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いつも参考にさせて頂いてます。論文の勉強法(戦略)についてご意見を賜りたく存じます。私は完全独学で学習をしておりますが,現在スケジュールリングに不安が残る状態に陥っています。そこでなんですが,今年の予備試験論文まで残り54日ほどではありますが,先生でしたら,この限られた期間の中でどのような学習計画を構築されますか。なお,現在の私のレベルは,論文受験生の真ん中程度です。また,一日のうち予備試験へ向けた学習時間を6時間ほど確保できます。具体的な教材を科目ごとに提示してくだされば非常に助かります。
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「●論文式試験問題集の使い方と勉強の進め方(スケジュール)について」という記事でも書きましたが,試験直前期は「あまり手を広げず,これまでやってきた勉強の復習や,基本的事項の確認を中心にする。」というのが王道の勉強方法だと思います。
焦って手を広げすぎたり,難しめの問題集に手を付け始めたりして,消化不良になって失敗する受験生が多いからです。
試験直前期に使える教材はいろいろとありますが,直前期に新しいツールに手を出すことはあまりおすすめしません。
自分が今まで使ってきた教材を使い続けるのが一番安全で効率が良いでしょう。
今まで使ってきたツールがどうしても使いづらいという場合には,後述の私が使っていたツールを参考にしてみてください。
勉強内容については,どの部分に弱点があるのかによると思います。
例えば,基本的な論点知識はある程度あるものの,論文式過去問への慣れが不十分であるという場合には,過去問を解いた後に「ぶんせき本」を読み,自分の書いた答案を上位答案を比較する,という勉強方法を多めに組み入れる必要があるでしょう。六法はもちろん最新版の「司法試験予備試験用六法」を使い,慣れておいてください。
他方,論文式過去問への慣れはあるものの,論点知識に穴がある,基本的な知識に不安があるという場合には,自分が今まで使ってきた問題集,基本書・予備校本,ノートなどを使って,基本的な知識・理解の復習に努めるべきです。
また,答練・模試の復習が十分に出来ていない場合には,きちんと復習をしておくべきです。答練・模試と同じような論点が出題された時に,他の受験生に差を付けられてしまうからです。
参考までに私が司法試験の直前期に論文式試験対策として行った勉強は概ね以下のとおりです。
・自分が作った論証用のノートを復習。
・自分の論証を作っていない論点については,辰巳法律研究所の「趣旨規範ハンドブック」を使って知識・理解に漏れがないか確認をしていく。重要論点について知識・理解が抜けていた場合には,頭に叩き込む。些末な論点について覚えきれない時には,条文の趣旨と,規範だけでも暗記しておく。
・答案作成方法について,自分が作ったノートや「趣旨規範ハンドブック」の「問題処理パターン」を読み,頭に叩き込んでおく。
・本番でやるべきこと・やっていはいけないことをまとめた自分のノートを読む。
・「伊藤真新ステップアップシリーズ」をざっと読み,知識・理解に不安がある論点・分野については徹底的に復習し,十分な論証を書けるように準備をしておく(本番では「ステップアップシリーズ」に書かれているような超基本的知識が合否を左右することが以外に多いからです。)。
・2日から3日に1回程度,過去問について答案作成をし,論文を作成する感覚が鈍らないようにしておく。
・「ぶんせき本」や過去問の出題趣旨を読み,合格答案のイメージトレーニングをする。
・辰巳法律研究所の「ハイローヤー」という雑誌の「論文試験直前期『ヤマ当て』」という特集や,模試の付録で付いてきた予想論点をチェックし,予想されている論点は徹底的に復習をしておく(公法系・刑事系は当たることが多いです。)。
以上が私が直前期に行ったことですが,たとえば今まで「趣旨規範ハンドブック」を使ったことがない人が,直前期に「趣旨規範ハンドブック」を初めて使うのが効率が良いかというと疑問があります。
先程お話したとおり,自分が使い慣れたツールがあれば,そちらを復習したほうが一般的には効率が良いです(初見のものを覚えるよりも,何回か見たことがあるものを覚えるほうが効率が良いからです)。
私は基本書・予備校本を「通読しない派」でしたので,直前期に基本書・予備校本を読み込むことはしませんでしたが,普段から基本書・予備校本を知識インプット用のツールとして読み込んでいる人は,基本書・予備校本を読むことが効率的な場合もあるでしょう。
それから学習とは直接的な関係ありませんが
・本番と同じスケージュールで朝起きるようにする。
・適度な運動をし,規則正しい生活・食事をして体調を崩さないようにする。
・昼食に何を食べるか,何を飲むか決めておき,実際に同じものを同じ時間に飲食してみて問題がないか確認しておく(私は本番でお腹を壊し地獄を見ました)。
試験直前は
・筆記用具がちゃんと書けるか確認しておく。2組ずつ用意しておく。
・本番で時計が動いているか確認する。2個用意しておく。(運悪く本番に電池切れというパターンがあります。)
・試験会場が遠い人はホテル・交通機関の予約を確認する。
ということが大事だと思います。


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はじから読むものではないようなので買う必要はありますか。
go!シリーズのはしがきでも、民法改正前の物でもあるにもかかわらず紹介されていた「伊藤誠の判例シリーズの民法」は買いましたが、これは改正前の物でもあまり関係なくつかえそうで良かったです。
憲法はアマゾンのレビューでも結構良いからオススメと買いてありました。
判例集はどこまで必要か少し考えてしまいます。