以下の質問をいただきましたので回答したいと思います。

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いつも記事を見ているものです。
私は4月から市役所の職員になるのですが管理人様の記事で弁護士もいいなと思いました。
そこで、前職が市役所の弁護士は就職は不利なのでしょうか?
ぜひお願いします。
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結論から言うと,

・基本的に元公務員(市役所職員)だからと言って,それだけで弁護士としての就職が不利になる,ということはない

・ただし弁護士になる年齢が遅くなると,一部の大手事務所への就職は難しくなることがある

というのが私の見解です。


私が就職活動をしていた時期はいわゆる就職氷河期で,司法修習が終わる直前になっても就職が決まらないという修習生も結構の割合でいました。

しかし,私は幸いにも何件かの事務所からお声をかけていただき,かなり早い段階で内定をいただくことができました。

内定をもらった後も,修習生の同期から「君が元公務員だという話を聞いて,会ってみたいと言っている弁護士がいる。」という話をもらったりしていましたので,元公務員を採用したいというニーズは一定割合であるのだと思います。

たとえば,顧問先に自治体を抱えている法律事務所であれば「うちの事務所には元公務員がいるので内情も分かっています。」というアピールにもなると思いますし,自治体から相談を受けた時に事務所に公務員の内情を分かっている弁護士がいたほうが便利,ということもあると思います。

また,私の知り合いの弁護士の中には「社会経験のない新人は,ビジネスマナーのイロハから教えなければいけないので面倒。」「社会経験があってビジネスマナー等がしっかりしている人のほうが,即戦力になるので,できれば元社会人を採用したい。」という人もいます。

そのため,元公務員ということが,弁護士としての就職において有利に働く場面はあると思います。


他方,大手の事務所では,年齢の若い人を優先して採用するという事務所もあります。

弁護士の数が多い事務所の場合,30代ないし40代の弁護士を採用すると,20代の先輩弁護士が30代ないし40代の後輩弁護士を部下として使うことになって,やりづらい,という配慮があるのだと思います。

そのため,「元公務員であるか」という問題とは別に,社会人経験を経たために弁護士になる年齢が遅くなると,一部の大手事務所への就職は難しくなると思います。



弁護士業界は数年前までは買手市場で就職状況も厳しかったですが,去年あたりからは売手市場に転じていて,修習生の話を聞いていても,さほど苦労することなく就職先が決まっているようです。

したがって,就職先に強いこだわりがある訳でなければ,公務員から弁護士に転職をしたとしても,就職活動で困るということはないと思います。

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