仕事を辞めて弁護士に転職しました

公務員として数年間働いていましたが、思い切って公務員を辞めて司法試験を受験し、現在は弁護士として働いています。 自分が受験生の時は情報が少なく相談できる人もいなかったため、色々と悩むことも多かったです。 公務員のこと、司法試験のことなどについて、受験生の方に参考になるかも知れないことを書いていけたらと思っています。 質問がある方はコメント欄に記載してもらえれば可能な範囲で回答したいと思います。回答まで時間がかかることが多々ありますがご容赦ください。

スクール東京出版の「司法試験・予備試験 短答 過去問集」について

質問をいただきましたのでお答えしたいと思います。

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管理人様

いつも拝見させていただいております。有益な情報をいただき、感謝しかありません。
1点質問がございます。
スクール東京出版の「司法試験・予備試験 短答 過去問集」は最近の改訂がないようなのですが、その場合でもこちらを利用したほうが良いのでしょうか。ご教授いただければ幸いです。
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ご指摘のとおりスクール東京出版の「司法試験・予備試験 短答 過去問集」は改訂が遅めなんですよね。

私が受験生の時も「もう改訂されないのかな・・・」と思っていると,忘れた頃に出版されていたりしますした。

スクール東京出版の「司法試験・予備試験 短答 過去問集」の「平成30年(2018年)単年版」はKindle版が2018年11月30日に,ペーパーバック版が2019年1月17日頃に出ているので,2019年度版はおそらく今年の11月末頃に出版されるのではないかと思います。

●平成30年(2018年)単年版 司法試験・予備試験 短答 過去問集(ISBN-10: 4905444306)


28年の体系別版はKindle版がまだ残っており,29年度以降は単年度版があるので,スクール東京の問題集を使うとすれば28年の体系別版を使いつつ,29年度以降は単年度版を使うか,あるいは29年,30年,31年の単年度版だけで終わらせてしまうかのどちらかになると思います。


ただ,今年は民法改正の問題があるので,私が今年の受験生であれば民法に関しては別の予備校の問題集を使うと思います。

●平成29年(2017年)単年版 司法試験・予備試験 短答 過去問集(ASIN: B074RJ7XTJ)

●平成28年(2016年)版 体系版 司法試験・予備試験 短答 過去問集(ASIN: B01N5N15LN)


スクール東京の単年度版を使うのは嫌だということであれば,辰巳法律研究所の「司法試験&予備試験短答過去問パーフェクト」か「肢別本」をおすすめします。

●ISBN-10: 4864663823

●ISBN-10: 4864664153

「司法試験&予備試験短答過去問パーフェクト」はだいたい10月初旬頃に出るので,最新の問題集を早めに入手したいのであればおすすめです。

「肢別本」は例年12月頃に出版されると思いますので,ちょっと出版が遅めです。


これまでお話しているとおり,「司法試験&予備試験短答過去問パーフェクト」は解説が詳細な分,解説を全部読んでいると回すのに時間がかかってしまうのがデメリットです。

適宜,解説を読み飛ばせたりする要領の良い人であれば合っていると思います。



「肢別本」は解説がシンプルで速く回せるのがメリットですが,一問一答という性質上,飽きやすいのと,肢を切る練習が出来ないので他の過去問集や答練で肢を切る訓練をする必要があるのがデメリットです。

単純作業が苦にならない人や,根性がある人にとっては,「肢別本」は極めて強力なツールです。

私は肢別本は何度も買いましたが,単純作業が苦手で根性もないので,結局一度も通読出来ませんでした。




スクール東京出版の問題集は,解説がシンプルという肢別本のようなメリットと,肢を切る練習もできるという「司法試験&予備試験短答過去問パーフェクト」のようなメリットがあるのが良いところです。

他方,ご指摘のとおり改訂が遅く,体系別版と単年度版を組み合わせなければいけない等のデメリットがありますので,それぞれのメリットとデメリットと,自分の必要とする能力や残された時間を考慮しつつ,どの問題集を使うか選ぶと良いと思います。




ある程度時間があって,自分の頭で考える訓練は他で出来るということであれば「司法試験&予備試験短答過去問パーフェクト」を使っても良いと思います。

時間に余裕がない場合には,「肢別本」やスクール東京出版の問題集など,解説がシンプルで速く回せる問題集を使ったほうがベターでしょう。

自分の頭で考える訓練をしたいという場合や,短答式の勉強で得た知識を論文式試験でも応用出来るようにしたいという場合であれば,やはりスクール東京出版の問題集がおすすめです。



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弁護士の労働時間(残業時間)について


質問をいただきましたので私見についてお答えしたいと思います。

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はじめまして。
いつもブログを拝見させていただいているものです。
いきなりで恐縮なのですが1つ質問させていただきます。

それは弁護士事務所の労働環境についてです。もちろん事務所の大きさ等によって変わるのは重々承知なのですが、一般的な弁護士の一週間、一月あたりの業務量(残業時間)はどれくらいなのでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、ご返答頂けますと幸いです。
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弁護士の労働時間(残業時間)についてですが,やはり法律事務所のスタイルや,弁護士の仕事に対する考え方によって変わってきます。


  • ●出勤・退勤の時間

私はだいたい9時頃に事務所に行き,夜の8時前後に事務所を出ています。

忙しい時期は夜10時頃まで働くこともありますが,逆に事件が落ち着いている時には午後6時ないし7時頃に家に帰ることもあります。


朝は裁判所の期日がだいたい10時頃から入ることが多いので,9時から10時の間頃に事務所に行く弁護士が多いように思います。

朝方の弁護士だと朝の7時頃に出勤して,期日前に書面を1通仕上げてしまう,なんて人もいます。


夜は事務所のスタイルによると思いますが,夜でないと連絡が取れない依頼者(昼間仕事をしていて夜でないと電話に出られない等)が多いと,必然的に帰りは遅くなります。

また,首都圏の忙しい事務所の就職したりすると,毎日午前0時頃まで働いて,土日のいずれかは事務所に行く,という弁護士も少なくないと思います。東京の事務所に就職した私の同期の多くは忙しそうですね。

他方,私の同期の中には,午後5時前にボス弁から「飲みに行くぞ」と言われて毎日飲みにつれて行ってもらっていた弁護士がいて,「羨ましいな」と思っていたのですが,間もなくその事務所を辞めてしまいましたね。収入が少なかったのかも知れません。


  • ●場所による違い

あくまでも私の同期や周りの弁護士の話ですが,一般的に東京のの弁護士は夜や土日も働いている弁護士が多いように思います。

他方,そこそこの地方都市では,18時とか19時という比較的早めに時間に帰る弁護士が多いような印象を受けます。

ただし,地方中の地方というような弁護士過疎地になると,抱えている事件が多くなって(自分以外に受ける人が少ないので仕事を断りにくい),忙しく働いている弁護士も少なからずいるように思います。



  • ●弁護士の考え方による違い

何時まで働くかはやはりボス弁や弁護士の考え方によっても変わってきます。

ワーカホリック的な仕事が趣味みたいな弁護士は夜も土日も事務所にいて何かしていますし(仕事をしているとは限らないけど),労働事件を扱う弁護士なのに自分は過労死ラインを超えて働いている,なんてこともあります。

また事務所に来た事件を上手く断れない人は労働時間が長くなりやすいと思います。



他方,せっかく自由業の弁護士になったのだからと言ってワークライフバランスを大事にしている弁護士もいますし,子供が小さいので早く帰らなければいけないという弁護士もいます。

珍しいですが,私の知っている弁護士の中には午前中は仕事はしないという弁護士や,おおむね週休3日にしている弁護士もいますね。

弁護士は医師と違って依頼があっても必ず受けなければならない訳ではなく,業務が多忙であれば断ることが出来ますので,そういった意味では仕事の量の調節がしやすい仕事です。


それから,弁護士によっては事務所にいると言っても仕事しているとは限らないです。

事務所に漫画を置いておいて仕事の合間に気分転換のために漫画を読んでいる弁護士もいますし,自分の机周りに高級なスピーカーを置いて音楽を楽しんでいる弁護士なんかもいます。


なので,弁護士の労働時間(残業時間)は本当に様々です。


裏を返せば,沢山働いて多めの収入を得るのか,ワークライフバランスを大事にしてそこそこの収入を得るのかという選択をしやすいという点は,弁護士の仕事の魅力だとと思います。

質問の答えになっているか分かりませんが,やはり弁護士の労働時間は様々だという結論でご容赦いただければと思います。



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伊藤塾のファーストトラックシリーズとステップアップシリーズ等の違いについて


質問をいただきましたので私見についてお答えしたいと思います。

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伊藤真新ステップアップシリーズはだいぶ古いようですが今でも使えますでしょうか?
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連投すいません
使えるならば伊藤真のファーストトラックシリーズとステップアップシリーズはどちらが良いでしょう
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まず「●「伊藤真新ステップアップシリーズ」と「伊藤真の○○入門」シリーズの違いについて」という記事の内容と若干かぶってしまう部分もあるので,そちらの記事も参考にしていただければと思います。

「ファーストトラックシリーズ」は「伊藤真の○○入門」をより詳しくしたような内容で,予備校本の幹の部分を分かりやすくまとめたような内容になっています。

他方「ステップアップシリーズ」は,主に論点(条文の解釈などが必要となる問題点)の考え方を中心に記載した内容で,「ファーストトラックシリーズ」よりも若干難易度が高めになっています。


整理すると


  • ●「伊藤真の○○入門」

⇒ 一番シンプルで分かりやすく,基本中の基本が記載されている。

何回か読めば十分で,司法試験の勉強の最後まで使える訳ではない。


  • ●「ファーストトラックシリーズ」

⇒ 「伊藤真の○○入門」よりも若干難易度が高めだが,初学者でも十分に読むことが出来る。

こちらも何回か読めば十分で,司法試験の勉強の最後まで使える訳ではない。



  • ●「ステップアップシリーズ」

⇒司法試験・予備試験で問われる可能性の高い基本的な論点を中心にシンプルな解説がなされているので,初学者には難易度が高め。使うのであれば,「伊藤真の○○入門」か「ファーストトラックシリーズ」を読んだ後のほうが良い。

また司法試験・予備試験の直前期の復習の際に,基本的知識に穴がないか確認するのにも使える。

(司法試験・予備試験で「ステップアップシリーズ」に書いてあるような知識に穴があると,論文式試験で大失敗をする可能性が大きいので。)

比較的古い本ですが,基本的な知識や基本的な論点にそれ程の変化はないので,基本書や予備校本と組み合わせれば今でも十分に使える本です。








という感じです。




  • ●まとめ

なので,全くの初学者であれば「伊藤真の○○入門」か「ファーストトラックシリーズ」をおすすめします。

入門書をすでにマスターした人や,論文式試験の問題集などを回していて論点をきちんと理解したい人,司法試験・予備試験の直前期に基本的知識に穴がないか確認したい人,初学者だけど入門書を何冊も買いたくない人(最後まで使える本が欲しい人)には「ステップアップシリーズ」をおすすめします。



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