質問をいただきましたので、私見についてお答えしたいと思います
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起業経験は企業法務系の事務所に就活する際に良いアピールポイントになりますか?
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起業経験のある司法修習生に会ったことがないので、起業経験は法律事務所の就職においてアピールポイントになるかが分からないのですが、「起業したことがあります!」と言われると、インパクトはあると思いますし目立つので、興味を持つ弁護士は少なくないと思います。
また、顧問先に中小企業を抱えている法律事務所の場合、中小企業の経営者(社長など)から、法律相談とは違った愚痴のような相談や、法律的な解決が難しい相談(従業員間のちょっとしたトラブルなど)などを受けることが良くあります。
そういった時に、「私も社長をやっていた時に同じような悩みを抱えていましたので分かります。」と言えることは、顧問先と上手く付き合っていく材料になるとは思います。
そういった意味では、就職においてアピールポイントになるかも知れません。
ただ、起業経験があるというだけでアピールポイントになるというよりも、起業した会社の規模、従業員の数、会社の経営状況、経営していた期間、起業経験によりどのような経験を得たか等によるのではないかと思います。
ひとくちに「起業」と言っても、今は誰でも簡単な手続で会社を作ることができるので、起業を通じて、どのような知識・スキルを得たのかという点が大事だと思います。
なお、法律事務所にもよると思いますが、起業経験がある人が就職を希望して来た場合、「この人を採用して育てても、独立心が強すぎて、経験を積んだらすぐに独立してしまうのではないか?」ということを心配されるかも知れません。
事務所によっては、弁護士としての経験を積ませるからには、できるだけ長く事務所にいて欲しいと考えているところもありますので、その辺は面接などで空気を察しながら、場合によっては「すぐに辞めるつもりはない。」ということを強調しておいたほうが良いかも知れません。
それから質問の趣旨からは逸れますが、起業で得た経験・知識などは、勤務弁護士として働く場合よりも、独立をした時のほうが、役に立つことが多いと思います。
勤務弁護士は従業員と同じような立場にあることが多いですが、独立をすると小さな会社の社長と似たような立場になり、従業員との関わりやマーケティングにおいて、企業の経営者と同じような悩みを抱えることが少なくないからです。
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