前回,「税理士」資格について説明をしましたが,税理士と関連のある資格とし
て「公認会計士」という資格があります。



■「公認会計士」は主に大企業の「監査」を行う


「税理士」は,基本的に依頼者の代わりに税務署に提出する申告書類などを作ったり,税に関する相談に乗ったりする仕事をしますが,「公認会計士」は主に大企業の「監査」を行います。


「監査」の仕事については東芝のニュースを思い出してもらえると分かりやすいと思います。

平成27年に東芝が不正経理・粉飾決算をしていたことが判明して,東芝は経営危機に陥っています。

企業は毎年「決算書(財務諸表)」という書類を作らなければいけないんですよね。

決算書は金融機関が融資をしたり,投資家が投資をしたりする際に参考にするので,決算書の内容に嘘が書いてあると,周りにものすごい迷惑がかかるんですよ。

そこで不正経理や粉飾決算を防止するために,公認会計士の資格を持った人が集まった「監査法人」が「監査」という形でチェックをすることになっているんです。



そのため「税理士」が個人事業主や中小企業を相手に仕事をすることが多いのに対し,「公認会計士」は大企業を相手に仕事をすることが多いという違いがあります。



「公認会計士」は基本的に不正を防止するために「監査」をする仕事ですから,正義感がある人に向いています。

一般的なサラリーマンをしていると,会社の中で「これって方法としてマズイんじゃないの?」と思うことがあっても,クビになるのが怖くてなかなか言い出せない雰囲気があったりすることもあります。

実際,私も公務員時代に法律に抵触する運用について上司に何度も文句を言いましたが,「今までこれでやってからいいんだよ。黙ってやれ!」と怒られてしまったことがあります。

しかし,「公認会計士」は「正しいことをしましょう」と言ってお金をもらえるんですね!

なんて素晴らしい仕事!

公認会計士の仕事は責任も重く,大変なことも多いようですが,その分やり甲斐はありますので,曲がったことが嫌いな人には向いている仕事だと思います。


公認会計士の仕事の内容をより詳しく知りたい人は「公認会計士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本」という本を読んでみると良いと思いますよ。

●ISBN-10: 4798040657



■公認会計士の年収や勤務環境


以前は一時的に「公認会計士は就職難」と騒がれていましたが,最近では公認会計士の合格者数も元に戻ってきたこともあり,最近では監査法人も人手不足のようです。

そのため,監査法人に就職すると初任給で500万円から600万円も貰えることが多く,就職して数年で1000万前後の給与になる人も珍しくありません。


決算の時期には残業が多くなりますが,決算以外の時期は普通に有給休暇を取ることもできることが多く,子育てをしながら公認会計士の仕事を続けている女性も多いです。



このように,年収も勤務環境も比較的恵まれている「公認会計士」ですから,社会人になってから公認会計士の試験を受験して転職する人も少なくありません。

とはいっても,「公認会計士」の資格を取ることはそうそう簡単ではありません。


そこで,次回は「公認会計士試験」の勉強方法についてお話をしたいと思います。

●ISBN-10: 4798040657