質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います

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今後の勉強方法について、アドバイスを頂けないでしょうか。
現在、ブログを参考に入門書を読んで、問題集を解くという方法を繰り返していたのですが、ロースクールに入学後はこのような勉強方法(問題集を解くことを繰返す)を継続すべきなのでしょうか。司法試験対策としては、このような勉強方法が重要なのかなと感じて入るのですが、どうしても、ロースクール卒業のために、授業の予習復習、課題や定期試験対策をメインとしなければいけないように感じています。
今後の勉強の仕方(ロースクールの勉強と司法試験の勉強の割合や、いつから短答の対策をはじめるべきかなど)について何かアドバイス等ありましたらお願い致します。
既習コースで入学しておりますが、仕事を半分休みながら2年間(令和3、4年)かけて、ロースクール2年目を履修し、仕事を完全休業(令和5年)しロースクール3年目を終える予定です。令和5年目の後期からは授業はかなり少なくなるような履修を計画しております。
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ロースクールの授業の予習・復習、課題、定期試験対策をどこまでやるかは、(1)ロースクールの単位認定の厳しさと、(2)ロースクールの授業と司法試験との関連性の程度、によって判断することになると思います。


例えば、私のいたロースクールでは、上記(1)と(2)の状況は以下のような感じでした。


憲法・民法・民事訴訟法
⇒(1)単位認定は緩い、(2)授業と司法試験との関連性の程度は低い

行政法
⇒(1)単位認定は緩い、(2)授業と司法試験との関連性の程度は中程度

商法
⇒(1)単位認定は緩い、(2)授業と司法試験との関連性の程度は高い

刑法・刑事訴訟法
⇒(1)単位認定はかなり厳しい、(2)授業と司法試験との関連性の程度は非常に高い



私のいたロースクールでは刑法・刑事訴訟法の単位認定が厳しかったです(毎年のように10%程度留年)。

他方で、先輩の話によると、刑法・刑事訴訟法についてはロースクールの定期試験である程度の成績を取ることができれば、司法試験でも容易に合格点が取れる、という話でした。

私は、ロースクールの初回の定期試験では刑法・刑事訴訟法ともに点数が悪く、周りの同級生は旧司法試験の勉強を何年も続けてきた猛者ばかりという状況でした。

そのような状況でしたので、既習1年目は、ロースクールの刑法・刑事訴訟法の予習・復習に費やす時間が多かったです。

ただ、ロースクールの予習・復習をしているだけでは定期試験で安定した点数を取ることは難しいと思い、既習1年目の夏休み(2ヶ月くらい)に伊藤塾の「試験対策問題集」のAランクの問題を中心に復習をし、基本的な知識・理解の定着に努めました。

その結果、ロースクールの後期の刑法・刑事訴訟法の定期試験の点数は安定するようになり、定期試験でも上位の成績をとることができ、既習1年目が終わる時点では刑法・刑事訴訟法の論文式試験の勉強は、それ以上あまりやらなくても十分だろうと思えるくらいのレベルになっていました。


また、ロースクールの民事訴訟法の授業がカオス過ぎて全く頭に入ってこなかった(学説の対立や最先端の論文の話ばかりで何が判例・通説なのか良く分からなかった)ので、既習1年目の段階で知識を整理するために同様に「試験対策問題集」のAランクの問題を中心に復習をしながら定期試験対策をしました。


その他の科目について、既習1年目の時点では主にロースクールの予習と定期試験対策(授業の復習)に追われていて、論文式問題集を回す時間はあまりなかったです。



既習2年目は主に、

・既習1年目であまり勉強ができなかった憲法・行政法・民法・商法(会社法)の自主ゼミを組んで論文問題集をこなす

・短答式の勉強を始める

・司法試験の論文式試験の過去問を解くゼミを組んで時間を計って答案を作成しお互いの答案を読みつつ批評をし合う

ということをしました。





以上の私の経験を踏まえると

・ロースクールに入学後に問題集を解くことを繰返すという勉強を継続すべきか

⇒ロースクールに入る前にどの程度まで問題集の知識・理解を高めることができたかによるが、ロースクールの定期試験に合わせて論文式問題集が使えるようであれば活用し、定期試験に追われて問題集を十分に回せなかった科目については既習2年目に復習をする。


・ロースクールの勉強と司法試験の勉強の割合

⇒ロースクールの勉強と司法試験の勉強の切り分けが難しいと思いますが、ロースクールの授業の予習・復習・定期試験対策をすることで司法試験の成績に直結する科目については、全力でロースクールの勉強をする。司法試験の成績に直結しないと思われる科目については基本的には単位を落とさない程度に最低限の勉強をする。


・いつから短答の対策をはじめるべきか

⇒既習1年目からやり始めるのが望ましいが、既習2年目から勉強をはじめても十分に間に合う。


相談者の方は、既習1年目を2年で、既習2年目を1年で履修されるようですので、その点は適宜読み替えていただければです。



なお、私はロースクールに入学する前は、基本的に論文式の問題集として伊藤塾の「試験対策問題集」又は柴田孝之先生の「論文基礎力養成講座」を使っていましたが、既習2年目はゼミの仲間が使っている問題集との兼ね合いで、以下の問題集も使っていました。

憲法  「事例研究 憲法」

行政法 「事例研究行政法」

民法  「民法総合・事例演習」

会社法 「ロースクール演習会社法」









これらの問題集は解答例が無かったり、今では改訂されておらず古くなっているものもありますので、予備校の問題集や、他の新しい問題集のほうが使い勝手が良いと思います。

特に「民法総合・事例演習」は今では使っている受験生はほとんどいないと思いますが、司法試験との関係ではオーバースペックなのでおすすめはしません。




論文式の問題集は、問題集を回すことが目的なのではなく、試験本番で合格答案を書けるようになるのが目的ですので、ロースクールの予習・復習・定期試験対策だけで合格答案が書けるレベルになるのであれば、敢えて使う必要はありません(ただ、実情としてロースクールの予習・復習・定期試験対策をしているだけで司法試験で合格答案が書けるような教育をしているロースクールはそれほど多くないように思われます。)

また、金銭的に余裕があるのであれば、論文式問題集を回すのではなく、予備校の答練を大量に受けて復習をすることで、合格答案が書けるレベルに持っていくというタイプの受験生もいます。


個人的には「問題集を回す」という勉強法は、時間的にも金銭的にもコスパが良い勉強法だと思いますが、ご自身が置かれている状況や、知識・理解の定着具合などを考慮しつつ、どの勉強方法をとるのが良いか判断されるのが良いと思います。


不明な点がありましたらコメント欄などに記載をしてください。