仕事を辞めて弁護士に転職しました

公務員として数年間働いていましたが,色々と考えるところがあり思い切って公務員を辞めて司法試験を受験し,現在は弁護士として働いています。 司法試験のこと,転職のこと,公務員のことなどについて,だらだらと書いていきたいと思います。 ※質問がある方はコメント欄にご記入ください。時間をいただくと思いますが、できるだけ回答させていただきたいと思います。

司法試験

質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います。
(いつものことですが、回答が遅くなってすみません。)

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変な質問ですが、司法試験の勉強をして何年くらいして試験に受かりましたか。
法科大学院を卒業しているようですが、やはり、司法試験の勉強は5年6年したのでしょうか。
予備校で「1年で受かる」とかいいますが、あれは宣伝文句だと思いますし、高校生が予備試験に合格したとかいうのも中学生位から勉強しているのではと思います。

勿論、人によりでしょうが、何年も独学は精神的に応える時もありますから、合格した人のある程度の目安を知りたいです。
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私が司法試験の勉強を開始してから合格するまでは、およそ4年半勉強しています。


ただ私の場合は色々と特殊事情がありますし、4年半勉強すれば必ず合格するという訳ではなく、逆にもっと短い勉強時間で合格する人もいますので、やはり勉強時間は様々です。


私の場合は、仕事をしながら法科大学院の入学試験の勉強を始め、勉強をしてから約1年後の法科大学院の入学試験は不合格、2年後の入試で法科大学院に合格しました。

仕事をしている時の勉強時間は(かなり前のことなので不正確かも知れませんが)

・平日は1時間から3時間程度、残業が多い時はゼロ、やる気がない時もゼロ

・土曜日は原則4時間程度、やる気が出ない時は休み

・日曜日は原則として勉強しないが、やる気が出た時は勉強する

という、最弱スケジュールでした。

社会人時代は勉強を辛いと思った記憶が無いので、とにかく「だらだら」と苦痛を感じない範囲で勉強をしていたと思います。




法科大学院(既習コース)に入った後は、それまでの勉強不足が災いしてかなり苦労しました。

留年をしたくなかったので、時間があればとにかくひたすら勉強をしているという感じでした。

1日あたり8時間から10時間くらいは勉強をしていたと思います。

法科大学院の試験の直前はユンケルを飲みながら連続で24時間以上勉強したこともありました。

ただし、法科大学院では、司法試験にほとんど関係のない勉強(外国法、エクスターン、自分が選択していない選択科目の勉強等)もする必要があるため、全ての勉強時間が司法試験のために費やしていた訳ではありません。

司法試験に直結するような勉強は感覚的には7割くらいだったと思います。


法科大学院を卒業した後は、完全に燃え尽きてしまい、その他色々とあって長期にわたって勉強を全くしていない期間があり、法科大学院卒業後の司法試験は受験していないのですが、その後の司法試験の4ヶ月程前から慌てて勉強を再開し、その後に(新)司法試験に1回目で合格しました。



私以外の同級生の合格者については、司法試験に合格するまでの期間は様々です。

私が法科大学院にいた頃は、旧司法試験に10年くらい落ち続けている猛者のような受験生も何人もいました。

そういった人達の8割9割程度は法科大学院卒業後、1回で司法試験に合格しています。




他方、法律をほとんど勉強したことがないまま、法科大学院の未修者コースに入学し、3年間勉強して1回で司法試験に合格をしている人も何人かいました。



私が色々な合格体験記を見たり、同級生を見たりした感覚をまとめると以下のような感じです。



・1年の勉強で合格する人

現在は制度的に1年での合格は無理です。

最短でも予備試験と司法試験の両方に合格をしなければならないためです。

ただし、旧司法試験の合格体験記を見た範囲では、丙案(受験回数から3回以内の受験者を論文式試験で特別枠として優先的に合格させる制度)があった時期には、勉強開始から1年で司法試験に合格した事例はいくつかありました。



・2年の勉強で合格する人

2年の勉強で合格した人は私の知っている人の中にはいませんが、おそらく少人数いると思います。

毎日10時間から16時間程度継続して勉強することができる勉強マシーンのような人であれば2年での合格(予備試験1発合格、司法試験も1発合格)も不可能ではないと思います。

(伊藤塾の伊藤真先生は確か1年半程度の期間で旧司法試験に合格されていたと思います。)



・3年の勉強で合格する人

3年の勉強で合格した人は同級生の中に何人かいましたので、方向性を間違わずに、継続して毎日8時間から10時間程度の勉強を継続できれば、合格は十分に可能だと思います。

ただ、かなりの努力は必要だと思いますし、運の要素(本番の運だけでなく、良い勉強仲間や先生に恵まれるか等)も絡んでくると思います。



4年の勉強で合格する人

4年の勉強で合格するのは十分に可能だと思います。

3年勉強して予備試験に合格して、その翌年に司法試験に合格

または

2年間勉強して法科大学院の既習コースに入学して、法科大学院でさらに2年勉強して司法試験に合格

という形であれば、たまに勉強をサボったりしても合格できる人は合格すると思います。



・5年の勉強で合格する人

5年間きちんと方向性を間違わずに勉強をしていれば、通常はかなりの確率で合格できると思います。

4年目で運悪く不合格になっても、5年目で合格したというパターンは結構いると思います。

5年勉強して合格できない場合には、①1日あたりの勉強時間が少ない、②勉強の方向性がずれているか、効率が悪い、③もともと文章を読んだり書いたりするのが苦手、④他の人とちょっと感覚がずれている、等の何らかの理由があると思いますので、根本的な原因の確認と対策が必要だと思います。


総勉強時間で言うと、効率良く勉強できれば、司法試験はおそらく5000時間から6000時間くらいの勉強時間で合格できる試験だと思います。

社会人の1年の労働時間が1700時間くらいだと思いますので、仕事をするのと同じペースで勉強すれば3年半くらいで合格できる計算にはなると思います。

そう考えると、3年で合格する人がそこそこいて、4年目あたりから合格できる人がさらに増えてくるという私の周りの合格者の実績とも一致しているような気がします。



相談者さんのコメントには「人によりでしょうが、何年も独学は精神的に応える時もあります」とありますが、おっしゃるとおりだと思います。

私も勉強は長時間できるタイプではなく、勉強をやりすぎると燃え尽きるタイプなので、もともと「ある程度長期戦でやろう」「やる気がでない時は適度にサボろう」と決めていました。



自分がとことん毎日勉強を継続しても潰れないタイプなのか、追い込みすぎるとダメになってしまうタイプなのかを見極めた上で、長期戦を覚悟してある程度余裕をもったスケジュールで司法試験に臨むのか、短期戦で全速力で走り抜けるのか、見通しを立てておいたほうが良いと思います。


また不明な点があればご質問いただければと思います。


【アクセスの多い記事】
司法試験の勉強方法,おすすめの参考書や問題集(総論)
民法の勉強方法とおすすめの民法の基本書や参考書など(その1)
民法の勉強方法とおすすめの民法の基本書や参考書など(その2)
刑法の勉強方法とおすすめの刑法の基本書や参考書など
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会社法・商法の勉強方法とおすすめの商法・会社法の基本書や参考書など
民事訴訟法の勉強方法とおすすめの民事訴訟法の基本書や参考書など
刑事訴訟法の勉強方法とおすすめの刑事訴訟法の基本書や参考書など
行政法の勉強方法とおすすめの行政法の基本書や参考書など
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質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います。

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はじめまして。私は学部生2年生のもので、法曹を目指しております。司法試験の勉強の仕方や参考書などが詳しく解説されていて、大変参考になります。
質問なのですが、私は短答対策として、辰巳の短答過去問パーフェクトを使用し、数周回したところです。
次は論文対策なのですが、何を買えば良いかわかりません。
参考書を紹介されていた2017年の記事のものを現在買って、勉強しても、合格できるのでしょうか。
伊藤塾の入門書と問題集など買おうと思うのですが、学生の私としては少々それだけでも値段がかさみます…。
ですから、出来るだけ無駄なものは買わずに合格したいです。
いつもブログ参考にさせていただいております。
よろしくお願いします。
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いただいた質問を整理すると

・論文対策としてどの入門書・問題集を買えば良いか
・できるだけ無駄な書籍を買いたくない
・お勧めしている書籍を買って勉強して合格できるか

ということだと思います。

順番にお答えしたいと思います。



  • ●論文対策としてどの入門書・問題集を買えば良いか

これまで司法試験の参考書籍等を紹介した記事は以下のとおりですが、以下で紹介した勉強方法やおすすめの参考書は現時点では変更ありません。

司法試験や予備試験の傾向はほとんど変わっていないからです。

ただ改訂になっている参考書等もありますので、出来るだけ最新の版の書籍を購入していだだければです。




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それから、私が上記の記事でおすすめている書籍は「私がもし初学者の近い状態でこれから司法試験の勉強をするとしたら、どの書籍を買うだろうか?」という視点で紹介しているものです。

司法試験や予備試験の勉強をするにあたり「一番良い本」というのは、その人の好み・特性や、読解力、勉強の進み具合によっても異なります。

学者の先生が書いた本を愛用している人もいれば、予備校本しか読めないという人もいれば、私のように基本書も予備校本も読むのが苦手という人もいます。

そのため、上記の記事ではできるだけ複数の書籍を紹介した上で、その中から自分に合ったものを選んでいただくことを前提にお勧めの書籍を紹介しています。

私や他の人に紹介された本をそのまま買うのではなく、出来れば実際に本屋さんで立ち読みをしたり、図書館で借りて読んでみて、自分の目で確かめてみて、自分の納得したものを買ったほうが良いと思います。




  • ●できるだけ無駄な書籍を買いたくない

「できるだけ無駄な書籍を買いたくない」という点については気持ちは大変良く分かります。

私も司法試験を受験するにあたり、親からの援助を一切受けなかったため、なけなしのお金で司法試験の対策をしていました。

ただ、司法試験に合格をしたいのであれば、ある程度の書籍代は必要経費だと割り切ってそれなりの予算を組んでおくべきだと思います。

先程お話ししたとおり、司法試験や予備試験の勉強をするにあたり「一番良い本」というのは、勉強の進み具合によっても異なってくることがあります。

例えば、「自分には合わない」と思っていた基本書が勉強が進んでくるにつれて最高の本になってくることもありますし、初学者の頃には読みやすいと思っていた予備校本が勉強が進んでくるにつれて説明が回りくどく感じてしまったり、内容に一貫性がないとか、頭に入りにくいと感じてくる人もいると思います。

また、上記の記事でも触れていますが、司法試験や予備試験に合格するためには、単に基本書を読んだり、問題集をこなしていくだけでなく、論文試験の過去問の分析をすることが必須ですし、合格する可能性を高めたいのであれば予備校の答練や直前模試を受験しておくべきです。

そのため、書籍代だけでなく、できるだけ予備校の答練や直前模試を受験するための費用も確保しておきたいところです。

司法試験や予備試験は合格が1年遅れると、1年分の生活費が余計にかかってしまいますし、法曹になって得られるはずだった収入が1年分減ってしまいます。

司法試験用の書籍は高いですがそれでも1冊数千円ですから、書籍にかける費用は合格の必要経費だと割り切って、できるだけ早く司法試験に合格したほうが、長い目で見ればコストパフォーマンスは良いと思います。


それても、やはり「できるだけ無駄な書籍を買いたくない」ということだと思いますので、改めて司法試験や予備試験を必要最小限度の経費で合格するための参考書等について私なりの意見について書いていきたいと思います。



  • ○入門書について

入門書はこれまでの記事でおすすめしているとおり、初学者の方には「伊藤真の○○入門」をおすすめしています。

理由は文章が平易で分かりやすく薄いので、初学者の方でも途中で挫折する可能性は低いですし、「読んだけど結局何も頭に残らなかった」ということが起きにくいからです。

●ASIN: B076J1HQ84

もう少し詳しい入門書が良いという阿合には、「伊藤真ファーストトラックシリーズ」がおすすめです。

●ISBN-10: 4335314612


ただ、今回の質問者の方は「辰巳の短答過去問パーフェクトを使用し、数周回した」ということですので、それであれば「伊藤真の○○入門」や「伊藤真ファーストトラックシリーズ」に書いてあるレベルの知識・理解は既に頭に入っている可能性が高いと思います。

ある程度、基本的な知識が入っているのであれば、入門書を読まずに論文式試験の問題集に手をつけてみて、分からないところは基本書を読んで理解を深める、という方法にすれば時間もお金も節約できると思います。

あと入門書は基本的には勉強の初期しか使わないことが多いので、お金を節約したいのであれば、学校や地域の図書館にある入門書を買って読むという方法でも良いと思います。

法学部の学生であれば入門書は先輩から譲ってもらえることもあると思います。


なお、これまでの記事で初学者の時期から試験直前期まで使える便利な入門書として「伊藤真新ステップアップシリーズ」という本を紹介していますが、金銭的な余裕がないのであれば現時点では無理をして買う必要はないと思います。

「伊藤真新ステップアップシリーズ」は、「知識が大量にあるのに論文式試験の点が安定しない」という受験生が、基本事項の正確な知識を整理して安定した点を取ることができるようにするために便利な本ですので、もし勉強が進んできた後に必要性を感じた時に購入するかどうかを検討すれば良いと思います(個人的に便利な本だと思いますが、万人に必須という訳ではありません。)。

●ISBN-10: 4335301863






  • ●論文式問題集

論文式試験用の問題集としては、どれか1冊を買うということであれば、個人的にはこれまで通り「伊藤塾試験対策問題集」をおすすめします。

この問題集に掲載されている問題は簡単すぎず、かといって難しすぎる訳でもないので、初学者でも取り組みやすいレベルですし、試験の直前期まで基礎固めに使えます。

参考答案の文章もレベルが高く、この問題集の参考答案の書き方を真似することで、論文式試験の答案の基本的な「型」を身につけることができます。

(あと、他の問題集に比べると若干安いと思います。)

旧司法試験形式の問題が多いですが、この問題集のAランクレベルの問題をスラスラと解けるようにならないと、新司法試験形式の問題を解くことは困難です。

伊藤塾の論文試験用問題集は「予備試験」と書いてあるものと、「予備試験」と書いていないものがありますが、どちらかだけ買うのであれば「予備試験と書いていないもの」をおすすめします。

理由は「●論文問題集の使い分けと論文式試験の対策について」という記事に書いていますので参考にしてください。


●ISBN-10: 433530370X


論文式試験の問題集は他にも色々とあり、私は辰已法律研究所の 「えんしゅう本」 、旧早稲田セミナーの「スタンダード100」、LECの「論文の森」など、多数の問題集を買って散財しまくりましたが、この中では実際に使ったのはほとんど「伊藤塾試験対策問題集」だけでした。

今受験生に戻って1冊だけ買うとなればやはり「伊藤塾試験対策問題集」と買うと思います。

ただ、先程お話したとおり好みの問題もあると思いますので、実際に本屋さんなどで、自分の目で見て納得したものを買うと良いと思います。


一応、各問題集の良い点と、いまいちな点を挙げていきたいと思います。



○「伊藤塾試験対策問題集」


「伊藤塾試験対策問題集」の良い点は前記のとおりですが、問題にA、B、Cなどのランクがふされており、時間がない受験生でも優先度の高い問題から取り組めるのも便利です。

いまいちな点としては、他の問題集に比べると問題数が若干少ないですが、1つの問題に複数の論点が盛り込まれているものが多いため、問題数の割には基本的な論点は網羅できるように工夫されていますし、個人的にはこのくらいの問題数が消化不良にならなくて良いと思います。

受験生の答案を採点すると、この「伊藤塾試験対策問題集」のAランクの基本問題(各科目30問くらいしかない)のレベルの論点すら正確に記述できていない人がとても多いので、問題数の多い問題集に手をつけるよりも、まずはこの問題数の少ない問題集で基礎固めをしたほうが合格には近くなると思います。


なお「●会社法・商法の勉強方法とおすすめの商法・会社法の基本書や参考書など」に書きましたが、「伊藤塾試験対策問題集」の商法については、問題演習量として物足りないと思います。

「伊藤塾試験対策問題集」を使う場合に、知識の穴を埋める方法は「●会社法・商法の勉強方法とおすすめの商法・会社法の基本書や参考書など」という記事の「会社法・商法の知識の穴を埋めよう」という項目に私見をまとめていますので、参考にしていただければです。





  • ○えんしゅう本


私の周囲では「えんしゅう本」を持っている同級生もそれなりに多かったです。

良い点は問題が基本的でシンプルな問題が多く、解答例も答案構成のような形式になっているので、速く何度も回せる点です。

(論証集を問題集にしたようなイメージの問題が多いです。)

いまいちな点は、解答例の文章が分かりにくいものがあるところと、踏み込んだ問題が少ないので問題演習としては若干心許ないような気がします。

事実認定(当てはめ)も、問題によってはちょっと物足りない感じがします。

お金に余裕があって予備校の答練を沢山受けられる人であれば、「えんしゅう本」で基本的な論点を早めに押さえて、実践的な感覚は答練で身につけていくという方法もアリだと思いますが、相談者の方はお金を節約したいということですので、そういう使い方も難しいかなと思います。

なお「伊藤塾試験対策問題集」に飽きた時に「えんしゅう本」を高速でぐるぐると回すと論点知識が整理できると思いますが、お金を節約したい人は敢えて両方買う必要はないかなと思います。



旧司法試験の時代には人気があった問題集だと思います。

良い点としては問題数が多いです。

ただ、問題数が多いという点はいまいちな点でもあります。

全科目についてこの量をこなして確実に知識やテクニックを身につけられる受験生はかなり少ないと思います。

少なくとも私は何回か「スタンダート100」の圧倒的な量に挫折しています。

問題の中には「今の司法試験では、このような問題が出される可能性は低いのでは?」と思われるようなものも混ざっているような気がします。

いずれも解答例の質は悪くはありませんが、個人的には「伊藤塾試験対策問題集」のほうが分かりやすいと思います。

数多くの解答例があるので答案の書き方に悩んだ時に辞書として使うには便利な本ですが、お金に余裕がなければ敢えて買う必要性は低いかなと個人的には思います。



  • ●基本書・判例集について

基本書等と判例集については、以下の記事を参考にしていただければと思います。

お金がないのであれば、基本書については各科目とも他の受験生も使っていそうなメジャーな基本書を購入し、判例集は「判例百選」で統一するのがコストパフォーマンスが良いと思います。

質問者の方は学部の2年生とのことですので、大学で指定されている基本書があるのであれば、その基本書をそのまま使えば、お金の節約にはなると思います。

ただ、刑法や民事訴訟法は、大学からあまり司法試験向きではない基本書(実務では実際には使われていない考え方を厚く解説したものなど)を指定されることもあるので、必要に応じて買い足す必要があるかも知れません。

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  • ●お勧めしている書籍を買って勉強して合格できるか

「お勧めしている書籍を買って勉強して合格できるか」という点については、(当然のことですが)本を買った後に「どのような勉強を、どの程度するかによる」というのが答えになると思います。



司法試験の勉強方法,おすすめの参考書や問題集(総論)」等の記事でも書いているとおり、司法試験や予備試験に合格する可能性を上げるためには、市販の論文式試験の問題集をこなすだけでなく、

(1)理解できないところは基本書や予備校本で調べて復習する

(2)司法試験・予備試験の論文式試験の過去問を実際に解いてみて分析をする

(3)できれば予備校の答練・直前模試を受験してしっかり復習する

という作業が大事です。


(この他に、科目別にやったほうが良い勉強方法もありますが、その点については科目ごとの以下の記事を参考にしていただければです。)

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市販の問題集をこなすだけでも合格できる可能性はないとは言い切れませんが、通常はそれだけでは難しいと思います。


(1)の「理解できないところは基本書や予備校本で調べて復習する」というのは、問題集の参考答案に書いてある内容を表面的に理解するだけでなく、根本的な原則や制度趣旨などから論点等を理解することで、似たような問題が違う角度から出題された場合や、見たこともないような問題が出題された時に対応できる力を身につけるためには、やっておくべき事項です。


(2)の「司法試験・予備試験の論文式試験の過去問を実際に解いてみて分析をする」については、論文式問題集を回しているだけでは身につけることが難しい能力=①本番の出題趣旨や誘導に沿って解答する能力、②事実認定能力(必要な事実を拾い上げる能力、当てはめの能力)、③時間内に無難な答案を仕上げる能力、④見たことがない問題に直面した時に慌てないメンタル、などを身につけるために必要です。

論文式問題集をある程度回した後に、司法試験・予備試験に論文式試験の過去問を実際に解いてみると、普通の人は「何て難しいんだ・・・」と絶望すると思います。

しかし、論文式問題集で基本的な知識や理解をきちんと身につけていれば、最初は司法試験・予備試験に論文式試験の過去問が難しく感じたとしても、過去問を数年分回すことで、次第に本試験形式の問題を解くためのコツやパターンなどが分かってくると思います。

実際の合格者の答案を読んでみると、法律論の部分についてはそれほど難しいことを答案に書いている訳ではなく、論文式問題集の参考答案にあるような基本的で当たり前のことを正確に書いてあるだけ、というパターンが多いことが分かると思います。

最初は論点に気が付かなくても、過去問を数年分回しているうちに、問題文の中にヒントがあることが分かってくると思います。

事実認定については得意不得意の個人差が大きいところですが、通常は論文式試験の過去問を数年分こなして、優秀答案の真似をしているうちに、どのような事実認定をすれば点が付くのかはやり方が分かってくると思います。

時間内に無難な答案を仕上げる能力については、本番と同様の問題を何度も時間を計って、時間が足りなくなった理由を分析しつつ試行錯誤をすることで、能力が上がっていきます。




(3)の「できれば予備校の答練・直前模試を受験してしっかり復習する」という点は、必須ということではありませんが、効率的に合格をしたいのであれば予備校の答練・直前模試は受験しておいたほうが時間的な効率は良いですし、合格の確率も確実に上がります。

市販の論文式試験問題集は、どの本を使ったとしても、最新の判例を題材にした問題や、その年の司法試験委員が好きそうな分野に関するちょっと特殊な問題というものは載っていないことが多いです。

自力で最新の判例を題材にした問題に対応する能力を身につけるためには、直近数年分の重要判例解説を買ってきて、出題される可能性のある判例をピックアップして、自分なりに予想問題と回答案を作成するという方法もありますが、非常に手間です。

また、その年の司法試験委員が好きな分野については、自分で司法試験委員の論文を分析するという方法がない訳ではないですが、これも非効率です。

他方、予備校の答練や直前模試では、本試験で出題される可能性の高い判例を題材にした問題や、司法試験委員が好きな分野を絡めた問題が出題されることが多いです。

ですから、市販の論文式試験問題集ではカバーしきれないような最新の傾向の問題については、予備校の答練や直前模試を使って対策するのが効率的です。

また、試験直前期には、自分の苦手な科目や欠けている能力を把握した上で、苦手な科目を重点的に学習するとか、欠けている能力を向上させるという作業が必要になってきますが、苦手科目や欠けている能力を客観的に把握するためにも、試験直前期に予備校の答練や直前模試を受験して、他の受験生との間の相対的な位置を把握しておくことは大事です。

たとえば、自分の中では「民法は得意だけど、選択科目は勉強が追いついていない」と考えていても、予備校の答練や直前模試を受験すると、「民法の点はいつも悪いが、選択科目はそここそ良い点数が取れている?!」というようなことがあります。

これは民法などの主要科目は他の受験生も短答式試験の勉強などを通じてそれなりに時間をかけて勉強しているのに対し、選択科目は他の受験生も勉強が追いついていないことが多く、自分の中の主観的な評価と、他の受験生との客観的な相対評価にズレが生じてることによるものです。

このズレを把握できていないと、客観的には既に合格レベルにある選択科目の勉強に力を注ぐ一方で、勉強が足りていない民法の勉強が不十分なまま本試験に突入してしまい、不合格になる、みたいな失敗をしてしまう可能性があります。

このように市販の論文式試験問題集をこなしているだけでは、他の受験生と比較した場合の自分の相対的な位置を把握できないため、試験直前期に勉強の時間配分を誤り、そのことが本試験での敗因になる可能性があります。

ですから、合格したいのであれば、市販の問題集をこなすだけではなく、

(1)理解できないところは基本書や予備校本で調べて復習する

(2)司法試験・予備試験の論文式試験の過去問を実際に解いてみて分析をする

(3)できれば予備校の答練・直前模試を受験してしっかり復習する

という作業をしておくことが大事です。


したがって、「お勧めしている書籍を買って勉強して合格できるか」という点については、本を買った後に「どのような勉強を、どの程度するかによる」というのが答えです。


私の同期の合格者を見ていると、異端と言われるような問題集や基本書を使っていても合格する人は合格しますし、参考書マニアのように多数の本を持っていて膨大な知識を持っていても、勉強の方向性がずれてしまうと合格しません。


なお、おすすめしている問題集や基本書を一切買わなかったとしても、お金と時間に余裕がある人であれば、予備校の基礎講座から受講して、予備校の答練を数多く受験して、毎回復習をきちんとすれば十分に合格できると思います。

何をどう勉強して良いのかさっぱり分からないという人の場合や、自分でスケジュール管理をするのが苦手な人は、予備校の基礎講座から受講したほうが結果的に費用的にも時間的にもコストパフォーマンスが良かったという場合はあると思います。

ただ、予備校の基礎講座はそれなりの価格がしますし、基礎講座の受講はそれなりの時間が必要ですので、お金と時間を節約しつつ合格したいという方で、自分の頭で常に自分に何の勉強が必要かを考えつつスケジュールを管理できる人であれば、やはり市販の書籍を使いつつ、予備校の答練・直前模試を活用するというやり方が良いかと思います。


以上、長々とした回答になってしまいましたが、またご不明な点があればご質問をいただければと思います。







今回は行政法の勉強方法とおすすめ基本書や参考書などについてお話をしたいと思います。


■行政法の特徴


「行政法」は、文字通り「行政に関わる法律」のことです。

これまでご紹介した憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法は、それぞれ「憲法」などの名前の法律がありましたが、「行政法」という名前の法律はありません。

「行政事件訴訟法」「行政手続法」「国家賠償法」など、様々な法律をひとまとめにして「行政法」という「くくり」にしています。

なので、「行政法」を勉強する際には、いくつもの法律を広く勉強する必要があります。


司法試験の論文試験で出題される「行政法」にはいくつかの特徴があります。



1つ目は、市民側が行政側を訴えるパターンの問題が良く出ることです。

市民側が行政側を訴える場合には、主に「行政事件訴訟法」や「国家賠償法」や「地方自治法」などの法律を使うことが多いのですが、これらの法律の中には、「取消訴訟」「無効等確認訴訟」「不作為の違法確認訴訟」「義務付け訴訟」「差止訴訟」「当事者訴訟」「国家賠償法」「住民訴訟」など、様々な訴訟類型(裁判の起こし方)が書かれています。

そして、司法試験や予備試験の論文試験試験を解く時にこの訴訟類型を間違えてしまうと、ほとんど点が付かず、それだけで不合格になってしまう可能性が高くなってしまいます。

そのため、「訴訟類型」を間違えないように十分な準備をしておく必要があります。

(会社法の対策と似ています。)

また、それぞれの「訴訟類型」ごとに、どんなことを書くと点が付くのかということも整理しておく必要があります。

この方法については、この記事の中で後でお話します。




行政法の論文試験の特徴の2つ目は、「ほとんど勉強をしたことがない法律」の解釈について聞かれることが多い、ということです。

先程お話ししたように「行政法」という「くくり」の中には、様々な法律があるのですが、最近の司法試験の論文試験の過去問をざっと見るだけでも、以下のようにマニアックな法律をからめた出題がされています。

令和元年
・土地収用法

平成30年
・墓地,埋葬等に関する法律、どっかの全く知らない市の「墓地等の経営の許可等に関する条例」

平成29年
・道路法

平成28年
・建築基準法、都市計画法、風営法

平成27年
・消防法

行政法の教科書を見てもらえれば分かると思うのですが、これらのマニアックな法律は、行政法の教科書にも詳しい解説は書いてありません。

なぜ司法試験でこのようなマニアックな法律が出題されるのかというと、それは

「知らない法律をその場で見て、その場で考えて問題を解いてね」

ということなんです。

決して、このようなマニアックな法律の「逐条解説」みたいな分厚い本を買ってきて勉強しろ、と言われている訳ではありません。

良く知らない法律をその場で読んで、自分の頭で考えて解けるようになれば良いんです。


では、どうすれば、「知らない法律をその場で読んで、自分の頭で考えて解ける」ようになるのかというと、行政法の基本的なことを勉強した上で、後は司法試験や予備試験の論文式試験の過去問や、予備校の問題集・答練を解いて練習するしかありません。

自転車の運転や、スポーツやゲームも、最初は上手くできなくても、何度もやっているうちに身体が覚えていきますよね。

それと同じような感じです。



行政法の論文試験の3つ目の特徴は、「誘導」が多いということです。

「誘導」というのは、問題を解くためのヒントとか指示のことです。

ちょっと分かりにくいと思いますので、実際の司法試験の過去問から「誘導」の一部を抜粋してみます。

試験問題そのものを見たいという人は以下の法務省のホームページから閲覧できます。

ざっと目を通してもらうだけで構いません。


(抜粋ここから)

【法律事務所の会議録】
弁護士D:Aさんは,本件事業認定は違法であると考えているとのことです。本件権利取得裁決には固有の違法事由はありませんので,本件では,本件事業認定の違法性についてのみ検討する
こととしましょう。もっとも,まずは,どのような訴訟を提起するかについて,検討しておく必要がありますね。

弁護士E:本件事業認定も本件権利取得裁決も,行訴法第3条第2項における「処分その他公権力の行使」に該当しますが,いずれも,既に出訴期間を徒過し,取消訴訟を提起することはでき
ないのではないでしょうか。

弁護士D:そうですね。もっとも,本件取消訴訟については,行訴法第14条第1項及び第2項における「正当な理由」が認められ,適法に提起することができるかもしれません。

弁護士E:仮に本件取消訴訟を適法に提起することができたとしても,本件権利取得裁決には固有の違法事由はありませんので,本件取消訴訟では専ら本件事業認定の違法性を主張することと
なりますね。

弁士D:では,E先生には,仮に本件取消訴訟を適法に提起することができるとした場合,本件事
業認定の違法性を主張することができるかについて検討をお願いします。ただし,「正当な
理由」が認められるかについては,検討する必要はありません。

弁護士E:承知しました。

弁護士D:とはいえ,「正当な理由」が認められない場合の対応も考えておく必要があります。本件取消訴訟を適法に提起することができないとすれば,どのような訴訟を提起することができ
ると考えられますか。

弁護士E:本件事業認定に無効の瑕疵があり,したがって,本件権利取得裁決も無効であるとして,
B県に対し,行訴法第3条第4項に基づいて,本件権利取得裁決の無効確認訴訟を提起する
ことが考えられます。また,本件権利取得裁決が無効であるなら,別途,C市に対する訴訟
も提起することができます。

弁護士D:では,B県に対する無効確認訴訟が訴訟要件を充足しているか,E先生に検討していただきましょう。無効確認訴訟の訴訟要件については,いくつかの考え方がありますが,E先生
は,行訴法第36条の訴訟要件である「当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を
前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないもの」につい
て検討してください。C市に対してどのような訴訟を提起することができるのか,また,C
市に対する訴訟を提起できる場合にも無効確認訴訟を適法に提起することができるのかとい
う点に絞って検討していただければ結構です。

弁護士E:承知しました。

(抜粋ここまで)

これは法律事務所の中の弁護士の会話ですが、この中に問題を解くための「ヒント」や「指示」が、盛り込まれています。

たとえば、

・「・・・ついて,検討しておく必要がありますね」

・「・・・については,検討する必要はありません。」

・「・・・かという点に絞って検討していただければ結構です。」

という部分は「指示」の部分にあたります。


「検討する必要がありますね」と書かれている部分を、答案の中で検討していないと、点を大きく失ってしまい、それだけ不合格の可能性が高まります。

他方、「・・・については検討する必要はありません」「という点に絞って検討していただければ結構です」と言われているのに、検討する必要がない部分まで答案に書くと、試験本番で時間を大きくロスしてしまいます。

司法試験の論文式試験は時間との勝負なので、検討する必要がない部分に時間をかけてしまうと、検討しなければならない部分にかける時間がなくなってしまい、他の受験生と大きな点数の差が付いてしまいます。

なので、このような「指示」を見落とすことは致命傷になります。


それから

「・・・訴訟を提起することが考えられます」

のような部分は、「ヒント」になっていたりします。


こういったヒントを見落とすと、それだけで不合格に繋がります。

司法試験に不合格になった受験生の相談を受けると、こういった「ヒント」を見落として、書くべきことを書かずに酷い点数になった、という人もいます。

なので「誘導」にきちんと従うということは、とても大事なことです。

この「誘導」を見落とさないようにするのも、基本的には問題演習をこなしていくうちにコツが分かってきます。


ちょっと長くなりましたが、まとめると行政法の論文式試験には、

① 「訴訟類型」について準備をしておかないと本試験で酷い目に合う可能性がある

② あまり見たことがない法律が出るので、自分の頭で考えて解く必要がある

③ 「誘導」にきちんと乗れるように、練習をおく必要がある

等の特徴があります。


ただ、行政法については基本的なことをきちんと勉強した上で、↑のような特徴を踏まえた上で対策をきちんととっておけば、本試験で合格点+αの点を取ることは、それほど難しくありません。

このような特徴を踏まえた上で、行政法をできるだけ短い勉強時間で合格レベルに持っていくための勉強方法と、おすすめの基本書や参考書について、お話していきたいと思います。









■行政法の入門書を読もう


行政法についても初学者の方は入門書を読むことをお勧めします。



はじめて行政法を勉強する場合には、他の科目と同様「伊藤真の行政法入門」をおすすめします。

●ISBN-10: 4535521190 

基本書を読めない私のような人間でも、挫折することなく読めるサイズまで基本的な事項が凝縮されています。

カバンに入れておいてスキマ時間に読んでもいいと思いますしし、2~3時間かけて一気に読んでも良いと思います。

2~3回読めば十分だと思います。



その他に、予備校系の入門書としては柴田孝之先生の「S式生講義 入門行政法」も良いと思います。

柴田孝之先生は、かなり昔からLEC(東京リーガルマインド)で司法試験の講師をしている先生で、私の同期の合格者の中にも柴田先生の授業を受けていたという人が何人もいました。

説明が論理的なので、理屈で理解したい人には相性が良いと思います。

「伊藤真の行政法入門」はどちらかというと教科書っぽい書き方ですが、「S式生講義 入門行政法」は講義を再現したような内容になっているので、どちらか好きなほうを読むと良いと思います。

●ISBN-10: 442612476X



「伊藤真の行政法入門」や「S式生講義 入門行政法」ではちょっと物足りなかったという人は、「伊藤真ファーストトラックシリーズ」もおすすめです。

「伊藤真ファーストトラックシリーズ」は、後述の「行政法 伊藤真試験対策講座」をぎゅっと圧縮したような内容になっています。

この「伊藤真ファーストトラックシリーズ」を何回か読んで内容が理解できるようになれば、他の基本書や予備校本も読みやすくなると思います。

●ISBN-10: 4335314574



学者の先生が書いた入門書のうち、私が読んだ中では藤田宙靖先生の「行政法」が分かりやすくて読みやすいと思います。

●ISBN-10: 4641131953

学者の先生の書いた本の中で、私が通読できた数少ない教科書のうちの1冊です。

藤田宙靖先生は、学者から最高裁判所の裁判官になったという凄い先生なのですが、この入門書を読んでいると初学者に対する配慮や愛情みたいなもの感じます。

内容はしっかりしていますが、文章が平易なので初学者でも読みやすいです。

新司法試験の制度ができるだいぶ前から出版されている本なので、ベースは昔ながらの行政法の本という感じで、今流行の司法試験に合わせたような流行の教科書という感じではありません。

しかし2016年に改訂されていて、行政不服審査法の改正にも対応しているので司法試験の入門書として使って困るということはないと思います。








■行政法の論文問題集を読もう


入門書を読んだら早めに行政法の論文問題集を読むと良いです。



読む論文問題集としては「伊藤塾試験対策問題集」をおすすめします。


●ISBN-10: 4335303599

●ISBN-10: 433530367X

「試験対策問題集 司法試験論文」と 「 伊藤塾試験対策問題集 予備試験論文」 の使い分けについては「論文問題集の使い分けと論文式試験の対策について」を参照してください。

個人的には,「試験対策問題集 司法試験論文」のほうをおすすめしています。

この伊藤塾の問題集は、やはり他の科目と同様に参考答案の質が高いので、言い回しをそのまま真似して本試験で使うことができます。

この問題集の「ケース」以外の部分の問題文と参考答案を何度も読んでいると、行政法の問題の解き方の流れのようなものが分かってくると思います。

参考答案を読んでもよく理解できない部分も出てくると思いますので、その場合は、後述の基本書や判例集の該当箇所を読んで理解を深めていくと、力がついていくと思います。

時間がない人は、とりあえず「ケース」以外の部分の「A」ランクの問題に絞って回しても良いと思います。

行政法の勉強では、先程お話しした行政法の特徴を踏まえ、過去問や予備校の答練にもある程度時間をかけたいところなので、問題集の全部を完璧に仕上げることに拘りすぎて過去問や予備校の答練をこなす時間が無くなってしまうよりは、問題集の「A」ランクの部分だけでも良いので早めに仕上げて、過去問や予備校の答練の演習の時間を十分に確保したほうが良いと思います。








■おすすめの行政法の基本書と予備校本



行政法のおすすめの基本書などをいくつか紹介します。


私の周りの合格者で使っている人が多かったのが「櫻井敬子」先生と「橋本博之」先生の「行政法」です。

●ISBN-10: 4335357974

比較的コンパクトで読みやすいので、通読用に使っても時間不足になる可能性は低いと思います。

この本を使っている受験生が多いので「他の人と同じ本が良い」という人には無難な基本書だと思います。

私もこの基本書を持っているのですが・・・ほとんど読んだ記憶がありません。

この基本書の問題ではなく、私の問題ですが、合う合わないは相性があると思います。





私がメインで使っていた基本書は「行政法 (LEGAL QUEST)」です。

●ISBN-10: 4641179409

私は通読はしていませんが、調べ物をしたり法科大学院の課題をこなしたりするのに頻繁につまみ読みをしていたので、おそらく全体のうち7割くらいのページは読んだと思います。

この基本書は4人の共著ですが、著者の1人である稲葉馨先生は、(新)司法試験で新しく行政法が試験科目に含まれた時の考査委員をされていた先生です。

そのためか、伝統的な行政法の教科書と違って、(新)司法試験の出題形式を意識した内容になっているように思われます。

単に知識を詰め込むだけでなく、自分の頭で考えて問題を解くことができるように工夫がされていると思います。

先程お話したとおり、司法試験の行政法の問題は、自分の頭で現場で考えて処理しなければならない問題が出題されることが多いので、そういった意味では良い基本書だと思います。

この基本書のデメリットとしては、ちょっと先進的な内容が含まれていて難しいと思う人もいると思います。

他方で理屈でロジカルに考えたい人には相性が良い基本書だと思いますし、薄いので気合いを入れれば1日か2日で読めると思います。




その他、王道の基本書としては「宇賀克也」先生の「行政法概説Ⅰ」と「行政法概説II」が有名です。

●ISBN-10: 4641227837

●ISBN-10: 4641227446


「概説」(=だいたいの説明)とは名ばかりに、2冊合わせて1000頁を超えるボリュームです。

宇賀先生はとても優秀な先生なので、1000頁分くらいの知識は全体の知識量のごく一部に過ぎないのだと思いますが、司法試験受験生にとって1000頁というボリュームはちょっと多いです。

天才タイプ以外の人が通読しようとすると挫折する可能性が大きいです。

なので、通読用に使うことはおすすめしません。

ただ、判例が大量に掲載されており、論文試験の問題を解いたりしている時に、辞書として使うのには大変便利なので、お金に余裕のある人は2冊とも手元に置いておくとかなり便利です。

また内容が詳しいので司法修習や実務に入ってからも使えるので、そういった意味では最強の部類の基本書です。


私も受験生自体に2冊とも買って、今でも仕事で辞書的に使っています。

ちなみに「宇賀克也」先生は「行政法概説Ⅲ」という本も出してますが、こちらは司法試験ではほとんど出題されない範囲の本なので、司法試験・予備試験対策のために「行政法概説Ⅲ」を買う必要はほとんどありません。



その他、年配の弁護士におすすめの行政法の基本書を聞くと「塩野宏」先生の「行政法」をおすすめされるかも知れません。

●ISBN-10: 4641131864

●ISBN-10: 4641227713

「買いたい人だけ買ってください」とでも言うような、とてもシンプルな見た目の本。

塩野先生の「行政法」は、見た目と同様に説明も比較的シンプルなので、ある程度勉強が進んだ人であれば、「余計な説明がないので読みやすい」と思います。


塩野先生はかなりご高齢で、今後の改訂も無いかもしれないので、積極的にはおすすめしませんが、図書館などで読んでみて、「自分に合う」と思った人や、同級生に「渋い」って思われたい人は候補に入れても良いかも知れません。






予備校本については,通読用に使うのであれば伊藤塾の「行政法 伊藤真試験対策講座」が良いと思いますし,辞書的に使うのであればLECの「C-Book 行政法」が良いと思います。

●ISBN-10: 4335304900

●ISBN-10: 4844976125


私は法科大学院の入学試験の勉強のために伊藤塾の「行政法 伊藤真試験対策講座」を使っていました。

予備校本だけあって内容は分かりやすかったですが、ボリュームがそこそこあるので、通読をするのには気合いと根性が必要かも知れません。



「C-Book 行政法」は、法科大学院に入学した後、辞書として使っていました。

「調べ物をしたいけど、基本書で該当箇所を探すのはダルいな」という時に「C-Book」は便利です。

「C-Book目次が細分化されているので分からない事が出てきた時に調べたい内容を探しやすいですし、「C-Book」には基本書のどのページに書かれているかというインデックスのようなものがあって基本書の該当箇所にすぐに飛ぶことができるので便利です。

ただし、「C-Book」は量が多いので通読はあまりおすすめしません。







■行政法の判例集


行政法の判例集も様々なものが出版されていますが,「行政法判例百選Ⅰ」と「行政法判例百選Ⅱ」と直近数年分の「重要判例解説」があれば十分だと思います。

●ISBN-10: 4641115354

●ISBN-10: 4641115362

●464111594X

相変わらず字が小さいのがデメリットですが、パソコンがある人は自分で電子書籍化するか、Kindle版を買えば、「目が疲れる問題」は解決できると思います。

判例百選に掲載されている判例の数はかなり多いので、宇賀先生の基本書と併用すれば司法試験の勉強をするにあたって不足するということはまずないと思いますし、解説も充実しているので分からないことを理解しようとする時にも便利です。

「伊藤真の判例シリーズ」も便利で分かりやすいのですが、改訂が少ないのと、掲載判例が少なめなのと、その割にボリュームがあるのがネックです。

私は「伊藤真の判例シリーズ」も買いましたが結局ほとんど使ってません。

●4335304102 






■「訴訟類型」の整理など


先程お話ししたとおり、行政法の論文試験では、「訴訟類型」を整理して実戦で使えるようにする、ことが大事です。

そのため、予め「訴訟類型」を整理しておくと良いです。


「訴訟類型」は、ある程度勉強をしていればどのようなものがあるか分かってくると思いますが、整理をしておかないと本番で間違える可能性が出てきます。

「行政法の論文試験が苦手」という受験生の中には、この「訴訟類型の整理」をきちんとしていない人が多いように思われます。

自分で「訴訟類型」を整理しても良いのですが、それが面倒な人は辰巳法律研究所の「趣旨規範ハンドブック 公法系」に、「訴訟類型」の整理や本試験の解き方が詳しく書かれています。

「訴訟類型を整理しろと言われても、やり方が分からないよ」という人は「趣旨規範ハンドブック」の力を借りると良いと思います。

私も最初は自分で整理していたのですが、量が増えるにつれて次第に訳が分からなくなって面倒になったので、最終的には「趣旨規範ハンドブック」の力を借りて頭を整理しました。

●ISBN-10: 4864664218


「趣旨規範ハンドブック」はシンプルなのが売りですが、その分「勉強がそれなりに進んでいる人」向けなので、勉強の進み具合によっては「何が書いてあるのか良く分からない」という人もいると思います。


その場合には「受験新報」のノートのほうが分かりやすいかも知れません。

「受験新報」は定期的に「訴訟類型」や行政法の問題の解き方を綺麗に整理した「行政法答案構成ノート」を出しています。


こちらのノートもかなり使いやすいので、同期の合格者の中には受験新報のノートを使っている人も結構いました。

「趣旨規範ハンドブック」を使っても「受験新報のノート」を使ってもどちらでも問題ありませんので、見比べてみて自分が使いやすいほうを使うと良いでしょう。

●ASIN: B07K14BNBL






■論文式試験の過去問の分析


先程お話ししたとおり、司法試験(予備試験も)では論文式試験の過去問の分析は大事です。


先程お話ししたように

① 「訴訟類型」を整理して実戦で使えるようにする

② あまり勉強したことがない法律について、自分の頭で考えて解けるようにする

③ 「誘導」にきちんと乗れるようにする

という技術を身につけるためには、司法試験の論文試験の過去問を最低でも5年分はやっておくべきです。

過去問を5年分くらいやると、次第に「なんだか毎年同じようなことが聞かれているな」という感覚になってくると思います。

聞かれている論点は違っても、求めれている考え方や、誘導の仕方は、パターンがある程度決まっているので、過去問をこなしてくと「はいはい。こういうパターンね。前に見たことあるよ。」と落ち着いて問題を処理できるようになっていくと思います。


過去問を解く時には、できれば自分よりも優秀な人とゼミを組んで、毎週何曜日の何時までに全員が答案を書き上げるという約束をして、答案が出来上がったらお互いに答案を批評しあうと、過去問から得られるモノの量と質が大幅にあがると思います。


自分や他の人が書いた答案を分析する時は、辰已法律研究所の「ぶんせき本」の優秀答案や予備校のコメント、法務省の採点実感等を読みながらやると良いです。

●ISBN-10: 4864664668

●ISBN-10: 4864664676



過去問を何度も回しているのに、解き方が分からない、という人は、主に2つのパターンに分けられると思います。


1つ目は、基本的な知識や理解が足りていないパターン。

この場合は、

「伊藤塾試験対策問題集」のAランクの問題などを解く
分からない部分を基本書などで復習する

をループしたりして、基本的な知識をインプットし理解を深めるしかないと思います。



2つ目は、司法試験の問題との相性が悪く解き方のコツがなかなか掴めないタイプ。

このパターンは、知識や理解は十分にあるのに、論文試験は苦手というパターンで、優秀な人の中にもこういう人がたまにいます。

論文試験の解き方のコツや誘導の乗り方がどうしても掴めない人は、論文試験が得意な人に方法を聞いて回るという方法もあるのですが、「誘導」に乗るのが苦手な人は、辰巳法律研究所の福田俊彦先生の「絶対にすべらない答案の書き方」という講座を個人的におすすめします。

この「絶対にすべらない答案の書き方」は、司法試験の論文試験の各科目の問題文の読み方、時間配分の仕方、答案構成の仕方、答案の書き方、誘導の乗り方などを一定のルールに従ってやることで、論文試験で酷い点数を取るリスクをゼロに近づける、みたいな内容です(私の理解が間違っていたらすみません)。

私も「論文試験の解き方がよく分からないな」と思っていた時に同級生に福田先生の講座を勧められて受講したのですが、講義の内容を全部文字に起こして、福田先生の言っているルールを守ように徹底したところ、点数が安定するようになりました。

DVDの講座で2万5000円くらいしたと思うので、購入するのはちょっと勇気がいる価格だと思いますし、同級生の中では「あまり響かなかった」という人もいたので相性みたいなものがあると思います。

あと、この講座は司法試験でもの凄い高得点を取る的な内容ではなく、タイトルどおり「すべらない」=「落ちない」ことをメインにしている内容なので、「合格点を取る自信は十分にあるけど、10番以内で合格したい」みたいな人向けの内容ではありません。

いきなり講座を買う勇気がない人は、本も出ているので、そっちを読んでみてから講座を受けるか判断しても良いかもしれません。

●ISBN-10: 4864661596

ただ、本は講座に比べると内容は薄めです(価格が違うので仕方ないのですが)。









■答練・直前模試を受けよう


司法試験・予備試験ともに遅くとも年明け頃から予備校の答練を受けたほうが良いです。

予備校の答練は、司法試験も予備試験も、10月頃から第1クールが始まり、年明けの1月か2月頃から第2クールが始まります。

「第1クール」「第2クール」という名前は予備校によって若干違いますが、1セット目、2セット目みたいな意味です。

勉強のスケジュールがある程度進んでいて、お金に余裕がある人は第1クールも第2クールも両方受けて良いと思いますが、私は第2クールだけ受けました。

第1クールは受講しない受験生も多いので、第1クールで出題されたものと同じような問題が本試験で出たとしても、それ程差が付かないことが多いと思います。

また、過去問の検討が不十分な場合には、無理をして第1クールの答練を受けるよりは、過去問の検討を十分にしたほうが力が付く可能性が高いと思います。

予備校の答練も良く練られていますが、やはり質的な意味では過去問のほうが得られるものが多いです。



過去問を5年分くらいこなしてから答練を受けると、自分の苦手な部分や、弱点が分かってくると思います。

たとえば、いつも時間内に書き終わらないとか、訴訟類型の判断に時間がかかるとか、実体法的な論点が弱いなど。

弱点が分かれば、その原因を探った上で、復習をすることで本試験までの間に補強をしていくことができます。


どの予備校の答練を受けるか迷った場合には,「予備校の答練について」という記事を参考にしてください。

個人的には受講生の多い予備校の答練を受けることをおすすめしています。







■短答式試験(行政法)の勉強方法


現在の司法試験の短答式試験では,行政法の分野は出題されません。

そのため,予備試験を受験せずに,法科大学院に進学して司法試験を受験する人は,行政法の分野については短答式試験の勉強をする必要はありません。


それに対して,予備試験の短答式試験では,行政法の分野も出題されるので,予備試験の受験を考えている人は,短答式試験対策もしておく必要があります。

他の科目の記事でお話したとおり、短答式試験の勉強方法は基本的に短答式試験の過去問集を買ってきて読んだり解いたりしてみて,分からないところがあれば,基本書や予備校本,判例集で調べるという単純作業です。



短答式試験の過去問集は,私は当初は辰巳法律研究所の「短答過去問パーフェクト」を使っていましたが、途中からスクール東京の「司法試験・予備試験 短答 過去問集」をメインで使っていました。


●ISBN-10: 4864664536

●ASIN: B083SRMJPH


辰巳法律研究所の「短答過去問パーフェクト」は以前に比べると解説が若干コンパクトになったような気がします。

ただ、解説は以前と同様、条文の内容や判例の判旨をそのまま記載しているだけのものも多く、「条文や判決にはそう書いてあるんだろうけど、なんでそうなるの?」という部分がよく分からなかったりします。


スクール東京の「司法試験・予備試験 短答 過去問集」は、解説はコンパクトですが、条文の制度趣旨などまでに遡って説明してくれているので、ある程度勉強が進んできた人であれば頭に残りやすく、早く回せると思います。

ただ、最近のスクール東京の問題集の解説は言い回しが独特になってきたので読みづらいと感じる人もいると思いますし、他の問題集に比べると改訂が遅めです。

スクール東京の成川先生は、以前に早稲田セミナーという司法試験予備校を経営していた方で、長年司法試験の講師をされていただけあって著書もインパクトのあるものが多いのですが、個性的な方なので相性が合わない人は合わないかも知れません。


短答式の過去問集は各予備校から出ていますが、一長一短で好みが分かれるところなので、試し読みしてみて、気に入ったものを買うと良いと思います。

解説だけで言うと伊藤塾の問題集も良いと思いますが、伊藤塾の問題集は問題数が少ないのがネックです。


●ASIN: B07XK14931

●ISBN-10: 4847146085

●ISBN-10: 4587226971


迷った場合には、スクール東京の「司法試験・予備試験 短答 過去問集」を試し読みしてみて、「合わないな」と感じた方は、辰巳法律研究所の「短答過去問パーフェクト」を使うのが無難かな、と思います。


単純作業が苦痛でない人は「肢別本」が効率的です。

●ISBN-10: 4864664145

肢別本は,1問1答になっていて解説がコンパクトな問題集なので、速く回せます。

同級生が「1日で肢別本1冊読む」という人もいたので、気合いと根性がある人であれば、肢別本を選択肢に入れても良いと思います。

肢別本はアプリも出ています。




短答式の勉強のために「択一六法」を買う受験生もいます。

●ISBN-10: 4844974726

「択一六法」は先程紹介した東京リーガルマインド(LEC)の「C-BOOK」をコンパクトにまとめたような本です。

短答式対策の勉強をしていると、知識を整理するためにノートを作りたくなる衝動に駆られることがあるのですが、自分でノートを作るのは時間がかかるので、択一六法で代用できないか検討する価値はあると思います。

ロースクールの授業に重い基本書や六法を持っていくのが面倒なので、択一六法だけ持って授業を受ける猛者もいたりします。


以上、行政法のおすすめの勉強方法と基本書でした。

勉強の進め方は人それぞれなので、必ずしも上記のとおり進めなければならないという訳ではありません。

予備校に通っている方は、予備校の講義をペースメーカーにして進めていくと良いでしょう。

質問がありましたらコメント欄に記入してください。

【アクセスの多い記事】
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質問をいただきましたのでお答えしたいと思います。
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勉強の仕方について
勉強の時、ノートのとり方がうまく行かないことはありませんでしたか。
最近、ノートを取らず、予備校本を読んで、問題集や過去問をやってわからない所は又予備校本を読んでを繰り返しております。
そこで、論文は趣旨規範ハンドブック(工藤の論証集でもよいらしいですが)にまとめると良いという事ですが、普段のノートと別にまとめるとよいのでしょうか?
それとも、全て趣旨規範ハンドブックにまとめてしまうのですか。
勉強していてわからないところは基本書や論証集に載っているのでそれを見れば良いのであまりノートを取らなくても良く、問題を解くときだけノートを使うと良いという事でしょうか。
基本書を7回読めとかいいますがノート取りより読み込みと演習書や過去問のやりこみが良いでしょうか。
説明がうまくないですが、勉強の範囲が膨大なので、自分でわからない所の整理をどうやっていくのか、そこがうまく行かないです。
――――――――――――――――――――――――――
伊藤塾の予備試験論文にも論証一覧は載っていますし、予備試験論文のはじめにも、論証一覧はつけたが、巷の論証集は少し量が多いとかかれています。
他にあるものをノートに書いてもあまり意味がなさそうですから、こういうのを使い復習するか。
あまりうまく説明できませんが、宜しくお願いします。
――――――――――――――――――――――――――


  • ●論証集やノートを作る必要性について

司法試験の勉強における論証集やノートの使い方について質問がありましたので、お答えしたいと思います。

私も勉強を始めた頃は論証集(論証パターン)の扱いについて悩んだことがあるので、お気持ちは分かります。

結論としては、
(ア)自分で論証集・ノートを作る必要性があると感じていて、かつ時間があるのであれば論証集やノートを作れば良いと思いますし、
(イ)
現時点で論証集・ノートを作る必要性を感じていない場合や、論証集やノートを作る時間的余裕がない場合には、敢えて作る必要はないと思います。


参考として私が受験生の時にどうしていたかという話をしたいと思います。

私は、勉強を始めた頃は論証集やノートは作っていませんでした。必要性を感じていなかったからです。

伊藤塾の「試験対策問題集 論文」など論文式試験用の問題集を読めば主要な論点の論証は載っていますので、論証を覚えたいのであれば、論文式試験用の問題集の問題と参考答案を何度も読みながら分からないこところを基本書や予備校本で調べるという作業を繰り返したり、参考答案を写経したりすれば良いと思います。

★ISBN-10: 433530370X

また、勉強を始めたばかりの頃や、自分の頭で考えて論証を作るよりも、出来の良い論証を丸暗記してしまったほうが学習効率が良いので、敢えて自分なりの論証集というものを作る必要性は低いと思います。(「守破離」の「守」、つまり、教わった型を守る)段階です。)



しかし、ある程度勉強が進んできて理解が深まってくると、「自分の頭で考えた論証」や「お気に入りの先生の基本書に書いてある論証」や「司法試験の優秀答案にあった論証」のほうを使いたいという場面出てくると思います。(「守破離」の「破離」、つまり、教わった型を自分なりに改善・改良できる段階になっていきます。)

こうなってくると「試験対策問題集 論文」などの論証を丸暗記するよりも、自分が理解したことや、腑に落ちたことをベースに論証を作って覚えたほうが、記憶に残りやすくなってくるんです。

また単に論点を学習する上で、過去の裁判例でどのような事案であったとか、どのような当てはめたがされたなどの情報を整理したくなってくることも出てきました。

そこで、私は「自分なりの論証を作ったほうが記憶に残りやすい」と感じた論点が出てきた時や、事案や当てはめを整理したい論証ができた時には、その論点について、ワードで自分なりの論証集を作るようにしていました。


たとえば、刑法の共同正犯の成立要件に関する論証ですが、一般的な予備校の問題集にある論証のままだと、事案への「当てはめ」がやりにくいと感じていたので、基本書や過去の判例を参考に以下のような論証を作っていました。


【ここから】

※C-book366、370、山口160、講義案318、ステップアップ101、終局起案手引25、

(1)
実行行為の一部を分担していないが
共謀に参加した者についても
共同正犯(60条)が成立しうるか
が問題となる

(2)
思うに、
「共同して犯罪を実行した」(60条)場合に
全員が正犯とされるという
共同正犯の正犯性の根拠は
各共謀者の
自らの犯罪を実現するために
共謀をなし
共謀に基づいて
相互に
他方の行為を利用・補充し合って
犯罪が実行された場合には
各関与者が
自ら事態の成り行きを操作して
直接的に
法益侵害またはその危険を惹起した
という意味で
各関与者が
自ら犯罪を実行したものと
規範的に評価できる点にある。
そこで、
①共同実行の事実
(共謀に基づいて
共謀者のいずれかが
実行行為を行ったこと)
②各被疑者が犯意を相互に認識したこと
(犯意の相互認識)
③各被疑者に
故意だけでなく
他の者と行為を利用・補充し合い
自己の犯罪を実現する意思(正犯意思)があること
という要件を満たす場合には
実行行為の一部を分担しない者についても
共同正犯が成立しうると解する。
(最大決昭33.5.28:百選Ⅰ75))
(最決平15.5.1:百選Ⅰ76))

(3) あてはめ
→別途、表を作って整理

※講義案318-
実行共同正犯・共謀共同正犯のいずれにおいても上記の要件となる。
∵共同正犯の正犯性の根拠は共謀へ参加した点にある
→共同正犯の成否という観点では,
実行共同正犯と共謀共同正犯との間には何ら本質的な差異はない
実行共同正犯・共謀共同正犯の区別は
刑事訴訟法の訴因の特定や訴因変更において問題となるにすぎない
【ここまで】


そして、この論証集には、参考にした基本書・予備校本・判例集の頁・番号を記載し、答練をやったり、過去問をやって気づいたことや、気に入った論証のフレーズを加えていき、答練や試験の直前期に見直すようにしていました。


このような自分なりの論証集は全ての論点について作っていた訳ではなく、あくまで論証を作る必要性を感じた論点(自分で論証を作ったほうが理解しやすい、記憶に残りやすいと感じた論点)に絞って作っていました。

自分なりの論証集を作っていない論点については、伊藤塾の「試験対策問題集 論文」を直前期に読んで覚えたり、辰巳法律研究所の「趣旨規範ハンドブック」を直前期に読んで、暗記するという作業をしていました。




その他、論証の他に、似て非なる知識が出てきた時に、主に択一対策用に表を作って知識を整理する、といこともやっていました。

たとえば、民法であれば「共有」「合有」「総有」の違いを整理するとか、「代理」と「使者」の違いを整理したりするというものです。


以上のやり方は、あくまで私のやり方ですので、上記のとおりにしなければならないということではありません。

前記のとおり、①自分で論証集やノートを作る必要性があると感じているという点と、②論証集やノートを作っている時間があるのか、という2点から、作るかどうかを判断したほうが良いと思います。

受験生の中には、論証集やノートの作成に時間をかけすぎて、本番に間に合わなくなってしまう人もいますので、時間がない場合には、論証集は全て論文問題集や趣旨規範ハンドブックで代用するとか、ノートは択一六法で代用する等の判断が必要になってくると思います。


私の同級生の中には、自分の論証集やノートを一切作らずに合格している人も多数います。

論証集・ノートを一切作らずに合格している人は、問題演習をたくさんこなしながら、演習の復習の際に知識をインプットしている人が多かったように思います。





  • ●「論文は趣旨規範ハンドブック(工藤の論証集でもよいらしいですが)にまとめると良いという事ですが、普段のノートと別にまとめるとよいのでしょうか?それとも、全て趣旨規範ハンドブックにまとめてしまうのですか。」


この点も人それぞれだと思います。

「普段のノート」について、どのようなものを作っていらっしゃるのか分からなかったのですが、私は趣旨規範ハンドブックをスキャンした上でOCRソフト(読取革命)で読み込んで、ワードに貼り付けて、そこに自分のメモを打ち込んでいくとう方法を取っていました。

「OCRソフト」とは以下のようなソフトです。

★ASIN: B0091L3FDS


しかし、OCRソフトを使っても、趣旨規範ハンドブックの内容をワードの貼り付けるという作業は結構時間がかかりますので(慣れている人でも丸1日くらいはかかると思います。)、私の方法は効率が良かったとは言えないとと思います。

私の同級生(合格者)は趣旨規範ハンドブックに手書きで、自分が必要だと思う情報をどんどん書き込んでいって、直前期に見直すという方法をとっていました。

ただ、この方法も、同級生曰く「趣旨規範ハンドブックが改訂される度に、手書きのメモを書き写さなければならないのが非常の面倒くさい」と言っていましたので(これも1日から数日かかるようです)、前記のようにワードにデータを貼り付けたりするのか、紙ベースで手書きで書き込んでいくかは、一長一短だと思います。



  • ●「勉強していてわからないところは基本書や論証集に載っているのでそれを見れば良いのであまりノートを取らなくても良く、問題を解くときだけノートを使うと良いという事でしょうか。」

「勉強していてわからないところは基本書や論証集に載っているのでそれを見れば良いのであまりノートを取らなくても良く」という点については先程お話ししたとおりです。

自分なりの論証集や知識を整理したノートを作る必要性と時間があると思うのであれば作ればよいと思いますし、必要性を感じないとか、時間がないという場合にはノートを作る必要はないと思います。

「問題を解くときだけノートを使うと良いという事でしょうか」という点については、どのような形で問題演習をするかによると思います。

短答式の問題を解く場合であれば、事案図を書くためのメモ紙等があれば十分だと思いますし、肢別本をガンガン回す時にはノートは使わない人のほうが多いと思います。

論文式の問題集を使う時には、知識のインプットがメインであれば、ノートを使わずにとにかく読み込むというやり方でも良いと思いますし、実際に答案が書けるかチェックしたいということであればノートや答案用紙に実際に答案を書いてみるという作業をしたほうが良いと思います。

なお、司法試験の論文式の過去問を解く時は、下書き用紙に答案構成をした上で、本番と同じ答案用紙に答案を実際に書くという作業をするべきです。

答案用紙は法務省のHPからダウンロードできます。

http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00165.html





  • ●「基本書を7回読めとかいいますがノート取りより読み込みと演習書や過去問のやりこみが良いでしょうか。説明がうまくないですが、勉強の範囲が膨大なので、自分でわからない所の整理をどうやっていくのか、そこがうまく行かないです。」

「基本書を7回読めとかいいますが」という点については、これも人それぞれだと思います。

以前の記事で書いていると思いますが、私は基本書を通読する必要性を感じなかったので、通読した基本書はほとんどありません(通読したのは入門書のみ。)。


他方で、問題演習をして腑に落ちない部分が出てきた時は、基本書や予備校本の該当箇所を何度も読んでいましたので、重要な論点に限って言えば、10回以上基本書を読んでいる部分もあると思います。

基本書を何回読むかが問題なのでなく、予備試験・司法試験の本番で実際に答案を書くことができるのか、合格点が取れるかどうかが問題です。

基本書を何度も読んで合格点が取れるようになるタイプであれば別ですが、そのような人は一部の天才だけなので、普通の受験生であれば、問題演習を中心に勉強をしていったほうが効率が良いと思います。

また、普通の受験生は基本書を7回も読んでいる時間はないと思います。

試しに基本書を1頁読むのにどのくらいの時間がかかるか計った上で、全8科目(憲・民・刑・民訴・刑訴・商法・行政・選択)の基本書の合計の頁数を掛けるみると、基本書の通読には膨大な時間がかかることが分かると思います。

実際に基本書を何度も通読して合格している受験生も少なくありませんので、基本書を通読するな、とは言いませんが、本当に基本書を7回も読む時間があるのかという点と、基本書を7回読んで試験本番で使える知識・技術がどれだけ得られるのかということを良く考えた上で、自分の必要な勉強方法が何なのかを選別していったほうが良いと思います。


なお、特殊な例として、基本書を論証集のように使っている人もいます。

基本書を読む時に、問題提起の部分、規範の部分、理由付けの部分、あてはめの部分をそれぞれマーカー色分けをして、基本書を読む時に、自分の頭の中で論証(もし論文式試験で問われたたらどういう答案になるのか)を構成しながら読むという高度な方法なのですが、地頭が良い方であればこういう方法もあると思います。

江頭先生や伊藤眞先生のような重厚な基本書でこれをやろうとするとかなりキツイと思いますが、最近は予備校本的な初心者にも優しい基本書も増えてきていますし、このような使い方が出来るのであれば、基本書を何度も読むというのもありではないかと思います。




  • ●「伊藤塾の予備試験論文にも論証一覧は載っていますし、予備試験論文のはじめにも、論証一覧はつけたが、巷の論証集は少し量が多いとかかれています。他にあるものをノートに書いてもあまり意味がなさそうですから、こういうのを使い復習するか。」

論証集は色々なものがありますが、個人的には主要論点を抑えるという点で伊藤塾の「試験対策問題集 論文」を使いつつ、細かい論点を押さえるために辰巳法律研究所の「趣旨規範ハンドブック」を補助的に使うというのがお勧めです。

予備校本の巻末にも論証集は載っていますが、これらの論証集は基本的に事案が書いておらず、あてはめの記載もないため、使い勝手はあまり良くないです。

伊藤塾の「試験対策問題集 論文」は、重要論点はほぼ網羅していて、答案例の質も良いのですし、あてはめもシンプルながら要点が押さえられています。

他方、「試験対策問題集 論文」は改訂が数年に1回しかないため、最新判例に関する論点や、近時の本試験で出題されたような先進的な論点については掲載されていないことあります。

そのため、辰巳法律研究所の「趣旨規範ハンドブック」を補助的に使って、論点に漏れがないようにカバーをしておくのが安全かと思います。







以上が私の意見ですが、分からないことがありましたらまた質問をいただければと思います。


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質問をいただきましたのでお答えしたいと思います。

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いつも拝見させて頂いております。
先生の記事を見て司法試験の勉強を始めようかと迷っているところです。
特に、頑張り次第で億単位の収入が目指せ、青天井であるという世界に憧れております。

現在、26歳であり予備試験・司法試験を見据えると弁護士資格が取得できるのは30歳前後かと思います。
年齢を考えますと四大事務所に入所することは難しいです。
弁護士で億稼ぐというと、やはり四大事務所のパートナー先生というイメージor四大事務所出身で独立された先生というイメージがあります。
私のように社会人経験を経ている者でも資格取得後に経済的に成功されている方も周りにいらっしゃいますでしょうか?
もしくは、そうした金銭的成功を目指す場合は起業等別の手段をとるほうが良いのでしょうか。
先生の率直なご意見をお聞かせいただけると幸いです。
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返事がとても遅くなってしまい申し訳ありません。

コメントをいただいた時にメールが来るように設定をしているのですが、メールを見逃してしまったようです。


私のような地方都市の一弁護士の意見が参考になるか分かりませんが、質問いただいた「社会人経験のある人が30歳前後で弁護士になって億単位の収入を得ることは可能か」という点について、結論として不可能ではないと思います。

ただし、実力と努力と運次第だと思いますし、一般論として弁護士で1億円以上の額を稼ぐのはかなり大変なことですので、弁護士という職業に思い入れがないのであれば、敢えて弁護士という仕事に拘る必要もないと思います。




私が弁護士をしている地域は地方都市ですが、大御所の先生の2人から「昔は億を稼いでいた」という話を聞いたことがあります。

その先生は2人とも優秀な方ですが、四大事務所の出身ではありませんので、四大事務所所属の弁護士や、四大事務所出身の弁護士でなくても、1億円を超える収入を得る弁護士がいない訳ではありません。


ただ「億を稼いだ」と言っても、「収入」が1億を超えたという話であって、経費等を差し引いた「所得」の額が1億円を超えるかどうかは別の話です。

弁護士白書2015年版」によると、日本弁護士連合会が2014年に行った調査では、回答者3724人中のなかで、「年収」が1億円を超える弁護士は88人であり、「所得」が1億円を超える弁護士は7人であったとされています。
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2015/4-1_jissei_2015.pdf

サラリーマンの「年収1億」と自営業者の「年収1億」は意味合いが違うので注意が必要です。




また、現在は地方都市の人口は減っていますし、企業も減ってきていますので、今から1億円を超える収入を目指すのであれば、首都圏で激しい競争を勝ち抜いていく必要があると思います。



昔はアメリカに留学してアメリカのどこかの州の弁護士資格を取るということが流行っていましたが、「そういう時代ではなくなったよね」という先生も増えてきたような気がします。

四大事務所に入るという方法は弁護士として成功するための1つの手段であるとは思いますが、四大事務所のような大規模事務所に入れたとしても、同じ事務所で働き続けて1億円を超えるような収入を得られる人はごく一部に限られています。


また独立して1億円の収入を得るためには、時代の流れに乗っていく必要もあります。

例えば、過払いが多かった時期は、過払いに特化することで大きな収入を得た弁護士がいましたが(過払いに特化していなくても昔は年収6000万円を超えたという話を先輩から聞いたことがあります。うらやましい。。。)今では過払いに特化して安定した収入を得ることは困難です。

現在は交通事故事件に特化して収入を得ている弁護士も多いですが、最近では自動車の安全機能が進化して交通事故の件数が減ってきていますし、自動運転が発達すれば交通事故はほとんど無くなるかも知れません。

このように、一口に大きな収入を得ると言っても、どのような手法で、何を目指して収入を得るのかは、時代の流れを読みながら自分の頭で考えていく必要があると思います。



その他、弁護士の中には、弁護士をしながら投資をしたり、他の事業を立ち上げて、そこから多額の収入を得ているという人もいます。(他方で投資や事業に手を出して失敗をする弁護士も少なくないと聞きますが・・・)


このように考えていくと、弁護士で1億円以上の収入を得るためには、企業の経営者や投資家と同様にもの凄い努力をする必要があるので、単に「お金を稼ぎたい」という目的なのであれば、敢えて目標を弁護士に絞る必要はないのではないかと思います。

弁護士を目指す人は、どちらからというと「弁護士という仕事を通じて人や社会の役に立ちたい」という気持ちを持っている人が多いと思います。

それなりの収入を目指すとなれば、とんでもない激務やストレスを覚悟する必要がありますから、お金以外に「なぜこの仕事を選んだのか」という明確な理由がないと、結果を残しつつ続けていくこと難しいと思います。

ですから、それなりの収入を得たいというのであれば、自分がどういう形で他人や社会に貢献したいと思うのかを良く考えて、辛いことがあっても信念を持って続けられるような仕事を選ぶことが重要ではないかと思います。






ちなみに弁護士に限らず、仕事をしてお金を得た場合には所得税という税金がかかります。

ご存じだと思いますが所得税は累進課税で、「所得」が4000万円を超えると45%もの税金がかかります。

そして、住民税が10%なので、お金をいっぱい稼いだとしても、結局半分以上は税金で持っていかれます。




他方、株式投資等で得た収入については、日本では税率は約20%しかかかりません。

お金持ちになりたいのであれば、弁護士よりも投資のほうが効率が良いかも知れません。

アメリカの有名な投資家チャーリー・マンガーも元弁護士ですし。

★ISBN-10: 4822255360



ちなみに、最近ですと弁護士の福永活也さんという方が大きな収益を上げて本を出しているようです。

この方も昔は一般企業で働いていたようですので、私の話よりもずっと参考になるのではないかと思います。


★ISBN-10: 4295403156







以上、

・社会人経験のある人が30歳前後で弁護士になって億単位の収入を得ることは不可能ではないが、実力と努力と運次第

・収入だけに着目するのであれば、敢えて弁護士という職業に拘る必要はないと思います

というのが私の意見でした。


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