司法書士

2017年07月29日

司法書士試験は択一式と記述式の問題があります。

科目は以下のとおりです。


○択一式
・民法
・商法
・不動産登記法
・商業登記法
・憲法
・刑法
・供託法
・民事訴訟法,民事執行法,民事保全法
・司法書士法

○記述式
・不動産登記法
・商業登記法


・・・試験科目,多いですよね。

こうやって見てみると,司法書士試験では出題科目が多いことがお分かりになるのではないでしょうか。


試験科目が多いと言われている「司法」試験でも科目は8科目です。

これに対し司法書士試験は,9科目も出題されます(民事訴訟法,民事執行法,民事保全法は1科目として数えています。)。


ただし,これらの科目がまんべんなく出題されるわけではなく,主に民法,商法,不動産登記法,商業登記法に関する出題が大半を占めます。

そのため,初学者にとっては民法,商法,不動産登記法,商業登記法をどうやって制するかが問題となります。



■民法が分からないと始まらない


「司法書士試験の勉強をしたいけど何から勉強しようかな?」と思っている人は,最初は「民法」の入門書を読んでみることをおすすめします。

税理士試験を受ける時に簿記が分かっていないと始まらないように,司法書士試験では「民法」が分かっていないと始まりません。

「民法」が分かっていないと,商法,不動産登記法,商業登記法といった他の科目が理解できないんですよ。


それに,司法書士試験の「民法」は非常にレベルが高いです。

個人的には「司法」試験の択一式試験の民法よりもレベルが高いんじゃないかなと思っています(司法試験は択一式試験よりも論文式試験のほうがむずかしいです)。


このようなレベルが高い試験を受ける時には「基本」が大事になんです。

「基本」を飛ばして勉強をしていると,後になってツケが回ってきて成績が急に伸びなくなります。


ですから,最初に基本的なことはきちんと抑えておくべきです。

民法の入門書にはいろいろな本がありますが,個人的には「伊藤真の民法入門」が一番分かりやすいと思います。

この入門書に書いてあるような基本的な知識が本番でも大事になりますので,入門書を何度か読んで「民法」とお友達になっておきましょう。

●ISBN-10: 4535520399




■独学か,それともスクールを利用すべきか


民法の入門書を何回か読み終わったら,いよいよ本格的に司法書士試験に向けた勉強の開始です。


司法書士試験は,税理士試験や公認会計士試験と違って,独学でも合格することは不可能ではありません。

ただし,独学で合格するためには,綿密な計画,情報収集,強い意志が必要になります。

「計画するのは苦手だな」とか「自分で情報集めるのは面倒だ」という人はスクールを利用したほうが良いでしょう。



独学で勉強する人は,信頼できるテキストと問題集を買う必要があります。


司法書士試験用のテキストについては,現時点では「オートマシステム」という優れたテキストが販売されています。

●ISBN-10: 4847142632



ただし,テキストを読んでいるだけでは合格できません。

合格するためにはとにかく過去問をこなしていく必要があります。

●ISBN-10: 4847141660



ただし,司法書士試験は単純に過去問をこなしているだけでも合格はなかなか難しいです。

「過去問を解く」→「テキストを読む」→「過去問を解く」→「テキストを読む」・・・という地道な「作業」の繰り返しで実力が付いていきます。


択一式試験についてはこの作業の繰り返しだけで,基準点(肢切点)を超えられるようになる人も出てきます。

他方,過去問とテキストを繰り返しているのに基準点(肢切点)をなかなか超えられない人もいます。

基準点(肢切点)をなかなか超えられない場合,難しい問題に手を伸ばしたくなるところですが,難しい問題ばかりに手を出しはじめると基本的な知識を忘れていくという「ドーナッツ化現象」におちいり,かえって成績が落ちる可能性があります。


基準点(肢切点)をなかなか超えられない場合,「司法書士 ベーシック問題集」や「司法書士 直前チェック」といった基本的な事項をまとめた問題集・テキストで「基本」的な知識が不足していないかをチェックしたほうが点数アップにつながると思います。

●ISBN-10: 4847140060

●ISBN-10: 4847142438



■記述式(書式)対策


記述式対策は,「習うよりも慣れろ」的な要素が大きいです。

記述式試験に必要な基本的な知識は択一式の勉強をしっかりしていればある程度身についているはずです。

そのため記述式対策では,身につけた知識をどうやってアウトプットするのかという「訓練」が必要になります。

そのため,とにかく多くの問題に触れて実際に自分の手で書いて問題を解いてみるという「訓練」を繰り返す必要があります。


記述式対策についても市販の問題集はありますので,独学で勉強している人は市販の問題集を利用することになるでしょう。

●ISBN-10: 4847142861



ただし,記述式の問題集は択一式の問題集ほど充実はしていません。

独学で択一式対策をした人であっても,記述式対策についてはスクールを利用するということを考えてみても良いと思います。


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「司法書士」試験も,社会人が転職のために受験するパターンが多い資格です。

それもそのはず。

仕事も魅力的ですし,試験も比較的受験しやすいからなんですよ。



■司法書士は主に「登記」に関する手続をする仕事


司法書士は主に「登記」に関する手続を代理して行っています。


「登記って何?」っていう人も多いと思います。

「登記」は不動産などの権利関係を公示するためのです。


と言っても分かりにくいと思いますので例を挙げてみましょう。

たとえば,AさんがBさんに土地を売ったとします。

Bさんは「やった。この土地は僕のものだ。」と喜んでいたら,Aさんが同じ土地をCさんにも売ってしまったとします。

AさんがBさんとCさんに二重に土地を売ってしまった状態ですね。

こうなるとBさんとCさんの間で「この土地は僕のものだ!」という喧嘩になります。

こんな時に便利なのが登記です。

AさんがBさんに土地を売った時に,Bさんが「この土地はBのものです」という「登記」をして公示おくと,その後にAさんがCさんに土地を売っても,BさんはCさんに「この土地は僕(B)のものです」と言えるんですね。

なぜなら,Bさんがきちんと「登記」で「この土地は僕のものですよ」と公示をしていたのに,それを確認しないで同じ土地を買ったCさんが悪いからです。

ですから,不動産の売買では「登記」は非常に大事なんです。


また不動産の売買だけでなく,不動産に抵当権(担保)を付ける時にも「登記」をしますし,会社を作ったり会社の役員が替わった時なんかにも「登記」をしたりします。


ただ,この「登記」の手続が面倒くさいんですよ。

そこで頼りになるのが「司法書士」です。

「司法書士」の先生は,面倒くさい「登記」という手続を代わりにやってくれるんですね。

私たち弁護士も「登記」の業務はできることになっているのですが,普段から登記業務をやっているプロの司法書士の先生には太刀打ちできません。

ですから,弁護士も「登記」をしなければならない時は,司法書士の先生にお願いをすることが多いです。


ちょっと話が長くなりましたが,司法書士が行う「登記」というのはとても大事な業務ですし,需要がある仕事なんです。




■司法書士は簡易裁判所で訴訟(裁判)の代理人にもなれる


司法書士の仕事は「登記」だけではありません。

司法書士は必要な認定を受けることで,法律の専門家として簡易裁判所の裁判で代理人として,弁護士と同じような仕事ができるんですね。

簡易裁判所は訴額(裁判の対象となるお金や物の価格)が140万円未満の事件を取り扱っています。

ですから,問題となっているお金や物の価格が140万円未満でれあれば,司法書士も弁護士と同じような仕事ができるんです。


また相続の際に遺産分割に関する書類を作成することもあったり,法律の専門家として法律相談を受けることも少なくありません。

まさに司法書士は気軽に相談をできる「町の法律家」です。


司法書士の仕事内容をより詳しく知りたい人は「司法書士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本」という本を読んでみることをおすすめします。

●ISBN-10: 4798035866


■司法書士試験は働きながら合格する人が多い


司法書士試験は,社会人になった後に転職のために受験する人が多い資格であるというお話をしましたが,それは司法試験などに比べると社会人も受験しやすいからなんですよね。


弁護士になるための「司法」試験(≠「司法書士」試験)を受験するためには,法科大学院を卒業するか,予備試験に合格する必要があります。

法科大学院を卒業するためには会社を休職するか辞めるかしなければなりませんし,予備試験経由で司法試験に合格するためみは,予備試験と司法試験の両方の試験に合格する必要があるのでハードルは高めです。


他方,司法書士試験は受験資格の制限はなく,だれでも受験可能です。

しかも試験は筆記試験1日,口述試験1日の合計2日間だけですから,社会人にとっては受験しやすい試験なんです。


とは言っても司法書士試験の合格率は2%~3%程度で,簡単な試験ではありません。

そこで,次回は司法書士試験の勉強方法についてお話をしたいと思います。

●ISBN-10: 4798035866


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