仕事を辞めて弁護士に転職しました

公務員として数年間働いていましたが、思い切って公務員を辞めて司法試験を受験し、現在は弁護士として働いています。 自分が受験生の時は情報が少なく相談できる人もいなかったため、色々と悩むことも多かったです。 公務員のこと、司法試験のことなどについて、受験生の方に参考になるかも知れないことを書いていけたらと思っています。 質問がある方はコメント欄に記載してもらえれば可能な範囲で回答したいと思います。回答まで時間がかかることが多々ありますがご容赦ください。

仕事を辞めて転職したい人におすすめの資格6:司法書士試験

「司法書士」試験も,社会人が転職のために受験するパターンが多い資格です。

それもそのはず。

仕事も魅力的ですし,試験も比較的受験しやすいからなんですよ。



■司法書士は主に「登記」に関する手続をする仕事


司法書士は主に「登記」に関する手続を代理して行っています。


「登記って何?」っていう人も多いと思います。

「登記」は不動産などの権利関係を公示するためのです。


と言っても分かりにくいと思いますので例を挙げてみましょう。

たとえば,AさんがBさんに土地を売ったとします。

Bさんは「やった。この土地は僕のものだ。」と喜んでいたら,Aさんが同じ土地をCさんにも売ってしまったとします。

AさんがBさんとCさんに二重に土地を売ってしまった状態ですね。

こうなるとBさんとCさんの間で「この土地は僕のものだ!」という喧嘩になります。

こんな時に便利なのが登記です。

AさんがBさんに土地を売った時に,Bさんが「この土地はBのものです」という「登記」をして公示おくと,その後にAさんがCさんに土地を売っても,BさんはCさんに「この土地は僕(B)のものです」と言えるんですね。

なぜなら,Bさんがきちんと「登記」で「この土地は僕のものですよ」と公示をしていたのに,それを確認しないで同じ土地を買ったCさんが悪いからです。

ですから,不動産の売買では「登記」は非常に大事なんです。


また不動産の売買だけでなく,不動産に抵当権(担保)を付ける時にも「登記」をしますし,会社を作ったり会社の役員が替わった時なんかにも「登記」をしたりします。


ただ,この「登記」の手続が面倒くさいんですよ。

そこで頼りになるのが「司法書士」です。

「司法書士」の先生は,面倒くさい「登記」という手続を代わりにやってくれるんですね。

私たち弁護士も「登記」の業務はできることになっているのですが,普段から登記業務をやっているプロの司法書士の先生には太刀打ちできません。

ですから,弁護士も「登記」をしなければならない時は,司法書士の先生にお願いをすることが多いです。


ちょっと話が長くなりましたが,司法書士が行う「登記」というのはとても大事な業務ですし,需要がある仕事なんです。




■司法書士は簡易裁判所で訴訟(裁判)の代理人にもなれる


司法書士の仕事は「登記」だけではありません。

司法書士は必要な認定を受けることで,法律の専門家として簡易裁判所の裁判で代理人として,弁護士と同じような仕事ができるんですね。

簡易裁判所は訴額(裁判の対象となるお金や物の価格)が140万円未満の事件を取り扱っています。

ですから,問題となっているお金や物の価格が140万円未満でれあれば,司法書士も弁護士と同じような仕事ができるんです。


また相続の際に遺産分割に関する書類を作成することもあったり,法律の専門家として法律相談を受けることも少なくありません。

まさに司法書士は気軽に相談をできる「町の法律家」です。


司法書士の仕事内容をより詳しく知りたい人は「司法書士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本」という本を読んでみることをおすすめします。

●ISBN-10: 4798035866


■司法書士試験は働きながら合格する人が多い


司法書士試験は,社会人になった後に転職のために受験する人が多い資格であるというお話をしましたが,それは司法試験などに比べると社会人も受験しやすいからなんですよね。


弁護士になるための「司法」試験(≠「司法書士」試験)を受験するためには,法科大学院を卒業するか,予備試験に合格する必要があります。

法科大学院を卒業するためには会社を休職するか辞めるかしなければなりませんし,予備試験経由で司法試験に合格するためみは,予備試験と司法試験の両方の試験に合格する必要があるのでハードルは高めです。


他方,司法書士試験は受験資格の制限はなく,だれでも受験可能です。

しかも試験は筆記試験1日,口述試験1日の合計2日間だけですから,社会人にとっては受験しやすい試験なんです。


とは言っても司法書士試験の合格率は2%~3%程度で,簡単な試験ではありません。

そこで,次回は司法書士試験の勉強方法についてお話をしたいと思います。

●ISBN-10: 4798035866

仕事を辞めて転職したい人におすすめの資格5:公認会計士試験

前回,「税理士」資格について説明をしましたが,税理士と関連のある資格とし
て「公認会計士」という資格があります。



■「公認会計士」は主に大企業の「監査」を行う


「税理士」は,基本的に依頼者の代わりに税務署に提出する申告書類などを作ったり,税に関する相談に乗ったりする仕事をしますが,「公認会計士」は主に大企業の「監査」を行います。


「監査」の仕事については東芝のニュースを思い出してもらえると分かりやすいと思います。

平成27年に東芝が不正経理・粉飾決算をしていたことが判明して,東芝は経営危機に陥っています。

企業は毎年「決算書(財務諸表)」という書類を作らなければいけないんですよね。

決算書は金融機関が融資をしたり,投資家が投資をしたりする際に参考にするので,決算書の内容に嘘が書いてあると,周りにものすごい迷惑がかかるんですよ。

そこで不正経理や粉飾決算を防止するために,公認会計士の資格を持った人が集まった「監査法人」が「監査」という形でチェックをすることになっているんです。



そのため「税理士」が個人事業主や中小企業を相手に仕事をすることが多いのに対し,「公認会計士」は大企業を相手に仕事をすることが多いという違いがあります。



「公認会計士」は基本的に不正を防止するために「監査」をする仕事ですから,正義感がある人に向いています。

一般的なサラリーマンをしていると,会社の中で「これって方法としてマズイんじゃないの?」と思うことがあっても,クビになるのが怖くてなかなか言い出せない雰囲気があったりすることもあります。

実際,私も公務員時代に法律に抵触する運用について上司に何度も文句を言いましたが,「今までこれでやってからいいんだよ。黙ってやれ!」と怒られてしまったことがあります。

しかし,「公認会計士」は「正しいことをしましょう」と言ってお金をもらえるんですね!

なんて素晴らしい仕事!

公認会計士の仕事は責任も重く,大変なことも多いようですが,その分やり甲斐はありますので,曲がったことが嫌いな人には向いている仕事だと思います。


公認会計士の仕事の内容をより詳しく知りたい人は「公認会計士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本」という本を読んでみると良いと思いますよ。

●ISBN-10: 4798040657



■公認会計士の年収や勤務環境


以前は一時的に「公認会計士は就職難」と騒がれていましたが,最近では公認会計士の合格者数も元に戻ってきたこともあり,最近では監査法人も人手不足のようです。

そのため,監査法人に就職すると初任給で500万円から600万円も貰えることが多く,就職して数年で1000万前後の給与になる人も珍しくありません。


決算の時期には残業が多くなりますが,決算以外の時期は普通に有給休暇を取ることもできることが多く,子育てをしながら公認会計士の仕事を続けている女性も多いです。



このように,年収も勤務環境も比較的恵まれている「公認会計士」ですから,社会人になってから公認会計士の試験を受験して転職する人も少なくありません。

とはいっても,「公認会計士」の資格を取ることはそうそう簡単ではありません。


そこで,次回は「公認会計士試験」の勉強方法についてお話をしたいと思います。

●ISBN-10: 4798040657

仕事を辞めて転職したい人におすすめの資格4:税理士試験




■税理士になれば転職にも有利,独立もできる


「税理士」という職業は有名なので知らない人のほうが少ないんじゃないですかね。

「税理士」は,基本的に依頼者の代わりに税務署に提出する申告書類などを作ったり,税に関する相談に乗ったりする仕事をしています。

「税理士」の資格を取って企業に転職をして税務・会計の専門家として活躍している人もいますし,コンサルタントの仕事で大きく稼いでいるような人もいますので,仕事の幅は非常に広いんです。


独立をすれば年収数千万円も夢ではない資格ですので,社会人には人気の資格ですね。


税理士が普段どのような仕事をしているか知りたい人は「税理士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本」という本を読んでみることをおすすめします。

●ISBN-10: 4798046248



■税理士試験は働きながら取得しやすい資格でもある


税理士試験は難しい試験ですが,社会人にとっては取得しやすいように,他の試験とは違った配慮がなされています。

税理士試験は一気に全ての科目を受験する必要はないんですよ。

税理士試験をクリアするためには,合計5科目に合格する必要があるのですが,1回に5科目全てに合格する必要はありません。

たとえば,1年に1科目ずつ受験して,5年で5科目に合格すれば税理士試験に合格したことになるんです。

これは勉強時間を確保しにくい社会人にとっては大きなメリットです。



次回は税理士試験の具体的な勉強方法についてお話をしたいと思います。