仕事を辞めて弁護士に転職しました

公務員として数年間働いていましたが、思い切って公務員を辞めて司法試験を受験し、現在は弁護士として働いています。 自分が受験生の時は情報が少なく相談できる人もいなかったため、色々と悩むことも多かったです。 公務員のこと、司法試験のことなどについて、受験生の方に参考になるかも知れないことを書いていけたらと思っています。 質問がある方はコメント欄に記載してもらえれば可能な範囲で回答したいと思います。回答まで時間がかかることが多々ありますがご容赦ください。

2020年10月

論文式試験が終わった後の過ごし方について

質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います。

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論文試験が終わりました。
このところ仕事が忙しくて、金曜は9時まで残業があり、昨日は昼休みの間ずっと電話と携帯メールで職場とやりとりするという状況でしたが、何とか全科目受験することができました。
さて、試験の方ですが、やはり時間が足りないことを痛感しました。綺麗な字を書くことを諦めてかなり汚い字で書き殴りましたが、それでも時間内に答案を書き切るのがやっと、という感じでした。その上、商法と民法では書くべき論点が全く分からない問いがあり、特に商法は後半の設問はほぼ白紙のような答案になってしまいました。
それでも全科目受験できて、論文の採点をしてもらえるということだけでも、約1年間(最後の4ヶ月は仕事の関係でほとんど勉強できなかったものの)それなりに一生懸命勉強してきた甲斐があったと、満足しています。
最後に一つだけ質問させて下さい。
さすがに論文試験に通っているとは思えないのですが、これから1月中旬の合格発表まで、どのように過ごしたらいいか教えて下さい。
具体的には、今から合格発表まで、試験のことは忘れて一切勉強から離れてもいいものか(万一受かっていても、2週間の準備で口述試験は何とかなるものなのか)、今から何かしら準備をしないと口述試験は通らないものか、仮にそうであれば、どんな準備をどのくらいすればいいのか、ご経験を踏まえてアドバイスをいただけたら、と思います。仕事は引き続き多忙ではありますが、週末のうち1日は休めるというのが最近のペースです。
よろしくお願い致します。
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論文試験おつかれさまでした。


私が受験生の時はまだ予備試験がなく、私自身は予備試験は経験していないので、そのことを踏まえた回答であることをご了承ください。


論文試験が終わった後の時間の過ごし方ですが、予備試験の場合には、論文試験が終わった後も勉強を継続する受験生が多いと思います。

予備試験の場合には、論文試験が終わっても合格すれば口述試験を受験しなければならない訳ですし、口述試験に合格すれば、翌年の5月には司法試験を受験することになるからです。

また、残念ながら予備試験に不合格になった場合にも、次の年もまた予備試験を受験することになる訳ですから、勉強を継続する受験生が多いと思います。


  • ●口述試験について

ちなみに、過去3年間の予備試験の口述試験の合格率は、以下のとおりです。

令和元年 96.3%(受験者数494人、合格者数476人)

平成30年 94.9%(受験者数456人、合格者数433人)

平成29年 94.6%(受験者数469人、合格者数444人)


予備試験の口述試験の合格率は95%前後ですので、一見すると簡単な試験に感じるかも知れませんが、予備試験の口述試験の受験生は、短答式試験と論文式試験をくぐり抜けてきた猛者ばかりですので、その猛者の中で約5%が落ちる試験であると考えると、決して簡単な試験ではないと思います。

予備試験の口述試験で出題された具体的な問題は公開されていませんが、法務省のホームページで「予備試験口述試験における問題のテーマ」を閲覧することができます。


たとえば、令和元年度の口述試験のテーマは以下のとおりです。

民事

1日目
賃貸借契約の終了等に基づく不動産明渡請求事案における実体法ないし攻撃防御方法に関する諸問題,
民事保全,
弁護士倫理上の諸問題

2日目
所有権に基づく不動産明渡請求訴訟における攻撃防御方法に関する諸問題,
民事保全,立証方法,訴訟手続,
弁護士倫理上の諸問題


刑事
1日目
遺棄罪,身分犯と共犯,不作為犯,
公判前整理手続,証人尋問

2日目
同時傷害の特例に関する諸問題(要件,適用範囲等),
承継的共同正犯,
訴因変更


こうして見ると、論文式試験で問われるような主要なテーマだけでなく、「民事保全」「公判前整理手続」「証人尋問」といった短答式試験で問われることがあるような比較的細かい手続的なテーマも出題されるので、それなりに準備が必要だと思います。



  • 論文式試験が終わった後の過ごし方

もし私が予備試験の受験生であればですが、民法、要件事実、刑法を中心に勉強を継続すると思います。

これは予備試験の口述試験の過去のテーマを見ると、毎年、要件事実がからむ民法上の主要論点や、刑法の知識が問われていますし、他の受験生も時間をかけて勉強することが多い民法、要件事実、刑法に関する知識・理解の差で合否が決まる可能性が高いと思われるからです。

要件事実については、他の記事でも書きましたが、予備試験・司法試験レベルでは、「新問題研究要件事実」「紛争類型別の要件事実―民事訴訟における攻撃防御の構造」の2冊を抑えておけば十分です。(司法修習や二回試験もこの2冊を抑えておけば十分に対応できます。)

厚い本を使って消化不良になるよりも、この薄い2冊をきちんとマスターして、後はこの本で学んだことを試験本番で応用しながら対応するほうが効率が良いはずです。

口述試験の過去のテーマを見ても、ほぼこの2冊に書いてある論点が出されていると思います。

●ISBN-10 : 486684048X

●ISBN-10 : 4908108226



執行・保全、刑事訴訟法の手続に不安があれば、それに関する本をざっくりと読んでおくと思います。

執行・保全は他の受験生も苦手であることが多く、基本的なことさえ分かっていれば良いので、薄めの本で十分です。

個人的には「基礎からわかる民事執行法・民事保全法」か有斐閣アルマの「民事執行・保全法」が良いと思います。

●ISBN-10 : 4335354754

●ISBN-13 : 978-4641220850



刑事訴訟手続については、司法研修所の「刑事第一審公判手続の概要」が薄くて使いやすいと思います。

●ISBN-10 : 4908108447

刑事訴訟手続に関しては、この本に書いていないことが聞かれる可能性は低いと思いますし、仮にこの本に書いていないことが聞かれたとしても、他の受験生も分からない人が多いと思うので、あまり差はつかないと思います。



また、予備試験の論文式試験に合格している可能性があると感じた場合には、予備校の口述試験も受けたおいたほうがベターだと思います。

口述試験に限りませんが、模試を受けておいたほうが、落ち着いて本番を受けられる可能性が高くなりますし、模試と似たような問題が出題される可能性もあるからです。



なお、「商法と民法では書くべき論点が全く分からない問いがあり、特に商法は後半の設問はほぼ白紙のような答案になってしまいました」とのことですが、私も法科大学院の入学試験で商法の2問目の問題がほとんど分からず5行くらい書いて終わってしまったのですが、それでも合格していました。

論文試験の合格発表から口述試験までの期間は短いので、「どうせ不合格だろう」と思っていて何も対策をしていないと、予想外に合格の通知を受けた時に慌てることになるかも知れません。



  • ●再現答案の作成

それから、論文試験が終わってからできるだけ早い時期に、論文試験の再現答案を作っておくことを強くお勧めします。

論文試験の再現答案を作っておけば、論文試験に不合格となってしまった場合でも、次の試験に向けた方針を立てやすくなるからです。

論文試験で何度も不合格になる人の中には、再現答案を作っていない人が結構いますが、非常にもったいないと思います。

予備校の講師や合格者に「なぜ論文試験に落ちてしまったのか?」とか「これからどんな勉強をしたら良いか?」という相談をする時にも、論文試験の再現答案があったほうが具体的なアドバイスがしやすいです。

また、自分の中で勉強の方針を立てる時にも、論文試験の再現答案と、合格者の再現答案を比較することで、自分の弱い部分を見つけやすくなり、より効率的な勉強方針を立てやすくなるので、合格に近付きやすくなります。




  • ●勉強を継続した人と継続しなかった人の違いなど

最後に蛇足ですが、私の同級生や先輩の中には、司法試験を初めて受験した年に、短答式試験で不合格になった人と、論文式試験で不合格になった人がいるのですが、

(ア)短答式試験の不合格の通知を受けてすぐに(6月から)受験勉強を再開した人と

(イ)短答式試験に合格はしたものの、最終の合格発表まで勉強をしておらず、論文式試験で不合格になったことが分かった後に(9月から)受験勉強を再開した人

の2つを比べると、次の年は(ア)のほうが、合格する人が多かったような気がします。(正確にデータをとった訳ではないですが。)


1年目の受験時の能力で比較すると、短答式試験に合格した(イ)の人のほうが能力が高く合格に近いはずなのですが、6月から9月のたった3ヶ月間の間に、短答式試験で不合格になった(ア)の人が、短答式試験に合格した(イ)の人を追い越したのだと思います。

(あるいは、短答式試験で不合格になったために、死に物狂いで勉強したというのもあるのかも知れません。)

お仕事で忙しいとは思いますが、これから1月中旬までは2ヶ月半程度ありますので、その間、全く勉強をしないとなると、勉強を続けている他の受験生に差を付けられてしまうということになると思います。


なので、個人的には少しずつでも勉強を継続されたほうがよいのではないかと思います。


またご不明な点がありましたら質問してください。


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論文式試験本番での時間配分の管理方法について

質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います。
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いよいよ試験まであと1週間ですが、あれからますます仕事が忙しくなり、先週も今日も週末に仕事が入ってしまいました。
この1ヶ月で伊藤塾の予備試験論文問題集をザッと読み、ハイローヤー のヤマ当て部分を基本書と100選で復習するのがやっとで、一昨日から1日1問ずつ過去問に挑戦しています。
実際に時間を計って書いてみると、時間が足りないのと、綺麗な字で書くだけで大変だということが今更ながらわかりました。
切羽詰まったタイミングでの質問なのですが、論文試験本番での時間配分のマネージメントで、何かアドバイスがあればお願いします。
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  • ●論文式試験本番での時間配分の管理方法について

私が司法試験の受験生だった時に論文式試験で気をつけるべき事項をまとめたノートみたいなものがありましたので、その中から時間配分に関する注意事項の部分を抜き出して説明したいと思います。



  • ○意識について

まず、論文試験に対する意識として完璧主義はある程度捨てて、完璧な答案でなくて良いので、とにかく時間内に書ききるということを意識することが大事だと思います。

完璧な答案を書ける受験生はいませんし、時間内に書ききれなかったり、実質的途中答案になると、それだけで不合格の確率が高まるからです。


  • ○時間設定について

論文試験が開始した時点で、それぞれの設問ごとに、答案の枚数と時間を決めて、それを守るようにしたほうがよいです。

あらかじめ、書く量と時間を決めておかないと、1つの設問に時間を使い過ぎてしまって、途中答案になってしまう可能性が高くなるからです。

決めた枚数と時間は、問題文の設問の横あたりか、答案構成用紙に書いておき、いつでも確認できるようにしておくと良いでしょう。

また、時間設定をする時に、最後の見直し時間として5分程度余るようにしておくと良いと思います。

5分程度余裕を持っておくことで途中答案になるリスクを減らせますし、実際に5分程度の時間が余った際には、条文の記載漏れや、重大な書き落とし等がないか等、見直しの時間として使えば良いからです。



  • ○答案構成

答案構成の時間は人によって違うと思いますたが、私は基本的に試験時間の25%(4分の1)程度を目安として、多くても試験時間の33%(3分の1)以内に収めるようにしていました。

答案構成の時間が試験時間の3分の1を超えると途中答案になる可能性が高くなると思います。

答案構成の際に、自分の知らない箇所や、未知の問題に時間をあまりかけすぎないようにしたほうが良いです。

自分の知らない箇所や未知の問題は他の受験生も知らない可能性あり、時間をかけてもそれほど差がつかないことも少なくないですし、分からない問題にいたずらに時間をかけるよりも基本的な部分をきちんと書いたほうが点数は上がりやすいからです。



  • ○実際の答案の作成

実際に答案を書き始めた後、予め設定した時間を過ぎても次の設問に移れていない場合、当初の予定から端折る個所を即座に決定して端折りながら答案を書き、できるだけ早くに次の設問に移れるようにしたほうが良いと思います。

ミスを取り返そうとするよりも、ミスを認めた上で被害を最小限度にするための方法を考えて、途中答案を避けるようにすることが大事です。


  • ○途中答案になる理由

以下は私自身が受験生時代に途中答案になった際の理由を分析したものです。


・原因①:余計なことまで答案構成用紙に書いてしまう。

答案構成は最低限のメモ程度にとどめておくという意識が大事です。

あてはめに必要な事実は答案構成用紙に書き写すのではなく、蛍光ペンなどで線を引いておいて、答案構成用紙には「ピンク(の蛍光ペンで線を引いた部分)」「緑(の蛍光ペンで線を引いた部分)」などと書いておくと時間の節約になります。


・原因②:問題の処理方法が頭に入っていない

問題の処理方法を頭に叩きこんでおかないと試験本番で「次は何をするんだっけ・・・」と考えて時間がかかってしまいますので、問題の処理方法は頭にきちんと入れておくことが大事です。

自分が使ってきた問題集で処理方法を整理したり、自分で作ったノートがあればそういったものを使って本番で処理方法で迷わないようにしておいたほうが良いです。


・原因③:基本的な知識・理解が不足しているために、答案構成で悩む

これはすぐに解決する問題ではありませんが、やはり基本的な知識・理解が欠けていると、答案構成で悩む場面が多くなり、時間がかかりやすくなります。

この問題を解決するためには、基本的な知識・理解(伊藤塾の論文問題集でAランク以上の問題)をインプットするしかありません。


・原因④:短い論証を暗記していない・書けない

論証を常に自分の頭で考えて書いていると論証が長くなったり時間がかかりがちです。

基本的な論点(伊藤塾の論文問題集でAランク以上の問題に出てくるような論点)の論証は、可能な限りすらすらと書けるように準備しておくことが大事です。



・原因⑤:コンパクトなあてはめができない

これもなかなか一朝一夕で解決する問題ではないのですが、あてはめも工夫によって短くすることができます。

例えば「事実①を書いて評価する。事実②を書いて評価する。事実③を書いて評価する。」というよりも、「事実①②③を書いて評価する」としたほうが、短くできます。

事実をまとめて評価して良いかどうかはその事実によるのですが、まとめて評価してよい事実の固まりについては、まとめて評価するようにしたほうが途中答案のリスクは小さくなります。


・原因⑥:丁寧に書こうとする意識が強すぎる


論文式試験で丁寧に論述しようとすることは大事ですが、丁寧に書きすぎてしまって途中答案になると、それだけで不合格のリスクが高くなってしまいます。

「途中答案にならない利益」>>>「丁寧に書く利益」

なので、時間がないと思ったら丁寧に書くことを「あきらめる」ことも大事です。

時間が無くなった場合には、適宜文章を短くして、重要だと思った部分に絞って書くと良いです。



  • ●論文式試験では綺麗な字で書く必要はないこと

ご質問の中に「綺麗な字で書くだけで大変」という話がありましたが、司法試験や予備試験は字の綺麗さを争う試験ではないので、綺麗に書く必要はありません。

綺麗に書くよりも「読める(判別できる)」字を書くことが大事です。

子供のような汚い字で書いても、判別できれば落とされるということはないと思います。

私自身は司法試験の答案の字はかなり「汚い」字で書いていましたが無事に合格しましたし、ゼミの仲間もみんな字は綺麗ではありませんでしたが合格しています。

綺麗に書くという意識よりも、字は多少崩れても良いから頭の中にあることをそのままとにかく速く書く、という意識のほうが大事ではないかと思います。



それから、論文試験は長丁場なので、字を書く時にはあまり力を入れすぎて書くと最後のほうで握力が無くなって字が速く書けなくなることがあります。

なので論文試験で字を書くときは少し力を抜くくらいのイメージで書くと良いのではないかと思います。




またご不明な点がありましたら質問してください。


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入門書を読んだ後の論文式問題集の使い方等について

質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います。
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こんばんは。こちらのブログを元に勉強を始めたものの、早速躓いております。
入門書を読んで論文問題集をやるという方法はとても理に適ってますし、最短距離だろうなと納得の上で勉強を進めているのですが、入門書→論文問題集のギャップにめまいがしています。
まるで算数の手引きから、いきなり模試とか大学入試問題の解説を読んでるような気分になりました。(私のような質問がなかったので、多くの方は優秀なのかも知れませんね…笑)
読んでて全く意味が分からないわけじゃ無いのですが、自分はこんな美しい文章書けない…よく思いついたな…とかそんなことばかり思ってしまいます。
今後よく続けていれば、いつか分かるようになるもんでしょうか?
アドバイスをよろしくお願い致します。
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  • ○論文式問題集の使い方など

入門書を読んだ後に論文式問題集を見て、最初のうちは「意味が分からない・・・」という状態になるのは普通のことだと思います。

私も最初に論文式問題集を読んだ時は「分からない・・・もう嫌・・・」と思うことが山ほどありました。

法律の学習は、語学の勉強に少し似ている部分があります。

ロースクールに入った後に、教授に「法律の勉強は、法律村の住民が使う独特の言語を学習するようなものである」ということを言われて、「なるほど」と思ったことがあります。

言葉を知らない赤ちゃんは親などが言った言葉を真似しているうちに少しずつ言葉を覚えていきますし、日本人が外国語を学習する時も最初は意味が良く分からなくても何度も書いたり言葉に出したりしているうちに、次第に言語が扱えるようになっていきます。

入門書を読んだ時点では、法律の独特の言い回しなどに触れている量が少ないので、問題集の設問や参考答案を見て、面食らうというのは当然のことです。


では、論文式問題集をどのようにこなしていけば良いかということですが、「●司法試験の勉強方法,おすすめの参考書や問題集(総論)」などの記事でも書いたとおり

(1)論文式問題集の参考答案を何度も読んだり、書き写したりして、独特の言い回しに慣れ、似たような文章を書けるようにする。(ただし、全く同じ文章が書ける必要はなく、内容が同じようなものであれば、表現や言い回しが違っていてもOK。時間がなければ取りあえず「A」ランク以上の問題のみでOK。)

(2)論文式問題集を読んで分からないところが出てきた時は、「基本書」や「予備校本」(必要があれば判例集も)で該当箇所を探して、該当箇所を読んでみる。

基本的には、この2つです。


おそらく、この(1)と(2)の作業を地道に繰り返していけば、論文式問題集の参考答案と同じような文章が書けるようになるはずですし、論文式問題集と同様の論点が違う角度・視点から問われた時にも臨機応変に対応できる能力が身につくと思います。



私はロースクールに入る前は仕事をしていてあまり時間が無かったので、最初のうちは、基本的に上記の(1)の作業を繰り返し、取りあえず「似たような文章が書けるようになる」という状態を目指しました。

完璧に「似たような文章が書ける」という状態になるのはなかなか難しく、合格者の中でも参考答案と同じレベルの答案を書ける人は少ないので完璧を目指す必要ありません。

ただ、「似たような文章が書ける」ようになるための努力をすることが大事だと思います。


参考答案と似たような文書が書けるように努力をしていると(完璧に同じような文章を書けるようにならなくても)、「基本書」や「予備校本」に書いてあることも理解しやすくなってきます。

ある有名な司法試験予備校の講師が「理解とは頭の中に入っている(暗記している)複数の事柄を結びつけることだから、暗記していないことを理解することは難しい」ということを言っていていました。

私はこの講師の先生が言っていることはある意味正しいと思っていて、頭の中に残っている法律的なフレーズが多いと、予備校本や基本書に書いてあることも理解しやすくなります。




私はロースクールに入った後に、論文式問題集を読んで分からない部分や、ロースクールの授業で分からないところがあった時に、「基本書」や「予備校本」の該当箇所を読んで、理解を深めるようにしました。

漫然と「基本書」や「予備校本」を通読するよりも、論文式問題集を読んで分からない部分に絞って「基本書」や「予備校本」を読むことで、「何故なんだろう?」という問題意識を持って読むことができますので、読んだ内容が記憶に残りやすくなります。

そうすると、それまでただの「フレーズ」だった参考答案の文章が、「意味のあるもの」に変わってきて、文章を丸暗記しなくても、次第に自分の頭で考えて論点の問題点や理由付けの文章を書けるようになっていくと思います。




  • ○各作業のバランスについて

前記の「(1)参考答案と似たような文章を書けるよう努力する」という作業と、「(2)分からないところを「基本書」や「予備校本」で調べて理解を深める」という作業のバランス・順序は、ご自身がどれだけの勉強時間を確保できるかや、暗記が得意か・苦痛に感じるタイプか、によって判断されたほうが良いと思います。

一般的には、最初のうちは「(1)参考答案と似たような文章を書けるよう努力する」という作業を主に行って、次第に「(2)分からないところを「基本書」や「予備校本」で調べて理解を深める」という作業を増やしていったほうが、効率は良いと思います。

ただ、この順番が合わない人は、最初から「(2)分からないところを「基本書」や「予備校本」で調べて理解を深める」という作業をメインで行うのもアリだと思います。

私は社会人時代は時間がなかったので、「(1)参考答案と似たような文章を書けるようにする」という作業に専念し理解は後回しにしたのですが、暗記は得意ではなかったので苦痛でした。

実際にロースクール入試を受験した時点で、「参考答案と似たような文章を書けるようになった」問題は、各科目10個あるかないか、くらいだったと思います。

ただし、参考答案と似たような文章を書けるよう努力をしていたおかげで、問題文を見て「この手の問題はこの条文が問題になっていたような気がする・・・」とか、「確かこんな論点があったな・・・」というような感じで、参考答案と同じような答案を書けなくても、合格ラインギリギリ程度の答案はなんとか書けるようになっていたと思います。


その後、ロースクールに入った後に「(2)分からないところを「基本書」や「予備校本」で調べて理解を深める」という作業を始めたとおろ、暗記しなければならない文章の量が少しずつ減っていき、自分の頭で考えて書ける部分が増えていったので、勉強が少し楽になったと思います。


なお、中堅程度(司法試験の合格率が平均程度)のロースクールの入試であれば、参考答案の解答例を暗記できる根性があれば、多少理解が不足していても合格できるパターンは多いと思います。

予備試験・司法試験の本番の論文式試験は、暗記だけで乗り越えられる程甘くはなく「理解」が試される試験ですので、「(2)分からないところを「基本書」や「予備校本」で調べて理解を深める」という作業を怠っていると、予備試験・司法試験の本番で大怪我をする可能性が高いと思います。



  • ○文章の書き方のコツについて

ご質問の中に「自分はこんな美しい文章書けない」という話がありましたが、論文試験の答案の書き方には「作法」みたいなものがあって、基本的にはその作法に従えば、参考答案と似たような文章が書けるようになります。

司法試験の答案を書くためには、センスや才能は全く不要です。

書き方を知ることと、実際に何度も書いて慣れれば、誰でも書けるようになるはずです。


私が主におすすめしている「伊藤塾試験対策問題集」の「はしがき」の「答案例について」という部分には、司法試験の論文試験の答案の書き方が丁寧に解説されています。

問題提起の書き方、原則論の書き方、理由付けの書き方、規範の立て方、あてはめの仕方・・・と、一通り解説されていますので、答案の書き方が分からない場合には、この「はしがき」の「答案例について」という部分を何度も読んでみると良いです。

私もこの「はしがき」の部分は何度も読み込みました。

答案の書き方の基本が分かると、参考答案と同じような文章が書きやすくなると思います。




その他、とても古い本ですが、司法試験の答案の書き方に悩んでいる人は、柴田孝之先生の「司法試験合格論文機械的作成法」もおすすめです。

旧司法試験用の古い本ですが、この本で書かれていることは新司法試験でもあてはまる部分が多いです。

私は社会人の時の昼休みや就業時間前などに、この本を何回か読んでいました。

答案に何を書けば良いのか、ロジカルに説明されているので、直感よりも理屈で理解した人には分かりやすいと思います。

(絶版になっているようですがAmazonなどで古本がまだあるようです。)

●ISBN-10 : 4534033818


「そんな古い本ではなく、もっと新しい本が良い」という方は、本屋に「司法試験論文試験答案の書き方」みたいな本がいくつもあると思いますので、何冊か立ち読みしてみて、自分に合っていそうなものを1冊買って読んでみるのも良いと思います。



  • ○論文式試験問題集から勉強をする方法がどうしても合わない場合には

私は早い段階から論文式試験問題集を読むことをおすすめしていますが、これは少ない勉強時間での合格を目指すための方法なので、決して楽な方法という訳ではないですし、苦痛を感じることもあると思います。

早い段階から論文式試験問題集を読むという作業がどうしても合わないという場合には、予備校の講座などを利用して、授業を受けたり、予備校のスケジュールをペースメーカーにして勉強を進めていくという方法を検討するのも良いと思います。

どの勉強方法が良いかは人によっても異なりますし、自分にとってどの勉強方法が良いか常に考えながら勉強を進めていくことが大事ですので、私がおすすめしている勉強方法が合わないという場合には、色々な人の合格体験記を読んだりして、他の勉強方法を試してみるのも良いと思います。



  • ○論文式試験の過去問に早めに取り組むことについて

私は「●司法試験の勉強方法,おすすめの参考書や問題集(総論)」という記事などで、論文式試験の過去問に早めに取り組むことをおすすめしています。

おそらく、論文式試験の問題集を回した後に、過去問を解こうとすると「こんなの難しくて解ける訳がない・・・」と、また「面食らう」と思います。

受験生の中には「まだ実力が足りないんだ」と考えて、論文式試験の過去問を後回しにしてしまう人がいますが、そういう人は合格の時期が遅くなりがちです。

最初のうちは、基本書や予備校本を見ながら解いても良いですし、制限時間をオーバーしても良いので、できるだけ早く過去問には触れておいたほうが良いです。

過去問も、難しいと思いながらも、何度も解く努力を繰り返して、優秀答案や出題趣旨などを読んだり、分からない部分を予備校本や基本書で調べているうちに、解き方のコツやパターンが少しずつ身についていきます。

論文式試験の問題集も過去問も最初のうちは「難しい」と感じると思いますが、司法試験や予備試験の本番に近い素材に出来るだけ早い段階から触れることが合格の近道ですから、臆することなく出来るだけ早い段階で挑戦して欲しいと思います。




またご不明な点がありましたら質問してください。


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社会人の司法試験・予備試験の勉強の進め方・休職などについて

質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います。

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今後の勉強の進め方について悩んでおりコメントをしています、もし可能であればご意見を頂ければ幸いです。(コメントする場所を誤っておりましたら、すみません。)
30歳になったことを機にスキルアップしたいと考え、35歳までに司法試験突破を目指して今年の1月より、このブログを参考にしながら勉強しています。

現在、伊藤塾入門書を2回読み、伊藤塾論文問題(ランクA、B+)をまず、写経し、論点等を自分なりに理解し(適宜、ステップアップシリーズを確認しています。)、再度解いてみるという勉強をしており、刑法、民法、民訴法、会社法、憲法を一周して刑法の2周目をしております。合わせて、肢別本アプリの刑法×2周済、民法2周目をしています。
今後の勉強の進め方で悩む理由として、勉強時間が仕事の昼休憩に50分、帰宅後家事育児を終え80分程で、週に15時間程度しか勉強ができない状況となっています。(出勤、退勤時に論文問題を解きながら論点をまとめたテキストの読み上げデータを聞くなどもしています。)
このペースで勉強すると、覚えるスピードより忘れていくスピードが早く、5年後の合格は厳しいように感じています。

そこで、以下の2案を検討しています。
①勉強時間確保のため、修学を理由に部分休業(週の半分仕事を休む)2年と休業1年を取得し、ロースクールの既修に入学する。
②勉強効率をあげるため、予備校に通い(資格スクエアを検討中)、予備試験を受ける

ロースクールは、司法試験とは、関係の薄い勉強も多いとの話も聞くため、効率や金銭面でメリットが大きい②がよいのか、それとも、合格のためにも勉強時間重視で①を選択すべきなのか悩んでおります。
①が堅実な気がしますが、休業に伴う金銭面、試験と関係の薄い時間に勉強を割く必要があること、定期試験と家庭今日両立の不安から②に気持ちが傾いております。
長文になってしまい申し訳ありません。
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家事育児をされているということはご結婚をされていて、お子さんもいらっしゃるということでしょうか。

どの方法が良いかは、配偶者(夫又は妻)の協力をどれだけ得られるか、配偶者の仕事の有無・内容、預貯金がどのくらいあるか、お子さんが何人いらっしゃるか等によっても異なるかと思います。


①の「勉強時間確保のため、修学を理由に部分休業(週の半分仕事を休む)2年と休業1年を取得し、ロースクールの既修に入学する」という方法については、「部分休業」という点と、ロースクールに合計3年通うことを予定されている点が気になりした。

ロースクールは学校にもよりますが、課題が大量に出されるところが多いですし、定期試験の準備なども必要なので、「部分休業」でロースクールの課題や定期試験をこなしつつ、司法試験の準備も平行して進めるのは結構大変だと思います。

昼間仕事をしながら夜間にロースクールに通って司法試験に合格した人もいるので、部分休業でロースクールに通いつつ、司法試験に合格できる可能性は十分にあると思いますが、体力や精神力に自信がある人でないと、途中で心が折れてしまう可能性があるように思われます。(私の場合は根性がないのでたぶん無理。)


それから、「部分休業2年と休業1年」ということですので、未修者コースに入学することを予定されているのではないかと思いますが、個人的には未修者コースはあまりおすすめしていません。

理由は「未修者コースと既修者コースのどちらに入学をすべきかについて」という記事で書いていますので、そちらも参考にしていただければと思います。

相談者の方は、既に伊藤塾論文問題と肢別本を結構こなしているようですし、週に15時間程度でも勉強時間が確保できるのであれば、仕事をしながら中堅程度の法科大学院の既修者コースに合格することは十分に可能だと思いますで、ロースクールに入学をするのであれば、既修者コースに入学して、なるべく早く司法試験の受験資格を得るようにしたほうが良いと思います。

配偶者の協力の有無・収入や、職場の制度にもよると思いますが、覚悟ができるのであれば、2年間完全に休職をして既修者コースに入学するのほうが、司法試験に合格できる可能性は高いように思われます。



②の「勉強効率をあげるため、予備校に通い(資格スクエアを検討中)、予備試験を受ける」という方法は、ある意味王道の方法だと思いますし、仕事をしながら司法試験予備校に通って司法試験に合格する人はいますので、その方法が間違いということはないと思います。

ただ「仕事をしながら予備校に通う」という方法をとる場合にネックになるのが、講義を受講する時間をどれだけ確保できるのか、ということになると思います。

予備校にもよりますが、予備校の授業は、パックで受けると合計500時間くらい講義を受けることになると思います。

週に勉強時間を15時間確保できるとすると、講義を受講するだけで8ヶ月強(500時間÷15時間÷4週間)かかってしまうことになります。

これに復習の時間などを含めると仕事をしながら予備校のスケジュールを全てこなしていくのはかなり厳しいように思います。

予備校の講義は基本的に分かりやすいですしペースメーカーにもなるので時間に余裕がある学生や専業受験生であればお勧めできるのですが、時間のない社会人が予備校の講座を全部受けることは慎重に考えたほうが良いと思います。

私も社会人の時に司法試験予備校を利用することも検討したのですが、講義の量が膨大なので、仕事をしながら予備校を受けるとメンタルが弱い自分は消化不良になって挫折してしまうのではないかと考えてました。

その中で試行錯誤しながら、どうやったら独学で短時間で司法試験に合格できるかということを考えてたどり着いたのが、「司法試験の勉強方法,おすすめの参考書や問題集(総論)」などで書いた問題集や過去問を中心に勉強をしていくという方法でした。

社会人をやりながら予備校を利用するのであれば、答練・模擬試験や問題演習の講座のみを取るとか、苦手な分野の講座のみを取る等、取捨選択しながら、自分に本当に必要な部分が何かを考えた上で、利用すると良いと思います。

話が飛ぶのですが、偏差値30代の高校生3年生が勉強して東大に入るという「ドラゴン桜」というドラマ(フィクション)が昔ありました。

そのドラマの中で、1人の高校生の親が病気で倒れてしまって、その高校生は家の仕事をしながら勉強をすることになり、学校に通えなくなったという場面がありました。

その中で、主人公の桜木という弁護士が

「良い教師のもとで正しく学ぶということが最速・最善の方法だと多くの人が思っているけど、一つだけ独学に敵わない部分がある。それは「密度」、勉強に打ち込む時間の濃さだ。」

みたいなことを言うシーンがあります。

私はこのセリフは試験勉強の本質を突いていると思っています。

東大や司法試験に合格する人の多くは、良い高校や予備校の先生に教わっている人も多いのですが、短期間・短い勉強時間で合格する人は結局のところ、一人で勉強する時に自分の頭で考えて、自分に必要な勉強を集中してやっています。

ですから、社会人の方が短い勉強時間で予備試験や司法試験に合格をするということを考えた場合には、自分が1人で勉強する独学の部分の密度や質をどれだけ上げられるか、という点で明暗が分かれてくると思いますし、予備校を使うのであれば上手く必要な部分に絞って使ったほうが良いと思います。



色々とお話しましたが、もし私が相談者の方と同じ立場であれば、

仕事を2年休職できる状況(気持ちの問題を含めて)がある場合には、法科大学院の既修者コースに入学して、2年で司法試験に合格する覚悟で必死に勉強する

仕事を2年休職できない場合には、仕事をしながらまずは予備試験の合格を目指す。予備校を利用する場合は、答練・模擬試験、問題演習の講座、苦手な分野の講座などに絞って利用するなどして、時間を有効的に使う工夫をする。

という風にすると思います。

またご不明な点がございましたら質問してください。


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