質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います。
――――――――――――――――――――――――――
いよいよ試験まであと1週間ですが、あれからますます仕事が忙しくなり、先週も今日も週末に仕事が入ってしまいました。
この1ヶ月で伊藤塾の予備試験論文問題集をザッと読み、ハイローヤー のヤマ当て部分を基本書と100選で復習するのがやっとで、一昨日から1日1問ずつ過去問に挑戦しています。
実際に時間を計って書いてみると、時間が足りないのと、綺麗な字で書くだけで大変だということが今更ながらわかりました。
切羽詰まったタイミングでの質問なのですが、論文試験本番での時間配分のマネージメントで、何かアドバイスがあればお願いします。
――――――――――――――――――――――――――


  • ●論文式試験本番での時間配分の管理方法について

私が司法試験の受験生だった時に論文式試験で気をつけるべき事項をまとめたノートみたいなものがありましたので、その中から時間配分に関する注意事項の部分を抜き出して説明したいと思います。



  • ○意識について

まず、論文試験に対する意識として完璧主義はある程度捨てて、完璧な答案でなくて良いので、とにかく時間内に書ききるということを意識することが大事だと思います。

完璧な答案を書ける受験生はいませんし、時間内に書ききれなかったり、実質的途中答案になると、それだけで不合格の確率が高まるからです。


  • ○時間設定について

論文試験が開始した時点で、それぞれの設問ごとに、答案の枚数と時間を決めて、それを守るようにしたほうがよいです。

あらかじめ、書く量と時間を決めておかないと、1つの設問に時間を使い過ぎてしまって、途中答案になってしまう可能性が高くなるからです。

決めた枚数と時間は、問題文の設問の横あたりか、答案構成用紙に書いておき、いつでも確認できるようにしておくと良いでしょう。

また、時間設定をする時に、最後の見直し時間として5分程度余るようにしておくと良いと思います。

5分程度余裕を持っておくことで途中答案になるリスクを減らせますし、実際に5分程度の時間が余った際には、条文の記載漏れや、重大な書き落とし等がないか等、見直しの時間として使えば良いからです。



  • ○答案構成

答案構成の時間は人によって違うと思いますたが、私は基本的に試験時間の25%(4分の1)程度を目安として、多くても試験時間の33%(3分の1)以内に収めるようにしていました。

答案構成の時間が試験時間の3分の1を超えると途中答案になる可能性が高くなると思います。

答案構成の際に、自分の知らない箇所や、未知の問題に時間をあまりかけすぎないようにしたほうが良いです。

自分の知らない箇所や未知の問題は他の受験生も知らない可能性あり、時間をかけてもそれほど差がつかないことも少なくないですし、分からない問題にいたずらに時間をかけるよりも基本的な部分をきちんと書いたほうが点数は上がりやすいからです。



  • ○実際の答案の作成

実際に答案を書き始めた後、予め設定した時間を過ぎても次の設問に移れていない場合、当初の予定から端折る個所を即座に決定して端折りながら答案を書き、できるだけ早くに次の設問に移れるようにしたほうが良いと思います。

ミスを取り返そうとするよりも、ミスを認めた上で被害を最小限度にするための方法を考えて、途中答案を避けるようにすることが大事です。


  • ○途中答案になる理由

以下は私自身が受験生時代に途中答案になった際の理由を分析したものです。


・原因①:余計なことまで答案構成用紙に書いてしまう。

答案構成は最低限のメモ程度にとどめておくという意識が大事です。

あてはめに必要な事実は答案構成用紙に書き写すのではなく、蛍光ペンなどで線を引いておいて、答案構成用紙には「ピンク(の蛍光ペンで線を引いた部分)」「緑(の蛍光ペンで線を引いた部分)」などと書いておくと時間の節約になります。


・原因②:問題の処理方法が頭に入っていない

問題の処理方法を頭に叩きこんでおかないと試験本番で「次は何をするんだっけ・・・」と考えて時間がかかってしまいますので、問題の処理方法は頭にきちんと入れておくことが大事です。

自分が使ってきた問題集で処理方法を整理したり、自分で作ったノートがあればそういったものを使って本番で処理方法で迷わないようにしておいたほうが良いです。


・原因③:基本的な知識・理解が不足しているために、答案構成で悩む

これはすぐに解決する問題ではありませんが、やはり基本的な知識・理解が欠けていると、答案構成で悩む場面が多くなり、時間がかかりやすくなります。

この問題を解決するためには、基本的な知識・理解(伊藤塾の論文問題集でAランク以上の問題)をインプットするしかありません。


・原因④:短い論証を暗記していない・書けない

論証を常に自分の頭で考えて書いていると論証が長くなったり時間がかかりがちです。

基本的な論点(伊藤塾の論文問題集でAランク以上の問題に出てくるような論点)の論証は、可能な限りすらすらと書けるように準備しておくことが大事です。



・原因⑤:コンパクトなあてはめができない

これもなかなか一朝一夕で解決する問題ではないのですが、あてはめも工夫によって短くすることができます。

例えば「事実①を書いて評価する。事実②を書いて評価する。事実③を書いて評価する。」というよりも、「事実①②③を書いて評価する」としたほうが、短くできます。

事実をまとめて評価して良いかどうかはその事実によるのですが、まとめて評価してよい事実の固まりについては、まとめて評価するようにしたほうが途中答案のリスクは小さくなります。


・原因⑥:丁寧に書こうとする意識が強すぎる


論文式試験で丁寧に論述しようとすることは大事ですが、丁寧に書きすぎてしまって途中答案になると、それだけで不合格のリスクが高くなってしまいます。

「途中答案にならない利益」>>>「丁寧に書く利益」

なので、時間がないと思ったら丁寧に書くことを「あきらめる」ことも大事です。

時間が無くなった場合には、適宜文章を短くして、重要だと思った部分に絞って書くと良いです。



  • ●論文式試験では綺麗な字で書く必要はないこと

ご質問の中に「綺麗な字で書くだけで大変」という話がありましたが、司法試験や予備試験は字の綺麗さを争う試験ではないので、綺麗に書く必要はありません。

綺麗に書くよりも「読める(判別できる)」字を書くことが大事です。

子供のような汚い字で書いても、判別できれば落とされるということはないと思います。

私自身は司法試験の答案の字はかなり「汚い」字で書いていましたが無事に合格しましたし、ゼミの仲間もみんな字は綺麗ではありませんでしたが合格しています。

綺麗に書くという意識よりも、字は多少崩れても良いから頭の中にあることをそのままとにかく速く書く、という意識のほうが大事ではないかと思います。



それから、論文試験は長丁場なので、字を書く時にはあまり力を入れすぎて書くと最後のほうで握力が無くなって字が速く書けなくなることがあります。

なので論文試験で字を書くときは少し力を抜くくらいのイメージで書くと良いのではないかと思います。




またご不明な点がありましたら質問してください。


【アクセスの多い記事】
司法試験の勉強方法,おすすめの参考書や問題集(総論)
民法の勉強方法とおすすめの民法の基本書や参考書など(その1)
民法の勉強方法とおすすめの民法の基本書や参考書など(その2)
刑法の勉強方法とおすすめの刑法の基本書や参考書など
憲法の勉強方法とおすすめの憲法の基本書や参考書など
会社法・商法の勉強方法とおすすめの商法・会社法の基本書や参考書など
民事訴訟法の勉強方法とおすすめの民事訴訟法の基本書や参考書など
刑事訴訟法の勉強方法とおすすめの刑事訴訟法の基本書や参考書など
行政法の勉強方法とおすすめの行政法の基本書や参考書など
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////