような超基本的知識が合否を左右することが以外に多いからです。)。

・2日から3日に1回程度,過去問について答案作成をし,論文を作成する感覚が鈍らないようにしておく。

・「ぶんせき本」や過去問の出題趣旨を読み,合格答案のイメージトレーニングをする。

・辰巳法律研究所の「ハイローヤー」という雑誌の「論文試験直前期『ヤマ当て』」という特集や,模試の付録で付いてきた予想論点をチェックし,予想されている論点は徹底的に復習をしておく(公法系・刑事系は当たることが多いです。)。

以上が私が直前期に行ったことですが,たとえば今まで「趣旨規範ハンドブック」を使ったことがない人が,直前期に「趣旨規範ハンドブック」を初めて使うのが効率が良いかというと疑問があります。

先程お話したとおり,自分が使い慣れたツールがあれば,そちらを復習したほうが一般的には効率が良いです(初見のものを覚えるよりも,何回か見たことがあるものを覚えるほうが効率が良いからです)。


私は基本書・予備校本を「通読しない派」でしたので,直前期に基本書・予備校本を読み込むことはしませんでしたが,普段から基本書・予備校本を知識インプット用のツールとして読み込んでいる人は,基本書・予備校本を読むことが効率的な場合もあるでしょう。



それから学習とは直接的な関係ありませんが

・本番と同じスケージュールで朝起きるようにする。

・適度な運動をし,規則正しい生活・食事をして体調を崩さないようにする。

・昼食に何を食べるか,何を飲むか決めておき,実際に同じものを同じ時間に飲食してみて問題がないか確認しておく(私は本番でお腹を壊し地獄を見ました)。


試験直前は

・筆記用具がちゃんと書けるか確認しておく。2組ずつ用意しておく。

・本番で時計が動いているか確認する。2個用意しておく。(運悪く本番に電池切れというパターンがあります。)

・試験会場が遠い人はホテル・交通機関の予約を確認する。


ということが大事だと思います。

【アクセスの多い記事】
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Comments(2) |  │   (09:57)


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law practiceは改正民法に完全対応ですが、解答例が無いようです。 
こう言うのはどう使うのでしょうか。 
回答がなくても解説を読めばわかるのでしょうか。 
なんか不安です。
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シケタイに載っていた過去問を見ると改正後の物でも参照箇所を見つけられますから、law practiceも自分で答えを探せと言うことですか。
それが合格する人のやり方なのでしょうか。
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「law practice」は優れた学習書だと思いますが,論文式試験の勉強において,基本的に独学で解答例がない問題集を使うことは,おすすめしません。

というのも,独学で解答例がない問題集を使っていても,どのような答案を書くと本試験で点が得られやすいか,という感覚・技術を身につけることが難しいからです。

「伊藤塾試験対策問題集」等の問題集は,新旧司法試験の過去問と優秀答案を元に問題・参考解答例が作成されており,同じような答案が書けるようになれば,本試験に対応しうる基礎的な技術を身につけることができるように工夫されています。

他方,解答例がない問題集を使う場合,自力で答案を作成しても,それが本試験で評価される内容なのか判断することができないため,人によっては答案の書き方に独自の癖が付いてしまい,なかなか直らないという人もいます。

なので,私としては,基本的に独学で解答例がない問題集を使うことはおすすめしていません。


ただし,ゼミを組んで問題集を使う場合でゼミのメンバーに優秀な人がいる場合や,上位合格者等から答案例をもらえるような場合には,解答例がない問題集を使っても問題はないと思います。


「●会社法・商法の勉強方法とおすすめの商法・会社法の基本書や参考書など」という記事でも書きましたが,会社法については「伊藤塾試験対策問題集」では演習量が足りないため,他の問題集も使ったほうが良いのですが,当時,司法試験用の優れた会社法の問題集としては,解答例のない「ロースクール演習 会社法」くらいしか見当たりませんでした。



そこで,私は成績が良い同級生を集めてゼミを組み,成績が良い同級生に答案例を書いてもらってそれを真似する,自分の答案の悪いところを批判してもらう,という勉強をしていました。

こういった使い方であれば,論文式試験の技術も身につきますし,変な癖が付くこともないので解答例がない問題集であっても比較的安心して使うことができます。


また,解答例がない問題集を「読み物」として使う,という方法もあります。

解答例がない問題集は,論文式試験で問われる可能性の高い事項について,詳しい解説がなされているため,論点に関する知識を深く得たい場合などには,有効です。

なので,辞書のように使ったり,最初から最後まで基本書のように読み込んで,知識を入れて理解を深めるために使うという方法もあります。

ただ,読んでいるだけでは答案は書けるようにはなりませんので(一部の天才は除く),別途答案を作成する練習は必要になってきます。
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はじめまして 
社会人で独学で予備試験を目指している者です 
経済的な理由から予備校受講を断念し独学での勉強に手探り状態だったのですが、このサイトに出逢い1年間に何をしていけばいいのか理解できました 
今は憲法を勉強していますが残りの科目もこのサイトを参考に勉強を進めていきたいと思います 
ただ論文の勉強に関して結構時間を割いて勉強しているのですが、一向にあとはこれを繰り返していくだけという状態が掴めず途方にくれています 
一度は1回全部覚えてコツを掴むとか重要な部分を所々覚える等試してみたんですが書ける兆しが全く見えてきません 
一体どのようにしていけばあとはこれを繰り返すんだという状態にもっていけるのでしょうか? 
ご多忙だと思いますがご教授頂ければ幸いです 
宜しくお願い致します
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相談者の方についてですが

(ア)憲法以外はまだ手をつけていない状況なのか
また
(イ)「書けるようにならない」というのは,「伊藤塾試験対策問題集」などに掲載されているような基本的レベルの答案が書けないのか,司法試験・予備試験の本試験(過去問)のレベルの問題が書けるようにならないのか。

によって話が変わってくるかなと思います。

まず,憲法以外はまだ手をつけていない状況であれば,早めに他の科目についても論文式試験の勉強を進めていったほうが良いと思います。

というのも,「●憲法の勉強方法とおすすめの憲法の基本書や参考書など」という記事で書いたとおり,司法試験の論文式試験の中でも憲法は論文は特殊で,慣れるまでは論文の答案書きづらい科目だからです。

憲法については,一度書き方のコツを掴むと安定した得点源に出来るのですが,書き方のコツを掴むまでは「全然書けないんだけど・・・」という状態が続く人が多いです。

私も「憲法の答案がそこそこ書けるようになったな」と思えたのは本試験の半年前頃で,「安定して点数が取れそうだ」と思えるようになったのは本試験の直前でした。なので,憲法以外の科目に手を付けていないという初期の段階で,本試験レベルの憲法の答案が思うように書けなくてもあまり気にすることはありませんし,当然のことだと思います。

憲法以外の科目で,例えば,民法,商法,刑法,刑事訴訟法などは,「事案の問題点と関連する条文を探して,必要があれば問題点を指摘し規範を立てて,問題文に書かれている事実を規範に当てはめて結論を出す」という,比較的シンプルな方法で答案が書けることが多いので,まず他の科目の勉強を進めてみて,その科目で答案がある程度書けそうか試してみると良いと思います。

他の科目である程度答案が書けるようであれば,憲法の答案が書けないのは,勉強方法の問題というよりも,憲法の特殊性に躓いているということだと思います。


2点目の『「伊藤塾試験対策問題集」にあるような基本的なレベルの答案が書けないのか,司法試験・予備試験の本試験(過去問)のレベルの問題が書けるようにならないのか』,という点ですが,もし「司法試験・予備試験の本試験(過去問)のレベルの問題が書けるようにならない」ということであれば,これも勉強の進捗状況によっては当然のことです。

私が「本試験レベルの問題を取りあえず形に出来るようになった」と思えたのは,本試験3ヶ月前くらいの答練が終わった頃です。

他方,「「伊藤塾試験対策問題集」にあるような基本的なレベルの答案が書けない」とうことであれば勉強方法を工夫する必要があると思います。


そこで,まず(1)司法試験・予備試験の論文試験を書けるようにするための一般的な勉強方法を述べた上で,その後,(2)憲法の論文の書き方の勉強方法について述べ,最後に(3)本試験レベルの論文答案を書けるようになるための勉強方法についてお話したいと思います。



  • ●(1)司法試験・予備試験の論文式答案を書けるようにするための一般的な勉強方法



  • ○論文答案の書き方を学ぶ

これまで何度もお話しているとおり,司法試験・予備試験の論文式答案を書けるようになるためには,まず「伊藤塾試験対策問題集」等,基本的なレベルの論文式の問題と参考答案が掲載された問題集を読んだり,写経したりして,参考答案と同じような答案を書けるようにすることが一番の近道だと思います。

ただ,相談者の方は問題集を使っていても,なかなか書けるようにならないということですので,司法試験の論文式試験の答案の書き方の基本が理解出来ていない可能性があります。

「伊藤塾試験対策問題集」の「はしがき」の部分には,司法試験・予備試験の答案の書き方の基本が説明されています。私は答案の書き方が分からなくなった時や,答案が上手く書けない時に,この「伊藤塾試験対策問題集」の「はしがき」の部分を読み込むようにしていました。30回以上はこの「はしがき」の部分を読んだと思います。


具体的には,基本的な論文答案の書き方は以下のような流れになります(例外もあります)。

(1)問題文・事案から問題点を抽出する

(2)必要に応じて事案の問題点を指摘する

(3)必要に応じて論点の問題点を指摘する(多くの問題には論点の問題点があります)

(4)規範を立てるための論証をする。その場合,出来るだけ条文の趣旨,法原則,保護法益などを使って理由付けをする。また,例外を論じる際には必ず原則について触れてから例外を論じる。

(5)規範を立てる(規範は基本的に暗記しておく必要があります)

(6)あてはめ。問題文の,規範に関連する事実を拾い上げて,規範との関係でどのような意味があるのか述べる(評価をする)。

(7)結論を書く。必ず問題文に対応する形で。Ex:問題分が「AのBに対する請求が認められるか」という問であれば,「AのBに対する請求は認められる。」「AのBに対する請求は認められない。」という結論になる。


(ア)問題集の参考答案と(イ)「伊藤塾試験対策問題集」の「はしがき」を読み比べながら,答案の各記述が,「はしがき」で説明している段階のどの部分にあたるのか意識しながら読むと分かりやすいと思います。

そして実際に自分が答案を書く場合には,上記の流れで,(1)~(3)まず問題点を指摘して,(4)規範を立てるための論証ををして,(5)規範を立てて,(6)あてはめをして,(7)結論を書く,という流れを意識しながら答案を作成したり,答案構成をすると書きやすくなると思います。


『「伊藤塾試験対策問題集」の「はしがき」だけでは,論文式試験の答案の書き方がまだよく分からない』という場合には,司法試験・予備試験の答案の書き方について解説をした本を数冊読んでみるのも良いと思います。

論文答案の書き方の本は多数がありますが,個人的におすすめなのが「柴田孝之」先生の本です。

柴田孝之はLEC(東京リーガルマインド)の人気講師で,司法試験に合格した同級生にも「柴田先生の講座を受けたことがある」という人が何人かいました。

私が司法試験の勉強を始めたばかりの頃,論文式試験の答案の書き方が全く分からなかった時に,柴田先生「司法試験合格論文機械的作成法」という本を通勤時間などを利用して読んだところ,だいぶ頭がすっきりしました。

●司法試験合格論文機械的作成法

「なぜ,その箇所で,それを論じなければならないのか。」という事が説得的・ロジカルに書かれています。特に理屈が分かったほうが勉強が進む,という人にお勧めな本です。

「伊藤塾試験対策問題集」の「はしがき」の解説を10倍くらい詳しく,丁寧に説明したような内容になっています。


今では古い本ですが,論文式試験の書き方の基本文は今でも変わっていませんし,アマゾンなので中古で安く売られているので読んで損をすることはないと思います。

柴田先生は「柴田式司法試験論文過去問思考術―答案作成の過程を学ぶ」という本も出していますので,「古い本は嫌だ」という人は,こちらを参考にしていただいても良いと思います。

●柴田式司法試験論文過去問思考術―答案作成の過程を学ぶ




  • ○覚えられない部分について基本書を読んでみる

『「伊藤塾試験対策問題集」などの問題集をやっていて,同じような答案を書こうと思ってもなかなか頭に入って来ない,覚えられない』という場合には,その論点について基本書や予備校本を読み,当該論点やその周辺知識について理解を深めてみると良いです。


論点について理解がないまま答案例だけを暗記しようとしても覚える作業が辛いですし,論点やその周辺知識についての理解がないと,別の角度から出題された時に論点に気づくことが出来なかったり,当てはめが稚拙になりがちです。また,論点について理解があれば考えながら文章を書くことが出来るようになるので,覚えるべき量も減っていきます。

ですから,論文問題集を回していて,上滑り(読んだり写経しているけど頭に入って来ない状態)をしているなと感じた場合には,腰を据えて,問題集で出てきた論点部分などについて基本書・予備校本等を読んで理解を深めていくと良いです。

また,基本書等を読んで気に入った理由付けやフレーズなどがあれば,問題集にどんどん書き込みをしていったり,気に入った理由付け等を使った論証をパソコンで作ってみる,という勉強方法も有効です。

私は重要論点の一部については,論文式試験用の問題集,基本書,判例集等を参考にしながら,パソコンで自分なりの論証集を作り,あてはめの仕方等を整理していました。

なかなか論証を覚えられないという場合は,基本書等を参考にしながら自分の頭を使って自分なりの論証を作ると,記憶に残りやすいと思います。



  • ○条文の趣旨を意識する。

特に民法,商法,刑法,民事訴訟法などで有効な方法ですが,重要な条文の趣旨(なぜそのような条文が作られたのかという理由)を意識して答案を作成すると,論文式答案が書きやすくなることが多いです。

論文式試験の答案で規範を立てる際に理由付けをしますが,「理由付けの部分が覚えられなくて困る」という人は,基本的に条文の趣旨を使って理由付けをしようとすると,覚える量が減りますし,「理由付けで何を書いて良いのか分からない」という場面が減っていきます。

たとえば,民法177条の趣旨について,基本書に「177条は,物権変動を公示することにより、同一の不動産につき正当な利益を有する第三者に不測の損害を被らせないようにするためにあるんですよ。」みたいなことが書いています。

この趣旨と規範を覚えておけば,『177条の「第三者」の意義』の以下のような論証を作ることができます。

(論点の問題提起 ⇒ 考えて書く)
登記をしなければ物権変動を対抗できない177条の「第三者」の意義が問題となる。

(理由付け ⇒ 覚えている趣旨を利用して書く)
177条の趣旨は物権変動を公示することにより、同一の不動産につき正当な利益を有する第三者に不測の損害を被らせないようにする点にあると解される。

(規範 ⇒ 暗記の吐き出し)
そこで、177条の「第三者」とは、物権変動の当事者および、その包括承継人(相続人・包括受適者)以外の者で他人の登記の欠缺を主張して他人の物権変動を否定することについて正当な利益を有する者を意味すると解する。

みたいな感じですね。



民法177条について,別の角度から出題をされても,趣旨を覚えておけば,趣旨を使いますことで様々な論証に対応することができます。

刑法の「趣旨」は基本的に「保護法益」になることが多いので,刑法の場合には保護法益を意識して論証すると,答案が書きやすくなります。



  • ○基本書・予備校本等を使いながら答案を書いてみる。

勉強を始めた頃は暗記している法律知識が少ないので,何も見ないで答案を作るというのが難しい場合があります。

問題文を見ても全く書ける気がしないという場合には,何も書かずに参考答案等を見るのも1つの方法ですが,基本書・予備校本・判例集など,使えるものを使って問題集の問題や,司法試験の過去問を解いてみるのも勉強になります。

「基本書などを見ながら答案を作ったら意味ないだろ」と思われるかも知れませんが,そんなことはありません。

基本書などを使って,「ぼくのかんがえたさいきょうの答案」を作ってみた上で,問題集の参考答案や,「ぶんせき本」の優秀答案と比較をしてみてください。

●ぶんせき本

おそらく,ダメな箇所が沢山見つかると思いますし,基本書等を参考にしながら書いたはずなのに,要求されている問題点に気づいていなかったりすることもあると思います。

その上で,優秀答案と比較して自分の答案がなぜダメなのか,なぜ論点に気づかなかったのか(問題文の誘導を見落としていたりすることが多々あります。)等について,じっくりと考えてみると良いです。

私は司法試験の論文式の過去問について,時間を計って答案を書き,「ぶんせき本」の優秀答案と比較したり,出題趣旨と比較したりするという勉強方法をする際,何も書くことが思いつかない時は,潔く基本書・予備校本等を参考にするようにしていました。

何も書かず,何も悩まない状態で優秀答案を読むよりも,基本書等を読みながら悩みに悩んで答案を作成した後に優秀答案等を読むほうが,得られるものが遙かに大きいからです。

「何も書けない時は基本書等を使ってでも答案を書いてみる」という勉強方法は試してみると良いと思います。





  • ●(2)憲法の論文の書き方の勉強方法

憲法の論文式試験の答案の書き方の勉強方法は「●憲法の勉強方法とおすすめの憲法の基本書や参考書など」という記事に書いたとおりですが,まず基本書や参考書を読みながらでも良いので,司法試験の憲法の論文式試験の過去問について,自分なりの答案を作ってみると良いと思います。

最初のうちは,思うように答案を作ることが出来ないと思いますが,「どうやって違憲審査基準を立てれば良いのだろう」とか,「想定される反論は,どういう発想で書くのが正解なのだろうか」とか疑問点が出てくると思います。

そういった疑問点をもった上で,司法試験・予備試験用の答案作成の考え方に関する書籍を読んだり,予備校の講座を受け,その後に過去問について答案を作成し,また司法試験・予備試験用の答案の書き方に関する書籍を読む・・・ということを繰り返していくうちに,次第に憲法の答案の書き方が身についていくと思います。

憲法の答案の書き方の本はいろいろとありますが,木村草太先生の「憲法の急所―権利論を組み立てる」や,小山剛先生の「憲法上の権利の作法」が個人的にはおすすめです。


●憲法の急所―権利論を組み立てる

●憲法上の権利の作法


予備校の講座の中では,個人的には辰已法律研究所の福田俊彦先生の「絶対にすべらない答案の書き方」が分かりやすく,一番ためになりました。

名前のとおり,司法試験に「落ちない」答案を書くためにはどうすれば良いか,という観点で解説がなされていて,私のように地頭が良くない受験生でも,聞いたその時から使えるような内容になっています。 


あとは合格者のブログなんかも参考になります。


私が受験生の時には「masoブロ」というブログを参考にさせていただきました。

初学者のうちは内容が難しいと思いますが,ある程度勉強が進んできて,自分なりの答案作成のルールを作る段階になると大変参考になると思います。





  • ●(3)本試験レベルの論文答案を書けるようになるための勉強方法

予備試験・本試験レベルの論文答案を書けるためになるためには,他の記事で繰り返しお話しているとおり,過去問について論文答案を作成してみて,「ぶんせき本」を読み,優秀答案と自分の答案を比較する,という作業を繰り返すことが一番近道だと思います。

●ぶんせき本

一緒に勉強をする仲間がいるのであれば,同じ問題について時間を決めてそれぞれが答案を作成し,お互いに答案を見せ合って,良いと思う部分,悪いと思う部分を指摘しあうとさらに良いです。

人間は自分の悪い部分を認めたくないことが多いので,自分で自分の答案を分析していると,どうしても甘くなりがちです。他人に厳しい目で批判をしてもらうことも大事です。

司法試験の論文式試験は確かに難しいのですが,過去問を繰り返し解いていると「結局同じようなことが聞かれているな」「問われている論点は違っても,答案作成をする上で気をつけるポイントは結局同じだな」ということが分かってくると思います。この感覚が掴めてくると,本試験の問題もあまり怖くなくなってきます。


もし,過去問を繰り返し解いていても実力が上がっていく感覚がない場合には,基本レベルの知識・理解が不足している可能性がありますので,「伊藤塾試験対策問題集」等の問題集を復習したり,問われた論点について基本書等を読んで理解を深める,という勉強を繰り返すと良いと思います。

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司法試験・予備試験の問題集・参考書等の改訂と買替えのタイミングについて質問がありましたので,個人的な考えについてお答えしたいと思います。

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お忙しい中質問失礼します。 
問題集や参考書の改訂版の取り扱いはどのようにしたらよいでしょうか?大きな改訂の時には買い換えるのがいいんでしょうか? 
何卒よろしくお願いします。
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司法試験の問題集,参考書,基本書などについては,私は基本的に改訂があった際には買い換えるようにしていました。

改訂の際に買い換えて置かないと,勉強をしている時にたまに「この論点は確か新しい判例があったような・・・。別の本で調べるか。」というような二度手間が発生することがあるからです。

また,何かと心配事が多い受験生としては,出来るだけ新しい基本書等を使っていたほうが「旧版を使っていて大丈夫だろうか・・・」という心配がないので,精神衛生上も良いです。

なのでお金に余裕があれば,自分が使っている問題集,参考書,基本書などについて改訂があった場合には買い換えることをお勧めします。


もっとも,いくら問題集,参考書,基本書を買い換えても新しい判例は毎年のように出ますし,法改正も細かいものを含めると毎年のようにありますので,改訂の際に買替えをしても万全という訳にはいきません。

また,自分がメインで使っている問題集,参考書,基本書がなかなか改訂されないということもあります。

そのため,司法試験・予備試験の直前(1~2ヶ月前)になったら,重要な最新判例や法改正についてはチェックしておきましょう。



重要な最新判例のチェックの方法としては「重要判例解説」という判例集を買って勉強する,という方法があります。

●平成30年度重要判例解説

ただ,この重要判例解説は読むのが結構大変なんですよね。

しかも重要判例解説には実務的に重要な判例ではあるものの,司法試験・予備試験的にはあまり重要ではない判例も載っていたりと,受験生から見ると無駄な部分もあります。。

辰巳法律研究所の「ハイローヤー」という雑誌や,法学書院の「受験新報」という雑誌で,受験生にとって重要な最新判例をまとめた特集や,法改正をまとめた特集が組まれることがありますので,そういったものを活用したほうが効率的だと思います。

●ハイローヤー

●受験新報


また,本試験直前に予備校の模試を受けると,付録で重要な最新判例は改正点をまとめた資料がもらえることもありますので,そういったものを活用するのも良いと思います。



それから,先程「司法試験の問題集,参考書,基本書に改訂があった場合,買い換えたほうが良い」というお話をしましたが,使い慣れた基本書等について,本試験に近い時期に改訂があったような場合には,買替えをしないほうが良い場合もあります。

というのも,受験生によっては,問題集,参考書,基本書に書き込みをしてノートのように使っている人がいますが,買い換えると書き込みを書き写す作業が面倒なんですよね。

私もPDF化した基本書等に書き込みを沢山していたのですが,買替えの時に書込みを移動する作業が面倒でした。PDFのデータなので,書き込みのテキストをコピペしていくだけなのですが,それでも結構時間がかかります。

本試験の直前に書込みを写す作業なんてやってる時間はありませんので,基本書等に大量に書込みをしている人は,試験が近い時期は買替えはしないほうが良いでしょう。


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司法試験・予備試験における民法改正への対応について,また質問がありましたので回答したいと思います。
なお,司法試験・予備試験における民法改正への対応については「●司法試験における民法改正への対策について」という記事でも書いていますので,そちらも参考にしてみてください。

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お忙しいところ一つ質問いたします。 
私は2020年以降の司法予備試験ルートを目指しています。その際、改正された民法に関してはどういった対策をとればいいでしょうか。特に、論文の対策についてお聞きしたいです。 
なにとぞよろしくお願いします。
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割り込み失礼します。 
民法の論文ですが、たつみのnewえんしゅう本は債権法改正に対応しているようですが、コンテン堂の立ち読みサンプルを見てもイマイチな感じがします。 
趣旨・規範ハンドブック3民事系民も一応改正に対応していると書いてありますが完全対応ではない様です。 
上手くやるには改正前は前で学んで改正後の書籍が出たらやり直すのが良いのではないでしょうか。 
たつみに聞いたら、改正後の物は脚別本やアプリも来年まででないみたいです。 
又、資格スクエアのアプリは改正後に対応していますからそれをやっています。 
専門家からするとどう対応されるでしょうか?
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「●司法試験における民法改正への対策について」という記事でも書きましたが,私が初学者から対策をするのであれば,以下のとおりの流れで学習をすると思います。

・入門書(民法改正に対応したものが複数出ています)を読む
・論文問題集(民法改正に対応していないものでも仕方ない)で論文で問われる可能性がある論点を把握する。

・民法の改正点をまとめた薄めの本で改正点をチェックする
・民法改正に対応した択一式問題集をやる。 資格スクエアのアプリ でも良いと思います。
・論文式については法改正に対応した論文式問題集が出版されればそれを使う。法改正に対応した論文式問題集で良いものが出てこない場合には,既存の問題集のうち,民法改正で影響を受ける部分について,自分であればどう書くか,という自分なりの答案例を作ってみる。また,答練やハイローヤー・受験新報などの受験雑誌で民法改正対策の特集が組まれた場合には,それを買って民法改正に向けた論文対策をする。
・試験直前期には,論文式試験・択一式試験で改正部分が問われるとすればどの部分か,ということは予備校が分析するので,予備校の出題予想が整理された本(毎年,司法試験の直前期に出版されます。)を買ったり,答練や直前模試の付録を使って,出題が予想される改正部分についてきちんと復習をしておく。


上記のとおり,ある程度勉強が進んできたら,論文式問題集をやる際に,論文式試験問題集で出てきた条文を新旧対照表で引いてみて,改正があれば改正点に関する書籍を読みつつ自分なりの答案例を作ってみると良いと思います。



最近私が入手した民法改正関連の本の中では,東京弁護士会の「事例にみる契約ルールの改正のポイント」という本が分かりやすかったですが,内容が少し実務寄りかも知れません。

最近また民法改正関連の本が増えてきましたので,本屋さんで見比べてみて,自分のレベルに合ったものを買うと良いと思います。

●事例にみる契約ルールの改正のポイント



旧法下の民法がある程度分かっている旧受験生の立場から見ると,民法改正について,論文式試験についてはそれ程心配する必要はないだろう,というのが個人的な意見です。

というのも,論文式試験については,本試験で六法が貸与されますので,きちんと六法を引けば,旧法を前提に間違った答案を書いてしまう,という事態は起こらないはずだからです。


特に今回の債権法改正は(会社法が作られた時とは異なり),新たに論文式試験用に暗記をしなければならない論点が増えた訳ではなく,判例等を条文化した改正が多いため,改正点が良く分かっていない場合でも,六法をきちんと引いて,条文を良く読んで,事例に条文をきちんと当てはめて結論を出すことが出来れば,合格点が取れるケースは多いと思います。

そのため,論文式試験についてはそれ程恐れる必要はないと思います。



むしろ,問題は論文式試験よりも短答式試験のほうです。

短答式試験では六法は貸与されないため,どこが改正点なのか頭に入れておく必要があります。

しかも,短答式試験では論文式試験と異なり,細かい条文についても問われますので,改正点についてはそれなりの準備が必要になってきます。

また,短答式対策については,旧法下の問題を解きすぎると,旧法と改正法を混同してしまう可能性がありますので,出来れば最初から改正法に対応した問題集を使いたいところです。


民法改正に対応した短答式の問題集としては法学検定試験委員会の「債権法改正対応 民法択一問題集」がありますが,初学者向なので,使うのであれば,各予備校が民法改正に対応した問題集を出すまでの「つなぎ」として使うと良いと思います。

●債権法改正対応 民法択一問題集

現時点で他に各予備校から民法改正に対応した書籍は出ていないようなので(もしあればどなたか教えてください。)例年の出版時期を踏まえると,各予備校から民法改正に対応した短答式問題集が出るのは9月~10月頃になってしまうかも知れません。


今回教えていただいた資格スクエアのアプリを使ってみましたが,使い勝手が良いですね。


●資格スクエア


試しに各分野10問くらい解いてみましたが,司法試験合格から数年経った私でも9割以上正解出来たので,問題の内容は基本的なものだと思います。考えれば正解にたどり着けるものも多く,良問だと思います。

問題数は395問+451問=846問と若干少なめですが,初学者にとっては挫折しにくいボリュームで丁度良いのではないでしょうか。

こちらも使う場合には,各予備校が民法改正に対応した問題集を出すまでの「つなぎ」として使うと良いと思います。

私が現在の受験生であれば,民法の短答式対策としては,取りあえず民法については「債権法改正対応 民法択一問題集」や資格スクエアのアプリを使って基本的知識を入れていき,9月~10月頃に各予備校から民法改正に対応した過去問集が出たらそちらに切り替えると思います。


(追記)
現在は東京リーガルマインド (LEC)から「司法試験&予備試験 体系別短答過去問題集 民法」という民法改正に対応した問題集が出版されているので,そちらを使うのが良いと思います。

★ISBN-10: 4844923099


この問題集では,過去問の解答・解説を改正後の民法に合わせていますので,来年の司法試験対策として問題無く使えると思います。




前記のとおり,司法試験・予備試験における民法改正への対応については「●司法試験における民法改正への対策について」という記事でも書いていますので,そちらも参考にしてみてください。


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